尾上松也 撮影/森田晃博

「30歳半ばとなると、仕事でも年下が増え、気持ち的にも少し余裕が出てきて、調子に乗りやすくなる年齢なのかなと。ですので、そういうことのないよう2020年も“これまでと変わらずにいる”ということを目標に頑張ります!」

 そう爽やかに宣言したのは、歌舞伎のみならず、舞台やミュージカル、ドラマにバラエティーなど幅広く活躍する尾上松也(34)。透き通るような白い肌にキリッとした目が美しい、“歌舞伎界のプリンス”が新年に挑むのは……!?

抵抗ゼロの“バカ”演技

「こういった役柄のほうが性分に合っていると自負しております(笑)。これだけのバカっぷりを出すことに、躊躇(ちゅうちょ)はありませんでしたね」

 新ドラマ『課長バカ一代』では、端正な顔立ちを崩してまで“バカ”演技に挑戦! 松也は、とある家電メーカーの社員で“課長補佐代理心得”という謎の肩書を持つ主人公・八神和彦を演じている。

「こんなに真剣にバカなことを考える現場も珍しいです。たまにわれに返って、“俺、何やってるんだろう”って(笑)。かぶり物をしたり、マラカス持って踊ったり……。抵抗は、まったくなかったです。NGを出しても、みんな笑っちゃうんですよ。演じていて楽しさしかない現場でした」

 ドラマも新しく始まり、多忙な日々。

 実は本人、数年前のインタビューでは“休みはいらない!”と話していたが……。

「そんなこと言ってましたか。今は、すごく休みがほしいです!(笑) 20代のころかな、当時は本当にそう思っていました。ですが、30歳を過ぎたころから体力的に休むことも大事だなと。次のパフォーマンスに影響が出てはいけないので。最近は睡眠の重要性を痛感しています(笑)」

「歌舞伎に恩返しがしたい」

 休日もなくはないが、交友関係が広いがゆえにこんな事態が。

「僕、舞台に出演している友人が多くて。(城田)優さんとか、(山崎)育三郎さん、(中村)七之助さん、(生田)斗真さんとか。彼らの出演している舞台を見に行くには、休みの日しかない。休みの日くらい家でのんびりしていたい! と思いつつ、気づいたら芝居を見ているんです(笑)」

尾上松也 撮影/森田晃博

 公私ともに“芝居”漬け。歌舞伎の公演の合間にドラマの撮影をしたり、ミュージカルに出演したあとに歌舞伎のお稽古に向かう、なんて日も少なくない。

 歌舞伎に限定せず、活動し続けるのはなぜなのか。そこには、こんな思いがあるという。

「僕のベースとなっているのは歌舞伎ですので、そこに恩返しがしたいんです。歌舞伎をいちばんに思っている気持ちはずっと変わらない。歌舞伎を見たことのない方が、僕を通じて少しでも興味を持っていただけたらいいなと。

 今回のドラマも同じです。僕をきっかけに歌舞伎を知っていただき、ひとりでも多くの方に足を運んでいただけたら。その思いが、僕を動かしているんだと思います」

そろそろ結婚……?

「恋愛のこと聞かれるの久しぶり!(笑) 結婚はもちろんしたいです。ですが、この年齢になると、“好きだから付き合おう”ってワケにもいかない。職業的に、僕自身と僕の仕事への理解が必要になります。
 僕は歌舞伎俳優でなかったら、20代半ばには結婚していたんじゃないかな。いろいろ仕事のことを考えすぎてタイミングを逃してしまったみたいです(笑)。僕は子どもが好きですし、早く結婚したい気持ちはずっとありますよ!」


『課長バカ一代』1月12日(日)夜7時~
BSトゥエルビにて放送開始 1月4日(土)より、ひかりTV・dTVチャンネルにて順次配信

『課長バカ一代』 (c)「課長バカ一代」製作委員会