同時デビューをした、ジャニーズのSnowManとSixTONES

 オリコンでの初日売り上げが合計77万枚を突破するという、記録的な売り上げでデビューを飾ったジャニーズ事務所の、Snow ManとSixTONES。取り上げられるたびに話題になるのは、彼らの“ジャニーズJr.歴”についてが目立つ。

「特にSnow Manのオリジナルメンバーが、自分たちの入所時期やジャニーズJr.歴が長いことを自虐ネタにしています。デビュー13年目に入るHey! Say! JUMPのメンバーと同時期に入所した子もいるので、確かにデビューまで長かったですね。SixTONESも、『ザ少年倶楽部』(NHK)でSexy ZoneとKing & Princeと共演したとき入所順に並んでみると、デビューしている2組よりも入所の早いメンバーだらけで、微妙な感じになったこともあります」

 と、ジャニーズに詳しいある芸能記者は言う。

バレーデビュー組は10代ばかり

 デビュー日の時点で、Snow Manの深澤辰哉、佐久間大介、渡辺翔太が27歳、宮舘涼太、岩本照、阿部亮平が26歳。SixTONESでは高地優吾と京本大我が25歳。なかでも深澤は、5月が誕生日になるから28歳を目前にしてのデビューとなる。

「グループのデビュー時の平均年齢が、これまでのA.B.C-Z記録(24歳)を、Snow Man(24.6歳)が上回りました。個人での最年長デビュー記録も、A.B.C-Zの五関晃一くんの26歳7か月、続いてジャニーズWESTの中間淳太くんの26歳6か月を、Snow Manの深澤くんが更新したことになります」(同芸能記者)

 これまでジャニーズは、10代のフレッシュなタレントがデビューするという傾向が多かった。1995年にデビューしたV6の坂本昌行の24歳3か月という記録は、長らく破られていなかったが、2011年デビューのKis-My-Ft2北山宏光が25歳10か月でデビューして以降、25歳オーバーのデビューも珍しくなくなっていた。

「V6(19.1歳)、嵐(17.2歳)、NEWS(17.2歳)、Hey! Say! JUMP(15.6歳)、Sexy Zone(15歳)と、バレーボールワールドカップの開催に合わせてデビューする、いわゆる“バレーデビュー組”は、いずれも平均年齢が10代でデビューしていますね。最年少記録はマリウス葉くんの11歳7か月でした。いきなりJr.から抜擢(ばってき)されたメンバーも含まれていて、Jr.歴の長いグループとは対照的ですね」(同)

幅広い層にアピール

 比較的若い子が多いと注目されたKing & Princeですら、平均年齢は20歳を過ぎている。“バレーデビュー組”の時代とは違い、近年のジャニーズのデビュー年齢が、高めになっている理由に、どのような傾向があるのだろうか。スポーツ紙記者に聞いてみると、時代に合った問題を重視し、次のように言う。

「ひとつはコンプライアンスの問題ですね。昨年もHiHi Jetsの未成年メンバーがプライベート写真の流出で、年内謹慎処分を受けました。過去にも未成年の喫煙や飲酒で処分されたタレントはいましたが、現在はさらに厳しくなっている時代。リスク的にも、デビューは成人してからのほうがいいという判断があると思います

 さらにもうひとつ、ファン層や応援の仕方の変化もあるという。昭和や平成初期のジャニーズファンは、10代の女性が熱狂的に応援する姿が多かったが、昨今は30代、40代、もしくはそれ以上のファンがいることが当たり前になってきている。デビュー年齢の高齢化は、そんな時代背景に合わせている可能性もあると、前出の記者は続ける。

「以前はジャニーズアイドルは小・中学生にとって“憧れのお兄さん”的存在でしたが、ファンの年齢層の広がりを見据え、もう少し大人のほうがより広い層にアピールすることができます。

 そして、キスマイやキンプリ、SixTONES、Snow Manもそうですが、Jr.時代にしっかりと一定のファン層をつかんでからデビューしたほうが、一定の数字も見込めて有効だという傾向があります。パフォーマンス面でも、未成熟な若さを押し出すよりも、K-POPやLDH系などに対抗した、クオリティーが高く大人っぽいダンスのほうが人気を集めやすいことも、理由のひとつだと思いますよ

 一方で、結成12年で嵐のコンサートのバックダンサーも務め活躍を続けてきた、ジャニーズJr.のベテラン、MADEの解散が発表された。メンバーは、29歳、28歳が2人、27歳という4人組で、今回デビューした2組よりさらに年齢の高いグループだった。神田沙也加との交際が報じたれた、28歳の秋山大河以外は今後もジャニーズ事務所で活動を続けるという。

「Jr.の中には、ほかにも30歳を越えるメンバーが所属する宇宙Sixというユニットや、25歳や24歳のメンバーがいるTravis Japan、関西ジャニーズJr.にもアラサーJr.が複数います。彼らはダンスなどのパフォーマンスを評価されている実力派なので、デビュー組のバックとしても重宝されますし、単独公演もできる人気があります。彼らにとっては、独立や移籍するよりも、このままジャニーズにいるほうがいい仕事ができ、デビューの機会が巡ってくる可能性もある。在籍するメリットは大きいのだと思います」

 “アラサーデビュー”が当たり前になる時代、10周年のときにはすでにアラフォーだったりするが、今後ますますその傾向が高まる可能性は高い。

<取材・文/渋谷恭太郎>