昨年大きな話題を集め、新語・流行語大賞にもトップ10入りされた一連の「闇営業」騒動。その中心人物となっていた雨上がり決死隊の宮迫博之が、1月29日、公式ブログとYouTubeの公式チャンネルを開設、「宮迫博之よりご報告」という名の動画を公開した。
数字でも見えた好感度の低さ
動画では「もう一度改めて謝罪させてください」と、騒動についての謝罪をおこない、時折、涙ぐみながら、「相方の横に戻りたいです」「チャンスをください」と訴えた。公開翌日の1月31日11時現在、再生回数は300万回以上だが、動画への高評価数が約8万4000に対し、低評価数が約13万と、大きく上回っている。参考までに、ロンブー亮の謹慎解除を受け、相方の淳がこれからの活動について同じくYouTube上で1月10日に公開した動画は、同日現在、再生数が約148万回。高評価数約3万4000に対し、低評価数は約2000と、かなり低い。
「宮迫がいまもなお、好感度が低いことが実感できます。それにしても、気の毒なほど愛されていないですね(笑)。あらためて謝罪をしても、世間は全然、許していないという感じが透けて見えます」
と、あるスポーツ紙記者は言う。
なぜ宮迫は、これほど愛されないのか。バラエティー番組などを手掛ける放送作家は、「昨年の謝罪会見と同じで、謝罪の気持ちが伝わってきづらい部分を感じてしまいました」として、3つのポイントに注目する。
「途中でいつものように間をとったり、涙をこらえようとしたり、わざと気持ちを込めようとする姿が目立ちました。もちろん、本心からにじみ出ているものなのかもしれませんが、編集したものを公開できるYouTubeということもあり、あきらかに“収録したもの”という感じがありました」
ふたつめは“言葉選び”に、自分の素直な気持ちを感じさせないものがあったと指摘する。なかでも気になったのが《いまの僕にみなさんに恩返しできることは何なのかって考えたときに、YouTubeという場所に出会いまして》の部分だという。
「たとえば『恩返し』という言葉を選ぶところなどに違和感をおぼえます。単に、“テレビにはなかなか出られないのでYouTubeでがんばりたいです!”とか素直な表現ならまだよかったのかもしれませんが、そういうところが反感を買う理由のひとつだと思います」
そしてもうひとつが、動画の演出だという。
「コメントフォローのテロップの入れ方ですね。あれで動画が演出がかったものになってしまったと思います。淡々と言葉を文字にしてそのまま流せばよかったのに、『あの』とか『でも』とか、ひと言だけテロップにポンと乗せたりしていました。それはテレビの演出のやり方であって、こういった謝罪や意志表明の動画では、“作りものくささ”を助長させただけだと思います」
タイミングの悪さも嫌われ要因
宮迫は復帰するにあたり、会見を開くのではなく《YouTubeというものを敵として見ていた側の人間だった》にも関わらず、YouTubeという手段を選んだ。そこにはいったい、どんな意図があるのだろうか。
「再生数による広告収入が見込めるというところはあったと思います。それはいいとしても、謝罪は別の場でしっかりして、そのときに“今後YouTubeも始めます”という流れのほうがよかったのではないでしょうか」(前出・放送作家)
奇しくもこの動画の公開は、翌29日の田村亮復活ライブの前日だった。公開のタイミングも、ここではなかったのではと指摘する。
「ロンブー側は淳さんを主導に、復帰や今後のことなどの発表のタイミングを慎重に慎重に進めてきた。吉本はあんな社長会見をやっちゃう会社なので、吉本主導ではなく淳さんが空気を読みながら物事を進めていると思います。それなのに、そこに宮迫がポンと土足で乗っかってきたように感じてしまいました」
今回の謝罪動画によって、再び立場が後退してしまった感すらある宮迫博之。本格的な活動再開は、また一歩、遠ざかってしまったようだ。
<取材・文/渋谷恭太郎>