「12月に入り通院の頻度も減り、薬には頼っていますが夜も眠れるようになってきました。早ければ来年度には教壇に戻れるように調整をしているようです」(X教員の代理人弁護士)
30~40代の先輩教員4人が20代のX教員に対し、いじめの限りを尽くした兵庫県神戸市の東須磨小学校で起きた教師間いじめ事件。X教員を羽交い締めにし、激辛カレーを無理やり食べさせ、大笑いしている教員たちの動画が報道されると、加害教員たちへの怒りは列島を駆け巡った。
ネットで晒し者、外出できず
暴力、暴言、教師とは思えない非道な行為は50項目以上。“女帝”と呼ばれるベテラン教員のA(40代)と取り巻き教員のB、C、D(いずれも30代)による悪行だった。
追い詰められたX教員は2019年の夏休み明けから登校できなくなり、事件が明るみになった。市教委は同年10月に外部調査委員会を設置。12月20日に報告書を公表、'19年内にも加害教員らを処分する予定だったが、
「X先生が被害内容を訴えたメモなどの資料10点ほどを調査委員会に提出し忘れていました。隠蔽ではないです」
と前出・市教委の担当者は謝罪。公表時期は年度内とはされるが未定だ。
X教員は被害届も提出。兵庫県警は4人から任意で事情も聞き、慎重に調べを進める。
加害教員たちは自分たちの行為を省みているのだろうか。
「加害教員たちは精神的に憔悴していました。それに“ネットで顔や名前が晒されて外も出歩けない”と話しています」(前出・市教委の担当者)
市教委は有給休暇中の加害教員4人に対し、給与を差し止める分限休職処分にした。するとD教員は「不当だ」と訴え、市の人事委員会に審査請求。D教員は関与を認めているものの、「激辛カレー強要など悪質性の高い行為には関わっていない」と主張、納得できないとしている。
「加害者からは弁護士経由で定型的な謝罪文など文書が届いていますが、示談の申し入れはない。X教員が申告した被害の一部を否定することもあるようです」(前出・代理人)
“女帝A”の地元では
その主張を直接聞こうと加害教員、それぞれの自宅や実家を訪れたが、応じた家族は「弁護士に聞いてください」。
本人たちはすっかりどこかに雲隠れしている様子だった。“女帝”も事件発覚直後から神戸市内の自宅マンションには戻っていないようで、ポストには大量の郵便物。
“女帝”の地元でも彼女の話はタブー。しかし、学生時代を知る同級生らの間では女帝の昔話がひそかな話題になっているとか。同じ学校に通っていた同級生の親は、
「彼女はわがままというか、当時から性格がきつくて友達も少なかったみたい。高校で不登校になったこともあったそうですが、そのときはお兄さんが世話をしたそうです」
今回もまた教育関係者の兄たちが骨を折るのだろうか。
“女帝”と取り巻き教員たちが自らX教員に頭を下げる日は来るのだろうか。