19回目のクリスマスコンサート『きよしこの夜』が、今年も東京国際フォーラムで。
初の洋楽カバーをお披露目
オープニングは、蝶をイメージした衣装で『それぞれの花のように』。桜の着流しに着替えると、氷川きよし(42)の原点・股旅演歌が続く。にぎやかな国旗のスーツでは『きよしのズンドコ節』、紋付袴では『一剣』『白雲の城』など。重厚な演歌が心にしみる。
後半はジャンルにとらわれない楽曲のオンパレード。『限界突破×サバイバー』は真っ赤なエナメルのホットパンツ&ニーハイブーツ。『かなしみのマーメイド』ではヒロインになりきった。そして、きよしくんにとって初の洋楽カバー、『ボヘミアン・ラプソディ』の日本語版を初披露。難解なオペラ部分を含め、圧巻の歌声を響き渡らせた。
「映画『ボヘミアン・ラプソディ』にすごい感動して。フレディ・マーキュリーは華やかな芸能界で持ち上げられたけど、人間としての寂しさや孤独、苦悩を抱えていた。
どんなに裕福で贅沢ができても、物質的なもので心は満たされない。やっぱり人に愛されることで、幸せって感じるんですね」
親交のある作詞家・湯川れい子が日本語の訳詞をつけ、英国のクイーン側から特別に許諾が下りたという。
「心にバーンと入ってきて、命に響くものがありました。本当に大変でしたが、フレディの魂を感じながら歌えました」
アンコールを含め全29曲。20周年という節目を締めくくるにふさわしい、まさに“氷川きよし色”のステージだった。