東出昌大と唐田えりか

 突如、世間に大きな衝撃を与えた、東出昌大と女優・唐田えりかの“3年不倫”。

「イクメン」「家族思い」といったイメージにより、好感度が急上昇していた東出の不倫はここ数年の不倫騒動の中でも、ベッキーに次いで大勢からの批判を浴びることとなった印象だ。交際が始まったとされる2017年には、妻の杏が第三子を妊娠中だったであろうことに加え、その後も杏が寝る間も惜しんでドラマ出演や家事・育児に奮闘していた様子が目に浮かぶのも、今回の騒動を叩きたくなる感情を後押ししたように思う。

 周囲や各種SNSからあがってくる声で特に多かったのは、「東出は美人女優の妻と、かわいい子どもが3人もいて幸せな家庭を築いているにもかかわらず、なぜ不倫なんかするのか」「唐田も、相手が既婚者で子どももいることは当然、知っているはずなのに、心は痛まないのか」というものだった。

 守るべき家族がいるのに不倫する既婚者の心理、そして、相手に家庭があることを知りながら不倫する独身者の心理は、たいていの人は理解できないだろう。しかし、世の中には一定数の、「結婚していたって恋愛をしてもいい」と考える人たちが存在する。彼らの思考を解読すべく、話を聞いた。

妻と彼女より「自分がどうしたいか」

 現在、IT系の企業で働く間宮和樹さん(仮名)は、お笑いトリオ『東京03』の豊本明長似で、優しげな笑顔が特徴的な40代だ。20歳で同じアルバイト先に勤務していた女性と結婚したが、結婚生活20年以上のうち、途切れることなく「彼女がいましたよ」と語る。

 彼の妻は40歳を過ぎても美しさを保っており、そんな妻に似たかわいらしい娘もいる。会社では、「絵に描いたようなマイホームパパ」「間宮さんみたいな、家庭を大事にする人と結婚したい!」と若い女性社員の間で話題になるほど、“イクメン”のイメージで通っているそうだ。

 しかし、彼の裏の顔は意外なものだった。20年以上にわたり、さまざまな女性と不倫を繰り返している理由について聞くと、

「人間は結局、一対一の付き合いだから、結婚しているとかは関係なく、その人に惹かれてしまうのはしかたがないんですよ。自分の気持ちにはいつも素直でいたいですから」

 と、悪びれることなく答えた。「“バレたら大変なことになる”、とか、“妻を傷つけてしまう”ということは考えないのでしょうか」と尋ねたところ、

「そしたら謝るしかないですよね。あとは、相手の判断次第かな。無責任だと言われれば確かにそうなのかもしれないけれど、僕は“魅力を感じる相手と会いたい”という気持ちを止めることができません。先のことや、妻と彼女の気持ちがどうなるのかは、自分ひとりで考えても100%理解できるわけないじゃないですか。だから、まずは“自分がどうしたいか”ということを大切にして生きています」

 ……。ある意味、自分なりの信念があるようにも見えるが、やはり不倫をする男性は刹那的な享楽を最優先し、「バレたらそれはそれ。そのときになんとかすればいいや」と考える人が多いのだろうか。周囲への影響やデメリット、未来予測自体を考慮していない場合もあるように思う。

“夫”と“男”のスイッチの切り替えがうますぎる

 こういった話になると、ネット上では「性欲に負けたのか」あるいは「性欲が強すぎるのか」と、性行為が不倫をする大きな原動力のひとつとして語られがちだが、実際、筆者が会社員時代に見てきた(なぜか不倫が後を絶たない会社に在籍することが多かった)不倫男性は、性欲を満たすことが目的ではなかったと感じる。

 不倫をする男性の傾向として、いわゆる“チャラ男”ももちろんいるのだが、圧倒的に多いのは「目の前のことに流されてしまいがち」なタイプだった。実際、間宮さんも、

「職場で好みの女性がいたので、思わず“僕と付き合ってくれませんか”と、告白したことがあります。そのとき、自分が結婚しているということは……忘れていましたね。でも、家に帰れば妻と子どものことがいちばん大事。その間は“彼女”がどうしているかとかは、まったく頭にありません」

 と、語っていた。“夫”と“男”のスイッチの切り替えがうますぎてしまうのだ。東出も不倫をしていたと思われる期間中に受けた雑誌の取材で、「家族が何よりも大切」といった趣旨の発言をしているが、これは嘘ではなく、きっと彼の本心だろう。

 杏や子どもたちと一緒にいるときは家族が大事、唐田と一緒にいるときは唐田が大事……。だからこそ杏に、「唐田とは二度と会わない」と何度も約束させられても、何らかの拍子にまた連絡をとり合ってしまったり、仕事場で会う機会があったりすれば、目の前にいる唐田がもっとも大切だ、と感情がリセットされてしまったのではないだろうか。

妻子持ち男性と社用車でラブホテルへ

 一方で、相手が既婚者であることを知りながらも、不倫という沼に足を踏み入れてしまう独身者の心理はどうだろうか。アイドルグループ『AKB48』の人気メンバー・横山由依似の友人が不倫をしていた、という女性に話を聞いた。

「高校時代の友人だった小山亜衣さん(仮名)は現在、事務をしています。高校時代はサバサバとしたタイプで男子にも媚(こ)びない子だったんですが、社会人になってから出会い系アプリにハマり、徐々にタガがはずれていったみたいで。その結果、会社の上司・植村氏(仮名)と“ただならぬ関係”になってしまったようです。

 最初は「好きな芸能人に似ているから気になるの。奥さんと子どもがいるんだけど」なんて話しているだけだったのですが、ある年の会社の忘年会で、植村氏と別の上司、小山さんの3人で三次会まで行った際、上司が途中で帰ったことがきっかけとなってホテルに行き、身体の関係を持ってしまったと聞きました。

 一度、一線を越えてしまうと後はもう、会社の給湯室でイチャイチャしたり、社用車でラブホテルに行ったりと、小山さんも自分の気持ちが抑えきれなくなっていったようですね

“匂わせ”をするのは“真実の愛”を証明したいから

 最初は好意を抱いていた程度でも、何かのきっかけで相思相愛だとわかると、転げ落ちるように不倫にハマっていく。深みに達してしまえば、「妻側に不倫される原因がある、好きになってしまったんだからしかたがない」などと考えるようになり、『不倫』という事実への認識が鈍っていくのだそうだ。いわゆる、「好きになった人がたまたま結婚していただけ」という理論だろう。

「小山さんもSNSで植村氏との“匂わせ”をしていました。とにかく、あらゆるSNSの更新頻度がとても高く、男性の影がたびたび写り込んでいたんです。投稿からは、“私は植村氏とたくさん一緒にいる”、“こんなに愛されている”という主張があふれ出ていました」

 バレるリスクがあるにもかかわらず“匂わせ”をするのは、「彼と私だけがこの投稿の意味を知っている」という秘密の共有に対するドキドキや、「私こそが彼との真実の愛を育んでいる」と証明したい感情もあるのだろうか。表立っては妻の座にいることができないゆえ、自己承認欲求がいつも以上に高まるということも考えられる。

 結局、小山さんはなんと2年の不倫期間を経て、植村氏との略奪婚に持ち込んだそうだ。

 東出の事務所が出したコメントには、《(別居は)離婚へ向かうものではなく、なんとか修復へのステップを踏むための冷却期間と聞いております》とあったが、はたして唐田は“真実の愛”を証明し、東出と略奪婚にまでこぎつけるつもりなのだろうか。しかし、2人の身勝手な言動が、杏や子どもたちをどれだけ苦しめているか、まずはいま一度、じっくり考え直してほしいと切に願う。

(取材・文/松本果歩)