「2019年ほど活動休止の芸能人が多い年は、過去思いつかないですね。2020年に彼らがどう復帰できるのか、果たして復帰に手こずるのか、芸能マスコミとしては要注目ですね」
ベテラン芸能ライターがそう指摘するとおり、2019年は、皮肉を込めれば不祥事芸能人の豊作イヤーだった。
性犯罪者の復帰はアウト
反社騒動を巻き起こしたよしもと芸人・雨上がり決死隊の宮迫博之、ロンドンブーツ1号2号の田村亮、タピオカ騒動でヤンキー臭を発揮したタレントの木下優樹菜、キチンとした納税を怠ったチュートリアルの徳井義実、恐喝容疑で書類送検された、タレントの道端アンジェリカといったところは“不逮捕組”。
“逮捕組”としては俳優の新井浩文、ミュージシャンのピエール瀧、女優の沢尻エリカ、歌手の田口淳之介、AAAの浦田直也といった名前が挙がる。
「逮捕組といっても、それぞれ立場が異なる。強制性交容疑で実刑判決を受け現在、控訴中の新井は、復帰に甘いと言われる芸能界といえども、居場所はないでしょう。以前、俳優の小出恵介が未成年者と淫行したことが原因で、数か月後に所属事務所を契約解除になりましたが、性犯罪の加害者の復帰は、大手事務所が後押ししてもなかなか難しい。世間の風もいま、#Mee Too問題への関心が高まり、性犯罪により一層、厳しい目が注がれるようになった。2019年8月、以前、性犯罪で逮捕された高畑裕太が舞台で復帰しましたが、メディアへの復帰はできない」(前出・芸能ライター)
ちなみに小出は現在、ニューヨークに住み、アクターズスクールに通っているという。
性犯罪に関してはほとんど復帰アウトで、イメージ挽回の手立てはないのが実情だ。
クスリに関しては、その社会復帰を見守る空気が世間にもあり、再チャンスの窓口はあることはある。
「以前、逮捕されたASKAが歌手復帰してコンサートを行っている。田口は釈放後すぐに自主レーベルから新曲を配信リリースしている。沢尻は2020年1月末に初公判があるため、まだまだ復帰は先。沢尻と同じエイベックス所属のAAAの浦田はクスリ問題ではありませんが、所属事務所のエイベックス社員が、沢尻より先に復帰のメドを立てるために会議をしていますよ、と明かしていたことから、そう遠くないと思いますよ」(前出・芸能ライター)
2019年10月にリリースしたAAAのシングルジャケットに映っているのは5人のメンバー。それがいま、オフィシャルサイトのトップに使われ、まったく違和感を覚えない。
「本人は早めに復帰したい。ほかのメンバーは拒否しているわけではないが、快く思っていないメンバーもいる。どうすることがグループとして、会社としてプラスになるのか、微妙な調整が2019年末に話し合われたようです」(情報番組デスク)
そんな中、年内の“解決”を狙ったかのように所属事務所は、浦田の謹慎処分の解除とともにAAAの脱退を表明。今後は引退はせずにソロとして活動するというから、復帰は間近と見られる。
吉本芸人、復帰の順序
逮捕されていないが、社会的制裁を受けたタレントに関しては、
「うまく区切りをつけるタイミングが難しい。所属事務所の見極め力が問われる」
とスポーツ新聞記者。対象者としては、宮迫、田村、徳井、ユッキーナ、といった面々だ。
「木下以外はすべてよしもと。経営陣の空気としては、田村→徳井→宮迫の順で、と考えているようです。宮迫に対しては、ウソをついたことで騒動を炎上させた張本人という恨みがあり、いまも不快感を漏らす幹部がいる。
徳井に関しては金がらみのスキャンダルですが、かつてよしもとの次長課長の河本準一の母親が生活保護費を不正受給していた件よりはマシ、という感じで、オファーがあればいつでも復帰しますよ、と暮れの忘年会で広報関係者が話していました」(前出・スポーツ紙記者)
2019年の大晦日に、よしもと所属のフジモンことFUJIWARAの藤本敏史との離婚を発表した元妻の木下優樹菜。タピオカ騒動が直接の原因になったかは不明だが、「夫婦としてのすれ違い」を理由としている。
「これまで、いい妻、いい母のイメージで女性に支持されていたのですが、化けの皮がはがれた感じで、元のようないい妻、いい母を売りにすることはもう難しい。じゃあ、どんな戦略がいいのか。演技もできない、歌も歌えないバラエティータレントですから、代わりはいくらでもいる。よしもと芸人の復帰よりも、案外、難しい」
と情報番組デスクは指摘する。
12月、お笑いコンビ、よゐこの濱口優と南明奈夫妻が登場したウエディング関連のイベントがあったが、そこでも両人は「夫婦としてメディアに出続けたい」と、おしどり夫婦として名乗りを上げた。
謹慎芸能人がいれば、その穴を埋める芸能人がすぐさま現れる芸能界。
謹慎芸能人にとって2020年はどんな年になるのだろうか。
<取材・文/薮入うらら>