「今年はありがたいことに忙しくさせていただいて。特に『まんぷく』の反響は大きかったですね。大阪で撮っていたんですけど、“忠彦さん”ってたくさんの人に声をかけていただいたり。現場はアドリブが多くて、監督もカットをかけずに面白いものが出るまで待つみたいな(笑)。本当に楽しんで演じられた役でした」
気づけばドラマが終わっていました
3月まで放送された連続テレビ小説『まんぷく』では、画家の香田忠彦役を演じ話題に。バリバリの二枚目から、どこかクスッと笑わせる三枚目まで、振り幅の広い演技力で活躍を続ける要潤。
現在、放送中の『悪魔の弁護人 御子柴礼司〜贖罪の奏鳴曲〜』では、初の弁護士役となる御子柴礼司を熱演中。東海テレビ制作のドラマは『新・愛の嵐』('02年)以来だ。
「久々に古巣に戻ってきたという感覚です。当時はとにかくスケジュールがハードで、セリフが山のようにあったので、流れについていくだけで必死。自分が何かできたとか実感はなく、気づけばドラマが終わっていましたね(笑)。
今回は監督から全員野球でやろうって言われ、その言葉どおり、僕も手が空いているときは、カメラのクレーンを運んだり、スモークを焚いたり。まさに“ONETEAM”で作りました(笑)」
ほかにも面白いことがないかな、と思いながら…
話題作に引っ張りだこの要だが、もともと芸能界には興味がなかったと語る。
「小さいころからスポーツが好きで、陸上をずっとやっていくんだと決めていたんです。でも、挫折して高校3年のときに進路を決めろと言われたんですが、会社に入るとか考えてなかったし、18歳でまだ一生を決められないなって。それに東京に出たかったので、口実として俳優を目指そうと思いました」
その後、上京しバイト先でスカウトされ『仮面ライダーアギト』で俳優デビュー。
「アギトのときはこれっきりで辞めようと思ってました。思うような演技ができず、監督にもビシバシ怒られ毎日ヘコんで。これは本当に向いていないんじゃないかって本気で思っていました。
それで辞めようと考えていたのですが、アギトが終わりそうになったときに、次のお仕事が決まったので、じゃあもう1回だけ頑張ろうって。そうしているうちに、それこそ『新・愛の嵐』のときもそうですが、たくさん反響をいただいたり、面白いって思ってくれる人がいるのなら、次もできるのではと考えるようになったんです」
そこから、俳優としてやっていこうという決意を?
「いや、俳優としてやっていく決意は、いまだにしてないんです(笑)。たまたま仕事が続いているだけだと思っているので。先は決まっていない仕事ですし、ほかにも面白いことがないかなと思いながら、日々生きています」
俳優として以外にも、故郷・香川の“うどん県副知事”としても活躍。県の魅力をPRし続けて今年で9年目となる。
「最初は“うどん県副知事”ってすごい言われましたけど(笑)、最近はだいぶ浸透してきました。香川にいたころの学生時代は、学校に行って部活をしてうどん屋さんで食べて、さらに家でご飯を食べるという毎日。
必ず1食はうどんを食べていましたね。食べ方はいまみたいに種類がいっぱいなくて、うどんに生醤油をシャッとかけ薬味を入れて食べるか、温かいかけうどんが主流。来年は10年目ということで、続けさせていただけるなら、新たなPRを頑張りたいです!」
“オトナ”になった瞬間は
年下の役者さんが現場に増えたなって思ったときですね。35歳過ぎたくらいから実感しました。例えば、佐藤健くんとか20代の俳優の人たちから“仮面ライダー見てました”ってよく言われて、“僕、もう何年やっているんだ?”って考えさせられて。後輩のほうが楽なのでオトナにはなりたくないんですけど(笑)、そんなときにふと思いました。
オトナの土ドラ『悪魔の弁護人御子柴礼司〜贖罪の奏鳴曲〜』フジテレビ系 土曜夜11時40分〜