「もしこの先、罪を償ったとしても、もう大阪には住まれへんとちゃうか。母親は亡くなっとるし、お姉さんは距離を置いとるようだし、友達もいてへんから」
と地元の男性は言う。
茨城県守谷市の常磐自動車道で'19年8月、前を走る車をあおって無理やり停車させ運転手の男性を「殺すぞ」などと恫喝。何発も殴って傷害容疑で逮捕された大阪市出身の会社役員・宮崎文夫容疑者(44)のことだ。
傷害容疑は処分保留とされたが、強要罪で再逮捕。刑事責任能力を調べる鑑定留置の期限が12月23日までとなっており、先行きが注目される。
先に釈放された女性の行方
しかし、鑑定がどう転んだとしても、宮崎容疑者にとって重大事態が起こっていた。
「遺産として姉らと分割相続した大阪市東住吉区の7階建てマンションについて、宮崎容疑者の持ち分が差し押さえられたんですわ。大阪地裁が11月に強制競売の開始を決め、粛々と手続きが進んでいる。このまま売られたら、自宅にしとる最上階のペントハウスから退去せにゃならん」
とマンション関係者。
宮崎容疑者は、このマンションに恋愛相手を住まわせるなど好き勝手に使ってきた。
犯人蔵匿・隠避の疑いで逮捕され、同9月に罰金30万円の略式を受けて釈放された“ガラケー女”こと当時交際していた女性(51)も住まわせていたようだ。
マンション近くで容疑者が確保されるときに「××さーん、手をつないで」と叫んだフレーズは印象的だった。
「女性は釈放後、大阪では見かけない。マンション玄関の容疑者宅ポストは郵便物であふれ返っているのに、身内もあの女性も誰も片づけようとしないらしい。元のサヤに収まる気はないんじゃないか」(近所の住民)
容疑者には税金の滞納があるほか、大手信販会社に対する車などのローンが残っているとみられる。ほかにも債権者がおり、持ち分の競売によって返済させたいようだ。
「12月初めには裁判所職員5~6人が現地調査を実施している。マンション住人も協力を求められ、各部屋の間取りや使用状況を写真に撮っていったそうだ」(同・住民)
件の女性に話を聞くため、実家のある神奈川県川崎市へ。
近所の女性は「最近ちょっと変化があった」と話す。
「12月中旬に彼女の自宅の電気がついていることに気づいたんです。本人か近い人が室内に入ったのは間違いない。でも生活音や水の音は全くしないし、日中も電気はつきっぱなしなので、ここで暮らしてはいないみたい」(同女性)
インターホンを押しても応答はない。ポストの投函口にはなぜかピンク色のガムテープが張られ、郵便物などが入れられないように細工してあった。親類に連絡し、取材依頼の伝言を頼むと、「そういう話はいいや」と断られた。
前出の大阪のマンション関係者は言う。
「宮崎容疑者は“社長”と呼ばれたいだけの不動産所有者で実質的にはプータロー。あの凶暴な性格は直らんよ。母親も手を焼いて怖がっていた。交際していた女性は大阪には戻ってこんほうがええと思う」
すべてを失いそうな気配だ。