「10月5日に国会図書館が、“ブログ”の保存と収集を発表しました」(一般紙社会部記者)
新聞や雑誌など日本国内で出版された出版物のすべてを保存する国立国会図書館。なぜ今回、ブログを収集することになったのか。
「国会図書館では、'02年から、主に国の機関、地方自治体、国公立大学などを対象にウェブサイトを保存していますので、今回はその範囲を広げるといったことでしょう」(同・一般紙社会部記者)
国会図書館が運営する『インターネット資料収集保存事業』のホームページで、“ブログ”と検索すると、今回保存の対象となった市川海老蔵や、その妻で'17年に亡くなった小林麻央さん、元卓球選手の福原愛、元バレーボール選手の大林素子など文化人やスポーツ選手を中心に42人のブログが表示される。
「収集対象は、すべて株式会社サイバーエージェントが運営する『アメーバブログ』のブログです。今回の件は、アメブロの協力によるものですね」(同・一般紙社会部記者)
サイバーエージェント(以下、CA)に今回の経緯について話を聞くと、
「'17年のスタンフォード大学において小林麻央さんのブログが保存された流れを受け、弊社から“日本の図書館でもブログに関して何かできないか”と国立国会図書館様にご相談した結果、“ぜひブログを保存したい”とお話をいただき、実現した次第となります」(CA広報部)
保存ブログの選定基準
なぜこの42人が選ばれたのか。収集の基準について、国会図書館のインターネット事業を担当する国立国会図書館関西館に話を聞くと、
「CAが提示したブログの候補について、当館側で確認し、収集することになりました。またブログの収集については、当館の資料収集方針に従い、選定基準として“公共性の高いものや、時代を記録するものを重点的な対象”として収集しています。ブログは、時代を記録しているメディアと位置づけられると考えています」(関西館総務課)
国会図書館に提出した候補についてCAにも聞くと、
「社会的にも影響を与えた著名人やアスリートのほか、衣食住や恋愛模様など、さまざまな文化・ライフスタイルを発信している方々を中心にお声がけし、許諾をいただくことができた42名となります。
スポーツ選手に関しては、オリンピックやワールドカップがこれから開催される、開催中というタイミングでしたので、改めて過去に活躍した選手や、現在も活躍しているスポーツ選手にも焦点をあてたという意図があります。SNS発信を通して、スポーツ振興が活性化されるように願い選ばせていただきました」(前出・CA広報部)
国会図書館によると、今後のブログの収集については、
「具体的な予定はありません。今回のように、著作者の許諾処理を一括して行っていただくなど事業者の協力があり、条件が整えば収集します」
とのことだった。余計なお世話かもしれないが、今SNSによる“タピオカ騒動”で炎上している木下優樹菜のように、投稿を削除するような事態になったらどうなるのか。
「ウェブアーカイブとして保存されているため、対象の記事が削除されても保存され続けます」(前出・CA広報部)
“炎上”もまた時代、ということ!?