婚活ブームから10年。「婚活は変わりました」と語るのは、結婚相談所『お見合い塾』塾長の山田由美子さん。当時は土日で約500名が「結婚したい」とセミナーに参加した。年齢も30代がメインで、結婚もどんどん決まり、280組が成婚した年もあったという。それが今では土日あわせても個人面談で5人来ればいいほう。“結婚しなくてもいい時代”になってしまった、と嘆く。
若くてもR50も婚活は同じ
実際に個人面談に来るのは、婚活ブーム時に30代で“恋愛結婚派!”と息巻いていた女性が多い。
「そのころ結婚相談所に見向きもせず、婚期を逃した女性たちです。“今まで何をしてたの?”と聞くと “恋愛結婚できると思ってた”と後悔を口にする」(山田さん、以下同)
そのほかR45世代では、いまさら婚活パーティーにも行けず、会社と家の往復の日々で出会いに臆病になっていたり、「仕事がきつくて結婚に逃げたい」という人もいるという。ほかにも「ここまできたら、あとはもういい人がいたら結婚するから、せかさないで!」と開き直る人、8050問題で介護が大変だが結婚相談所に入っているだけで安心、満足してしまう人も。
「若くてもアラフィフでも基本的に婚活は同じです」
ただし、年代によって婚活で探す相手は考えないと結婚は遠のくという。
20代は“安心で効率よく”人と出会えるわくわく婚活。30代は“しっかり結婚を考えている人”との出会いを求める婚活。そして、R45世代は、“未来の自分に合う人探し”婚活や、お互いに“楽に暮らせるため”の共有婚活だ。さらに60代になると“最後までともに笑える人”を見つける婚活となっていく。
「それなのに、やっぱり恋愛はしたいわ、同年代しかイヤや、でもお金は欲しいわ……などなど。ホンマ、ないものねだりはあきません~(笑)。自分は何歳だと思っているんや!」
アラフィフ婚活は 「焦らず、でも早く」が大切だという。婚活パーティーなどのイベントに参加すると、50歳以上の男性は日常生活に苦労しているので“すぐに結婚したい”と必死だ。このためパーティーでは女性が入れ食い状態になる。女性側も焦って、つい「人柄よりも、結婚してくれる人」を優先して選びたくなってしまうが、ここで焦ってはダメ。
軽いノリの男性も少なからずいるので、真剣に自分の未来を考えるなら1対1のお見合いがベスト、と山田さん。今どきのお見合いは交際同時進行ルール(お見合い塾では3人まで)もあるので、相手の男性を同時に比べることもでき、自分の理想が早く見つけられる利点も。
「お見合いから交際まで、すべて男性がお金を出してくれるので経済的にラク。もちろん、たまに感謝の気持ちを示すのは忘れずに」
また、R45世代が婚活で自分の未来を考えるなら、“妥協ではなく、自分にとって妥当な選択である線引き”「妥当線」を見つけることが何より大切だという。お見合い塾で成婚した53歳のAさんは「もう働きたくない。夫婦で旅行したり、人生を今からでも楽しみたい」と婚活に臨んだ。彼女が1か月の間に会った人は、なんと年収1000万円以上の男性ばかり。
「ホントは、ちょっとちょっと~! とツッコむところ。ただ、Aさんが会ったお相手の年齢は60代ばかり。結局 69歳、年収1800万円の会社経営者と成婚しました。“彼も、もう仕事は子どもに託して、これからは好きな旅行を一緒にしたいって”とうれしそうに話してくれました」
Aさんは年齢差を“妥当”として受け入れた。この妥当線さえあれば、アラフィフで年収1000万円以上の男性をゲットするのも夢ではないようだ。
番外編:こんな人は結婚あかんやろ!
★50代・同年代希望 「60歳? えっ、おじいさんやん!」
→あなたは世間から見たらオバハンです!
★50代・年収1000万円以上希望 「あくせく働くのは嫌。相手のお金で好きなことをしたい!」
→こういう人に限って、お金なし。おしゃれもしていない……。
★40代・口ぐせは「忙しくてなかなか時間がとれません」
→お見合い日も決まらない。交際に入っても会えないで放置。すぐに「忙しい」と。暇つぶしやないんやから~。
★50代・エリート女性「仕事を認めてくれて私より年収も学歴もよくて尊敬できる人。リタイア組は無理。年下でもいいけど年収300万円とかで私のお金をあてにする人は無理」
→アカン……あなたが無理です。
「こういう人たちはプロフィールを見るだけで、どんな男性かわかるらしく(苦笑)、実際に会おうとしない。申し込んでも断られるのが怖い、プライドが傷つくのが本音」(山田さん)
山田由美子さん ◎「結婚情報サービス会社」「結婚相談所」勤務を経て、1997年「仲人業」として独立。現在は、結婚相談所と仲人の利点を活かした「お見合い塾」塾長。仲人歴22年、今までに約2200組を成婚に導いている。