2020年に発覚した、俳優・東出昌大(31)と女優・唐田えりか(22)との3年不倫。そのスタートが妻・杏(33)が双子育児中かつ第3子妊娠中であったこと、浮気を疑う妻に夫が「頭おかしいんじゃない?」と暴言を吐いたこと、唐田のにおわせインスタなど新たな燃料が投下されるたびに大炎上。
あとからスクープされた鈴木杏樹&喜多村緑郎の不倫問題は、役者が地味だったのか投下燃料が足りなかったのか、はたまた子どもがいなかったためか、ほどほどに鎮火しそうなのに、東出夫妻の話題はいまだにホット!
「離婚して新しい幸せを!」「子どものために復縁して」
すでに別居に踏み切った2人の未来を、親戚のオジちゃんオバちゃんなみに気にする人は多い。そんな既婚男女200人に「あなたならどうする!?」を聞いてみた!
男女とも半数超が「絶対、離婚!」
さて、集計では女性64%、男性54%と半数以上が「離婚する」と回答。女性たちが「すぐ離婚する。妊娠中の不倫は最低! 顔も見たくない」(38歳)、「別居のまま、子育てが一段落したら離婚」(45歳)、「絶対また浮気する。慰謝料と養育費をたくさんもらって別れる」(42歳)と息まけば、男性は「離婚に応じるほかない」(37歳)、「許してくれないなら離婚します」(39歳)。謝りはするが、妻の出方次第と応ずる。
なかには「杏と別れ、唐田えりかと再婚」(39歳)と不倫相手との愛を貫こうとする声もちらほら。
一方の「離婚しない」と答えたのは、女性14%、男性33%。女性に多いのが「子どものために離婚はしない。夫には絶対服従を強いる」(35歳)、「別居はしばらく続けて様子見。子どものために離婚はしないかも」(38歳)と子どものため、という意見。
男性は「こちらからは離婚の話はせず、妻の怒りが静まるのを待つ」(60歳)、「ひたすら謝り許してもらうまで仕事は控えて家事に専念」(41歳・男性)など反省を見せて離婚回避をもくろむ人や、「ほとぼりが冷めるのをじっと待つ」(48歳)など、なし崩し的解決を望む意見が多い。さらには「妻と復縁し、愛人もこっそり維持」(49歳)というゲスな本音も!
「自分より格上の妻をもらったのだから、今さら格下の女で自分のプライドを埋めるな!」(34歳)、「におわせ浮気相手を選んだポンコツ夫。やることやって子どもをつくったなら死んででも責任を取るべき」(31歳)、「3年はないわ~」(47歳)、「アホすぎ。ただ情けない」(39歳)、「味方は日本中にいる。バカ夫に振り回されず生きる」(38歳)など浮気夫は断固、許すまじ! と憤る“なりきり杏”女性が多い反面、
「杏ちゃん、性格キツそうだからなぁ」(45歳)、「東出の気持ちはわからんでもない」(41歳)、「しかたない。えりかと幸せになる!」(47歳)、「杏はネチネチ言いそう」(57歳)、「男ってそんなもん」(59歳)、「ほかの人を好きになるのは妻にも原因あり」(60歳)、「よくある話。世間が騒ぐほどでもない」(38歳)など、“東出気分”で浮気夫を擁護する男性も多く存在。東出夫妻のみならず、男女の溝の深さを浮き彫りにした。
だが、いざ自分ごととなったらどうだろう。「自分の家庭でパートナーが長く不倫していたらどうするか」。この質問に「離婚する」と回答したのは女性35%、男性39%と半数以下にとどまった。
30代や子どもがいない夫婦の場合は、きっぱり離婚を選択する傾向が強い。だが40代以降や子あり家庭では、経済的不安や子育て問題を理由に様子見も含めた再構築を選択する人が男女とも増える。
ただし「1度は許すものの、納得できなくて不快な気持ちをぶつけそう」(36歳・女性)「干渉せず放置。離婚はしないが、ただの同居人にする」(54歳・女性)など、不倫で1度、失った信頼を取り戻し、元の夫婦に戻るのは、なかなか厳しいようだ。
次は、実際にあった3つのケースを不倫に詳しいライターの亀山早苗さんに寄稿してもらった。
夫の不倫で結婚生活を見直した女たち
夫の不倫が発覚したとき、妻側にはいろいろな選択肢がある。現状維持、別居、離婚……。どんな選択をすれば、その後の幸不幸が決まっていくのだろうか。背景には、それまでの夫婦関係がベースにありそうだが、さまざまな「決断」をした女性たちの声を聞いてみた。
《ケース1》“夫婦”の枠をはずしたら協力しあえた
付き合っているときから「チャラい男」ではあった、と苦笑するのはマユミさん(仮名=以下同・40歳)だ。29歳のとき、当時付き合っていた3歳年上の男性と「できちゃった婚」をしたが、妊娠中、夫が夜中にこそこそ電話をしたり、帰宅がやたらと遅かったりすることもたびたびあり、彼女は浮気を疑っていた。
「絶対に認めないんですが、一緒に住んでいれば、ああ、また新たな恋をしているなとか、前の彼女にフラレたなとか、わかるんですよ。夫は人として愛嬌があって優しいからモテるんだと思う。だけどそのたびに妻である私は傷つき、疲弊していくんです」
娘が生まれてからも彼女は仕事を続けたが、実際にはほとんどワンオペ状態。夫は独身時代と同じように週末も友人との付き合いや趣味で出かけていく。仕事に育児に家事にと追われている妻に、「いつもありがとう」とニコッとするのだが、自分自身は何もしないのだ。
「家事も“言ってくれればやるよ”と言うんですが、言ってもやらない。それに業を煮やして私がやってしまうから夫もやらないですむと学習してしまう」
5年前、そんな夫婦関係の中、夫に2年以上付き合っている女性がいると判明した。長い付き合いであること、彼女が夫より2歳年上であることなどがマユミさんを深く傷つけ、1年間の協議の末に離婚を決断した。
「夫は別れたくないと言い張りましたが、私はそのとき気づいたんです。私は夫から見て“母親”だったんだと。結婚してからほとんどセックスレスだったし、女として見られていなかった。離婚しか選択肢はなかった」
自分の尊厳を守るための離婚だった。何もかも許してもらえると心の底で思っていた夫にとっては、妻からの離婚の申し出は青天の霹靂だったようだ。
「でも、大正解だったと思います。夫は養育費はきちんと払ってくれているし、娘にもよく会って話している。3人で食事することもあります。離婚して“夫婦”の枠をはずれたら、かえって協力しあえるようになったみたい」
離婚後、むしろ人として向き合えるようになった。そんな夫婦も少なからずいる。
《ケース2》離婚は勇み足だったかも
どうしても「我慢」できないと当時は思ったものの、もしかしたら離婚は勇み足だったかもしれないと後悔しているのは、ユウカさん(47歳)。大学時代の同級生と結婚して16年、中学生と小学生の1男1女がいる。友人たちの間でも評判の「仲よし夫婦」だったのに、1年前に離婚した。
「夫が息子の家庭教師である大学院生の子と関係をもっていたんです。しかもその子は、私の従姉妹(いとこ)の娘。夫は“ほんの出来心だった”と言ったけど、ラブホでいちゃいちゃしている写真を携帯に残しているのを見て、人として許せなかった」
怒りが彼女を支配した。
夫の出張中に、歩いて15分くらいのアパートを借り、夫の荷物をそこへ運び込んだ。夫には携帯のメッセージでそれを伝え、会社あてに鍵を送った。
「あのときは夫の顔を見るだけで吐き気がするほど、身体に症状が出てしまって……。どう考えても一緒にやっていけるとは思えなかった」
共働きをしながらともに「いい家庭」を築いている自覚があっただけに、ユウカさんのショックはあまりに深かったのだ。まずは別居して自分の気持ちを見つめ直したかった。
「ところが、別居して1か月後の週末、駅の向こう側にある夫のアパート近くに行ってみたら、なんと例の家庭教師だった彼女と夫が寄り添って歩いていたんですよ。スーパーの袋を持って」
別居をいいことに、ふたりはおおっぴらに会っている。そう思った彼女は、ふたりの目の前に飛び出し、夫の顔をグーで殴り、大学院生の彼女にも、平手打ちを食らわせた。
「そのまま2度と夫に会うこともなく、離婚届を送りつけました。夫はサインした離婚届を送り返してきましたが、“あのときは彼女に無理やり言い寄られていただけ”と言い訳の手紙をつけてきたんです。でも、私に選択の余地はなかった」
あまりの腹立たしさに、とにかく離婚届を提出したユウカさんだが、あれから1年たち、今は少し後悔しているという。
「ふたりがしたことは許せないし、子どもたちに離婚理由も言えないままですが、もうちょっと夫と話し合ってもよかったのかもしれないと……。夫とは毎晩、晩酌しながらいろいろ話す関係でした。自分の気持ちを受け止めてくれる人がいなくなったのがつらい」
離婚して改めて、自分がどれほど夫を愛していたかわかったのだという。ただ、一方で夫の不倫のショックからまだ立ち直ってもいない。いずれにしても、もう少し時間をかけて考えればよかったと、今の彼女は感じている。
《ケース3》モヤモヤしつつも現状維持
結婚して10年、9歳になる双子の男の子がいるケイコさん(39歳)。夫は8歳年上で、もとは彼女の職場の先輩だった。結婚して彼女は退職、子どもの入学を機にパートに出るようになった。
1年半ほど前のこと。夫は異動で部署がかわり、残業や出張が増えていたのだが、無断外泊までするようになりケイコさんは訝(いぶか)しんだ。
とはいえ、疲れた顔で帰宅する夫を問いつめることもできない。
「もともと職場の先輩後輩という関係だったせいか、どうしても私は夫に従ってしまうところがありまして。自分では我慢しているつもりはないけど、言いたいことを率直に言える関係ではなかったのかもしれません」
問いつめられないぶん、嫉妬や妄想が広がっていく。半年ほどたったころ、近くに住む夫の父親が倒れたと知らせが入る。夫には連絡がつかない。結局、夫が病院にやってきたのは明け方になってから。走ってきた夫からは家で使っていない石けんの匂いがした。
「これで浮気を確信しました。夫は仕事で徹夜明けにサウナに行ったと言ったけど、どう考えてもおかしい。徹夜で仕事をしていたなら携帯に出られるはずですから」
義父は回復したものの、さすがに夫も反省するところがあったのか、それからは多少帰宅が早まり、無断外泊はなくなった。不倫を続けているかどうかはわからない。
「問いつめたい気持ちはあります。でも、真実を知るのも怖い。夫は一本気なところがあるので、付き合っている女性がいるとしたら遊びではないと思うんですよね。今はまだ子どもが小さいし、大ゲンカして険悪になるのもイヤだし離婚はもっと困る。経済的にやっていけませんから。私が我慢できるうちは現状維持でいくしかないのかなと思っています。
夫への信頼は薄れているし、信頼できない相手と結婚生活を続けていっていいのかと自問することもありますが、そこは考えないようにするしかないんです」
ケイコさんの目が潤んだ。自分の気持ちを見ないようにするしかない彼女の苦悩がありありと伝わってきた。
(アンケート取材・文/松岡理恵 寄稿/亀山早苗)
亀山早苗 ◎フリーライター。東京生まれ。明治大学文学部卒業。恋愛、結婚、不倫、性などを通して男女問題を追い続けている。主な著書に『不倫の恋で苦しむ男たち』『婚外恋愛』『人生の秋に恋に堕ちたら』など