特殊能力を持つ救急救命士と、余命1年の義姉とのラブストーリー、金曜ドラマ『4分間のマリーゴールド』(TBS系 金曜夜10時~)が遂に佳境を迎える。婚約したふたりが“死の運命”にどう立ち向かうのか、原作コミックにオリジナル要素を加えたプロデューサーの思いとは―。
生と死、愛に真正面から向き合う作品
手を重ねた人の“死の運命”が見える特殊な能力を持つ救急救命士と、余命1年の義姉との禁断の恋を描いたラブストーリーで、通称“4マリ”。原作は、キリエの同名コミック。
主人公の花巻みこと役を演じるのは、福士蒼汰。みことと恋に落ちる義姉・沙羅役を菜々緒、花巻家の長男・廉役を桐谷健太、末っ子の藍役を横浜流星がそれぞれ演じる。
原作を読んで涙したという橋本芙美プロデューサーは、制作の経緯をこう話す。
「“命”や“大切な人との時間”は決して当たり前にあるものではない、と改めて考えさせられました。そして生と死、愛に真正面から向き合う作品を描きたいと強く思ったのです。
みこと役に真っ先に思い浮かんだのは、優しい雰囲気のなかに芯の強さを持つ福士さんでした。
清純なだけでなく、家族にとって太陽のような存在の沙羅役は、菜々緒さんにオファー。悪女役を多く演じてこられましたが、素の菜々緒さんは沙羅に近いイメージ。美しさのなかに、“死の運命”と向き合う沙羅の強さを表現してもらっています」
原作ではラブストーリー色が強いが、ホームドラマの要素を加えることにもこだわった。
「みことと沙羅だけでなく、家族や登場人物たちの姿、生き方も描きたいと思ったのです。“死の運命”が見えるというファンタジーなベースのなかで救命、恋愛、家族の話が展開します。うまく融合させるのは、思った以上に大変な作業でした。
まず初回に、みことの能力と運命に抗って救おうとする思いと義姉への思いを丁寧に描くことに徹しました。視聴者の方はドラマの見方に少し戸惑われたと思います。チャレンジでしたが以降、恋愛や家族の抱える悩みなどが動き出してからは、視聴者の方の心も動き出したと思います。ブレずに最後までやるべきと思いました」(橋本P、以下同)
現場で流行った“能力ポーズ”
救命の現場で生死を分けるタイムリミットの“4分間”をタイトルに冠しているように、みことの救急救命士としての活動は大きな見どころ。横浜市消防局の全面協力のもと、福士は胸骨圧迫などの救命シーンに臨んでいる。
「菜々緒さんは、キャンバスに向かうなど画家としての姿を、花巻家の料理担当の横浜さんは料理指導を、格闘技好きの廉が繰り出す技のため、桐谷さんは格闘技のプロに、それぞれ監修してもらっています」
今後は婚約した、みことと沙羅の運命のほかにも、元恋人(磯山さやか)と再会した廉、料理の道に進むことを決めた藍など、さまざまな物語が描かれる。
原作にはない展開が多くなり第8話(11月29日放送)のラストもオリジナルに。
「1年半ぶりくらいに母親の理津(麻生祐未)が帰ってきます。沙羅の運命を理津に話すのか? 娘と母、女同士の家族の関係にもご注目ください」
クランクイン前のポスター撮影の時点で、家族のような雰囲気があったという花巻4きょうだい。
「撮影が始まってからもさらに仲がよくなっているようです。劇中で藍の手料理がおいしいと言っていますが、フードコーディネーターの作った実際の料理がおいしいので、花巻家の食卓のセットでそのまま食べて、お昼休憩を4人が一緒にすることもあります」
さらに、撮影現場では、手と手を合わせる“みことの能力ポーズ”で写真を撮るのが流行っているそう。
「福士さんとスタッフ、演者さん同士など、写真を撮ってはプリントして“4マリの思い出”と題したコルクボードに貼っては楽しんでいます。私は、花巻家の愛犬、シロと手を合わせました(笑)。
楽しい雰囲気ではありますが、キャストもスタッフも、強い思い入れ、覚悟を持って撮影に臨んでいます。面白おかしいエンターテイメントではなく、言うなれば、“覚悟のエンタメ”。どんな結末を迎えるのか、ご期待ください」
料理男子・藍クンのこだわり!
“うまい!”と絶賛されると、うれしさを隠して“おかわりあるから”と返す、ツンデレぎみの藍クン。
「藍の花巻家での居場所は、部屋よりも台所。ホワイトボードに買い物リストが貼ってあり、鍋などの調理器具もたくさんそろっています。台所のシーンはそれほど多くありませんが、料理に対する藍の“情熱の証”を、お見逃しなく!」(橋本P)