「婚活は若くて美人なほど有利。私なんて……」と諦めたら、そこで試合終了! アラフィフでウエスト80センチ超え、しかも男性がひるみそうな「BL小説家」でありながら見事に幸せな再婚を勝ち取ったのが吉田珠姫さんだ。
『車の運転のうまい人』がいい
昨年には、自らの経験をもとに『なにがなんでも幸せな結婚をする! BL作家が怒濤のアラフィフ婚活で導き出した必勝法』(二見書房)を上梓した。そもそも吉田さんがアラフィフでの再婚活を決意した理由は?
「前夫は私がBL作家としてデビューしたことが気にくわず、それが彼の浮気の発端になり、離婚に至ったわけです。でも、振り返れば結婚生活には幸せな思い出がいっぱいで。だからもう1度、結婚しようと一念発起したんです」
結婚相談所に登録するも、アラフィフはなかなかお呼びがかからない。こと男性は40〜50代であっても身の程をわきまえず若い女性をご所望だ。
「見たなかで強烈だったのは46歳の男性。“希望する相手の年齢は?”という質問に“(下限)20歳から(上限)20歳まで”と答えた“ハタチ妻限定”希望者(笑)。男も女も高望みしすぎず、求めるポイントを明確にすることが大切ですよね」
女性もつい漠然と「お金持ち、イケメン、高身長」的な条件を思い浮かべてしまうが、それは“本当に自分が望む”理想像なのか。
「私の求める第一条件は『車の運転のうまい人』でした。小さいころから父の運転する車であちこち行っていたせいか、これが私の思う『男らしさ』に結びついたようです。それから、次は『本を読まない人』」
小説家なのに、この条件は意外だが「仕事に口出しされるのがいやだから」という理由を聞いて納得!
「人によって違うと思いますが、私は褒められてもけなされてもいや。価値観は合うほうがいいけど、趣味の一致は重要じゃない。今の夫は競馬が好き。たまについて行くと彼に解説してもらえるので、まずまず楽しめる。そのくらいがちょうどいい。あとは、一緒にスーパーに買い物に行ってくれるところが最高!」
「今夜は鍋にしようか」なんて言いながら買い物する──そんな日常的な幸せは何物にもかえがたいと吉田さんは語る。
「誕生日や記念日なんて覚えてなくていい。そういう男は、ほかの女性にもマメだったりしますから」
腐女子は売りになる
生活をともにする伴侶は「見せびらかして映える」よりも「実」が大事。アラフィフ女性の「売り」も、まさにそこにある。
「夫に、私との結婚の決め手を聞くと『料理の腕』。男性は結局そこ。私の持論ですが“家事のできない石原さとみと、家事万能のガンバレルーヤよしこがいたら、はじめの結婚は石原さとみとするかもしれないけど、1年後にはよしこの家に通ってるよ”って。セックスは毎日しないけど、食事は1日3回するんです」
料理に自信がなければ、出来合いでもいい。相手の味の好みを把握して手際よく出すのがキモだそう。
さて、昨今は腐女子趣味をパートナーに隠している女性も多いが、吉田さんはこれは決して障害にならないと語る。
「まったく隠す必要はありません。むしろ、腐女子は売りになるので公言しちゃったほうがいいですよ。会うのは女友達ばかりだし、脳内の楽しみだからまったく無害でしょ? 基本、インドアな趣味だから、それも男性にとっては安心な要因になるんです」
なるほど、言われてみれば男性は、妻や恋人がほかの男に接触するのをいやがるもの。夢中になるのが二次元世界の腐女子は、かなりの安心物件といえる。
「理想が高すぎてもダメだけど、『私なんて』と卑屈になってもダメ。若さやルックスで負ける部分は、可愛げと人懐っこさでカバーできますからね!」
いずれはアラフィフ男性に向けた婚活本も書きたいという吉田さん。いい年こいて“ハタチの女子と結婚したい”なんて見当違いな夢を見ている男性の目を覚まし、自分に合った真の幸せに導いてほしいものだ。
【BL作家 吉田珠姫さんって…?】
小説家。ホラー雑誌でデビューし、BL(ボーイズラブ)小説を中心に著作多数。ハードさにハラハラするヒット作『鬼畜』、ロマンチックなアラブもの『砂漠の王と偽りの未亡人』、ファンタジックな『神官』シリーズなど多彩な作品で読者を魅了し続けている。