1月22日、ジャニーズ初の「2組同時デビュー」を飾る、SixTONESとSnow Man。
2組はそれぞれの所属レーベルからシングルCDを発売、チャートはその2つが合算で集計されるという。
多種売りの元祖は少年隊
「一昨年のKing & Princeのデビュー曲『シンデレラガール』は、初週の売り上げが57万枚で、デビュー曲の初週売り上げとしてはKAT-TUNに次ぐ歴代2位の枚数を記録しました。今回、レコード会社を超える合算という過去にない“合体技”によって、キンプリ、KAT-TUN超えも視野に入れているのではないでしょうか」
と、ジャニーズ事情に詳しいテレビ誌記者は言う。
「直接ぶつかり合いながらも協力するような形ですよね。キンプリの前身時代も、『Mr.King vs Mr.Prince』というユニット名でしたが、グループやメンバー同士を競わせて成長させていくのは、まさにジャニーさん好みの売り方。ジャニーさん亡きあとも、継承していこうという気持ちがうかがえます」(同テレビ誌記者)
2組は大みそかの『紅白歌合戦』をはじめ、年末年始の大型特番にも出ていた。出演するセブン-イレブンのキャンペーンCMもヘビーローテーションで放映されるなど、デビュー前からお茶の間への浸透を着々と進めている。
とかく話題になる機会が多い、ジャニーズのデビュー。過去をさかのぼってみると、さまざまな趣向を凝らしてきている。
1985年、少年隊のデビュー曲『仮面舞踏会』はB面曲を3曲用意し、ジャケットのデザインも変えて3種類で発売。当時はレコードだったため、カラーレコード仕様にして色まで3種類に分けた。
「今のCD業界ではすっかり常識となった“多種売り”の元祖ですね。当時はまだ全種類を買う人よりも、自分が好きなジャケットを1種選んで買うというファンが多かったようです」(レコード会社関係者)
ジャニーズのデビューといえばバレー
またジャニーズの新グループ結成&お披露目というと、近年ではワールドカップバレーとの関わりが深い。まず、1995年にそのイメージキャラクター第1弾として結成されたのがV6。V6のあとを受け、1999年に結成されたのが嵐。ハワイ洋上のクルーズ船で行われたデビュー会見は、多くの人の印象に残っている。
その後、'03年のNEWS、'07年のHey! Say! JUMP、'11年のSexy Zoneと、「バレーデビュー」とされるグループが4年おきに誕生した。
「バレーデビューを飾るグループは、その時代の人気Jr.からの選抜メンバーとなっていました。直前まで一緒に活動していたユニットが、事実上解体されることになるわけですから、その都度ファンにも衝撃が走ります。タッキーや生田斗真といった人気者が、嵐やNEWSに選ばれなかったりもしました。
Hey! Say! JUMPも、限定デビューしていたユニットHey! Say! 7に、Ya-Ya-Yahという当時の人気ユニットから薮くんと八乙女くんをピックアップして結成しました。Sexy ZoneもB.I.shadowというグループから中島くんと菊池くんの2名が選抜されました。応援していたJr.が選ばれても、選ばれなくても、悲しみにくれるファンが多数いたようですね」(芸能記者)
2015年には新グループのバレーデビューが期待されたが、Sexy Zoneが続投。昨年からは'14年にデビューずみのジャニーズWESTが就任している。
「バレーの試合会場に、彼らのパフォーマンス目当てで来るファンが多く、ろくに試合を見ないと問題視されたこともありました。バレーそのものの人気や成績の低迷との関係はわかりませんが、以前ほど大きく力は入れなくなったのかもしれません。
後年のジャニーさんは、どちらかといえばテレ朝の夏イベントに出演するJr.のに情熱を注いでいたようです。近年はHiHi Jetsや美 少年を中心に、かつては現在のキンプリがメインだったこともありました」(同)
直談判もあった
さらに、ジャニーズのデビューは振り返ると「ジャニーズ初」という“記録”にこだわることで、メンバーが決定する節もうかがえるのが、“年齢”だ。前出のテレビ誌記者が言う。
「Hey!Say!JUMPの場合は、過去最多人数の10人(デビュー当時)と、歴代最年少メンバーという記録を作りました。が、その後、Sexy Zoneのマリウス葉くんがさらに年少記録を更新しましたが」
また、ジュニア時代に爆発的な人気が出て、その熱をデビューでさらに加速させるパターンもある。その代表とも言えるのが、デビュー前にレギュラー新番組を5本も持ち、アッという間にお茶の間に浸透したKinKi Kidsと、KAT-TUNの亀梨和也だ。
「KinKi KidsはCDデビューの前年、近藤真彦の応援ゲストとして紅白の舞台にも立ちました。KAT-TUNの場合は、デビュー直前に亀梨和也が山下智久とのユニット・修二と彰で出した『青春アミーゴ』がミリオンセラーを記録する大ヒットとなった勢いが、そのまま人気をつなげた理想的なスタートとなりました」(前出・テレビ誌記者)
そして最後は、これまでとはちょっと違い“直訴”してデビューしたグループがある。それは、ジャニーズWESTとジャニーさんが生涯最後にデビューさせた平野紫耀率いるKing & Princeだ。
「ジャニーズWESTは、当初4人でデビューという話だったようですが、一緒に舞台に立ち切磋琢磨(せっさたくま)してきたほかの3人のメンバーも入れてほしいと直談判。その結果、7人でのデビューが決まりました。また、キンプリも平野君が『いつデビューできるの?』『6人でデビューさせてほしい』とお願いしたといいます」(同)
現在もジャニーズJr.には、まだまだ人気の既存ユニットが複数存在する。彼らがいずれデビューするとき、ジャニーさんを超える「サプライズ」が用意されたりするだろうか。
<取材・文/渋谷恭太郎>