「尾野ちゃんって呼ばれることが増えました。6歳くらいの女の子からお手紙をもらったんですが、奈緒さんへではなく“尾野さんへ”って書いてあったり(笑)。
でも、私自身が尾野ちゃんの奇行に対してファンになっていきましたし、“次はどんなことするんだろう”ってワクワクしながら、楽しんで演じていましたね」
ちょっと無鉄砲なところがあるから心配
ドラマ『あなたの番です』では、ストーカー気質のヤバイ女・尾野ちゃんの怪演ぶりが話題に。現在は『まだ結婚できない男』に出演するなど今年、一気にブレイクした女優の奈緒。
岡山県備前市を舞台にした最新作『ハルカの陶』では、陶芸に魅せられたヒロインの小山はるか役に挑戦。映画は初主演となる。
「東京でやりたいことが見つからなかったはるかちゃんは、ある日、備前焼に魅了され仕事を辞めて岡山に行き、陶芸家の先生に弟子入りまでしちゃうんです。すごく強いし、まっすぐな女性だなって思いながら演じきりました」
奈緒自身はこんな性格だそう。
「家族とか近い存在の人たちには、のんびりしているように見えるけど、決めたら言うことを聞かないし、ちょっと無鉄砲なところがあるから心配って言われます。それと、何にでも興味があるよねって。確かに小学校のときから、“興味・関心・意欲・態度”は、いつも5でした(笑)」
ちなみに今の興味は?
「炊き込みご飯(笑)。いつも季節ごとに“何しようかな”って考えるんです。例えば、今年の夏だったら線香花火に興味がわいて、日本各地の職人さんが作ったものをまとめ買いして、友達と公園でその違いを見たりしました。
日本の東西でも光り方が違ったりして、“これは東だな”とか言いながら比べたりして。なので、秋って考えたときに栗とかおいも、松茸とかいろいろ思い浮かんで、“あっ、全部炊き込みご飯に合うものだ”って気づき、いろいろ美味しいお店を調べています(笑)」
あっ私、これをやっていきたい
芸能界には、子どものころから興味があった。
「女優としてやっていこうと決めたのは大きくなってからなんですが、小さいときから働いてみたいという気持ちがあったんです。芸能界って年齢は関係ない仕事なので、いいなって思いながらテレビを見ていたんですが、親はずっと反対していて」
そんなある日、地元の福岡でのスカウトをきっかけに芸能活動を始める。
「“そんなにやりたいって言うんだったら、義務教育も終わって高校も入ったし、やってみなさい”って親も許してくれて、最初は習い事のような感じで始めたんです。
そんな中、お芝居のレッスンを受けたときに、“あっ私、これをやっていきたい”って思って、その気持ちを親に伝えようとしたら涙が止まらなくなっちゃって。
そういう気持ちになったの、初めてだったんです。それがきっかけですね、ちゃんとお芝居をやろうと思ったのは」
そんな奈緒には憧れの女優がいる。
「田中裕子さんです。『大阪物語』という映画を映画館で、しかも初めて立ち見で見たんです。もうお芝居が素敵で、こんな人になりたいなと思って、それから田中さんの作品をいろいろ見るようになりました。
まだお会いできてないんです。どこかの現場でご一緒させていただける機会があったら幸せですね」
私、これが好きなんです!
「17、18歳のときに、ココイチ(CoCo壱番屋)で初めてカレーを食べてから大好きに。それまでカレーに魅力を感じてなかったんです。家でカレーが出ると数日続くし。
そのときのあまりの美味しさに感動して、食べ歩くようになりました。自宅でもスパイスからカレーを作ってますよ」
『ハルカの陶』11月30日(土)ユーロスペースほか全国ロードショー
配給:ブロードメディア・スタジオ (c)2019「備前焼映画」製作委員会
なお 1995年2月10日生まれ。福岡県出身。連続テレビ小説『半分、青い。』、ドラマ『サバイバル・ウェディング』などに出演。『やめるときも、すこやかなるときも』(日本テレビ系)が2020年1月20日スタート。映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』が2月21日に公開されるなど出演作が多数控える