あのころの未来にぼくらは立っているのかな―。本来ならば'20年、東京五輪・パラリンピックの大舞台に大きく関わり、その勢いのまま9月のデビュー30年目を駆け抜けていたはずのSMAP。衝撃の解散から4年、各々のステージで奮闘する彼らの“現在地”を追った。

(左から)草なぎ剛、稲垣吾郎、香取慎吾、中居正広、木村拓哉

「みんなが喜んでくれたら、それでいい。これからも、みんなと自分の“共有物”を大切にしていきたい」

 2月8日、東京の代々木第一体育館で行われた、木村拓哉ソロツアーの初日。この日、SMAPの楽曲である『SHAKE』『夜空ノムコウ』を歌った木村は、これらを“共有物”と表現。今後、ひとりでもSMAPを歌っていく可能性を示唆した。

 '16年末のSMAP解散からスタートさせたソロ活動だが、今回のコンサートでさらなる自信を深めたようだ。

「新年のSPドラマ『教場』(フジテレビ系)も高視聴率を記録し、ソロアルバムがオリコンランキング1位を獲得。国民的ファストフード店の代名詞『マクドナルド』のCMにも抜擢されるなど、テレビを中心に露出がアップしています」(スポーツ紙記者)

 この勢いのままに、年内放送の主演ドラマが内定しているとも。

「'18年放送の『BG』(テレビ朝日系)は、安定した視聴率が見込めてシリーズ化もしやすいので局内で続編待望論が多かった。今までにない冷徹な役どころを見事に演じた『教場』もまた、原作の続編が刊行されているだけに、早くも連ドラ化、映画化の話も出ていると言います」(前出・スポーツ紙記者)

 まさに全盛期のキムタクを思わせる“無双”ぶりだ。

木村拓哉「サプライズ」の可能性

 芸能ジャーナリストの佐々木博之さんも、あらためて「キムタクはすごい!」と評す。

解散騒動で叩かれて苦労したことも影響したのでしょう。絶対的な“HERO”を貫いてきたキムタクですが、等身大の自分をさらけ出すようにキャラを変えています。彼自身、年をとり、またファンも同様に年齢を重ねたことで、“求められるキムタク”像が変わったのかもしれません。父親役やオジサンも板についていますし、今度は彼が演じる悪役や汚れ役が見たい」

 そんな木村に、気の早い話も浮上。年末のNHK紅白歌合戦に、歌手として出場するというサプライズだ。

「今年は言うまでもなく東京五輪・パラが企画の中心。そして活動休止する嵐です。昨年は不調に終わった紅白だけに、キムタクが後輩に花を贈れば、これ以上ない“目玉”になりますよ。まさか、『世界に一つだけの花』は歌わないでしょうが(笑)」(レコード会社関係者)

 一方で、紅白の司会から長らく遠ざかっている中居正広。レギュラー番組こそ継続中だが、動向が大きく注目されるのは、ジャニーズとの契約更新を迎える9月ばかりとなってしまった。

「仕事に対するモチベーションが明らかに下がっているように見えます。それも手伝ってか、五輪後に“ジャニーズを辞める”という話はいまも聞こえてきますね。ただ、事務所内部でも“何を考えているかわからない”と、まったく動きを把握していないとのことで、どう転がっていくものか……」(佐々木さん)

 その肝心の東京五輪だが、'04年のアテネ大会から夏冬含めた8大会連続でメインキャスター(TBS系五輪番組)を務めてきた中居。しかし、今回は同ポストに安住紳一郎アナが早々と収まり、依然、声がかかっていない状況。

 ところが、他方では中居のほうが専任キャスター就任を“固辞”しているとも。

「就きたいのは、野球『侍ジャパン』の特任サポーターでしょう。TBSの専任になれば野球だけに集中するわけにもいきませんし、そもそも放送権の割り振りも未定です。ならば、侍ジャパン公認でサポートできれば、全試合に帯同して放送局に関係なく出演できます。五輪キャスターではなく、野球キャスターの内定を待っているのでは?」(スポーツ局ディレクター)

 芸能界イチの野球好きは、“グラウンドレベル”で金メダル獲得を間近で見たい!?

「新しい地図」が続々テレビに本格復帰

 パラリンピックに携わるスペシャルサポーターに就任している稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾は躍進の'20年か。

 '17年9月のジャニーズ退社後、新ユニット『新しい地図』を立ち上げた彼らだが、受け持っていた地上波のレギュラー番組が次々と終了。主な活躍の場を、未開地だったネットに移行していった。

「テレビから“追い出された”感はありましたが、彼らのネットコンテンツを駆使した戦略は見事でした。その後、ジャニーズも追うようにネット事業を解禁したことを思えば、『新しい地図』は新たなアイドルプロモーションの形を作ったと言えますね」(芸能プロ関係者)

 そして徐々に3人がテレビに帰ってきた。2月に香取が『全日本仮装大賞』(日テレ系)、『内村カレンの相席どうですか』(フジ系)に、草彅もまたBSながらNHK『欽ちゃんのアドリブで笑(ショー)』に出演。そして稲垣は3月、NHK朝ドラ『スカーレット』に出演する。

昨年11月、「パラフェス」イベントに出席した「新しい地図」。スペシャルサポーターとしてパラ大会を盛り上げる

昨年7月の公正取引委員会による、ジャニーズへの“注意”が風向きを変えました。テレビ局も現在は“忖度しなくていい”雰囲気になっていて、おとなしくしていた業界内のSMAPファンがここぞと“3人を起用しよう”と声を強めているのです。

 そして数字をとれることがわかれば、今年はさらに地上波での活躍が増えていくのではないでしょうか。局上層部も、彼らには多くのファンがついていることを把握しているので、起用しても失敗することはない、という見方を持っています」(佐々木さん)

 特に昨年末、『絶対に笑ってはいけない青春ハイスクール24時!』で、3人を起用した日テレは“本気度”が高い。

「昨年7月に“解禁”されると、翌8月に香取をいち早く『スッキリ』に生出演させるなど、新しい地図を高く評価しています。彼らの冠番組を年内にもスタートさせる方向で調整しているとも。視聴率次第では、バラエティー番組や連ドラ出演と各局で争奪戦になるでしょう。いずれはキムタクや中居とも顔を合わせる日が来るかもしれませんね」(テレビ局幹部)

 SMAP5人が当たり前のように、テレビで共演する日が来ますように!