『グランメゾン東京』(TBS系)最終回視聴率16・4%、正月スペシャルドラマ『教場』(フジテレビ系)平均視聴率15・1%と、主演ドラマで立て続けに高視聴率を記録した木村拓哉(47)。
「かつては、ドラマに主演すれば視聴率20%超えが当たり前という“キムタク神話”がありましたが、ここ数年は陰りが見えていました。ですが今回、これだけの数字を出したことで、“完全復活”とも言われています」(テレビ局関係者)
その影響か、あの“月9”ドラマが再び脚光を浴びつつある。'96年に放送された『ロングバケーション』(フジテレビ系/以下、ロンバケ)だ。木村演じる冴えないピアニスト・瀬名秀俊と、山口智子扮する落ち目のモデル・葉山南とのラブストーリーは、毎週月曜の放送時間になると「街からOLが消える」とまで言われたほどの社会現象を巻き起こした。
最終回視聴率は驚異の36・7%を記録。久保田利伸が歌った主題歌『LA-LA-LA LOVE SONG』も200万枚を売り上げた伝説のドラマだが、リアルタイムで見ていたファンが懐かしんでいるだけかと思いきや、“神話”を知らない10代、20代女子までも夢中になっている。
20年来の木村ファンだという主婦は、
「中学生の娘が『ロンバケ』にハマっちゃって。木村さんのソロアルバムまで買ってきましたよ(笑)」
20代の女性会社員も、
「『グランメゾン』で“キムタク、カッコいい”って思って、ネットで過去ドラマ探していちばん評価が高かったので一気見(笑)。私だけじゃなくて、周りの子もけっこう、『ロンバケ』見てますよ」
そんな中、『ロンバケ』の“生みの親”である脚本家・北川悦吏子氏が2月11日付のツイッターでつぶやいた。
《拓哉くんのライブ行って来ました!(中略)ロンバケの映像とイントロが流れた時の、観客のみなさんのキャ─! という声に、ジンと来て、また書こう! と誓いました》
同日に行われた木村の初ソロツアー東京公演。『ロンバケ』の1シーンがステージ上のスクリーンに流され、木村が『LA-LA-LA~』を熱唱する─という演出を受けてのツイートなのだが、この《また書こう! と誓いました》にファンは“すわ続編宣言か!?”と大盛り上がり。北川氏のツイートには、
《えっ?! えっ?! ロンバケ再びですか》
《今の南とセナでロンバケ観たいです~》
《書いてください! 南とセナのその後が見たいです》
といったコメントが次々寄せられ、3700以上の“いいね”が押されている(2月21日時点)。
「今の彼にしかできない役があると思う」
本当に続編はあるのか? 本誌が北川氏本人に尋ねると、メールで回答を寄せてくれた。
「ごめんなさい。ロンバケの続編はありません。そういう意味のツイートではありませんでした」
のっけから残念な言葉だが、北川氏はツイートに込めた胸の内をこう続けた。
「ただ、木村拓哉くんとまたやりたい、とは思っています。ロンバケは、24歳になる木村拓哉がどんな役をやったらいいか、死ぬほど考えて作ったセナくんです。確か、彼は連ドラ初主役だと思います。
そのころ、もう彼は大スターの階段を上り始めていたので、考えて考えたあげく、あえて、なんでもないしょぼい役にしよう、と思いました。私だけでも、彼が大スターの木村拓哉である、ということを忘れよう、とフラットな気持ちで作った役柄です。セナくんは、24歳の木村拓哉のための役なんです」
当時の木村にしかできない役、当時の木村だからこそできたドラマ、ということ。
「それから年月を経て、今の彼には、逆に今の彼しかできない役がある、と私は思っています。その思いが確信に変わったら、また木村くんと仕事をしたいと思っています」
その日を、首を長くして待ちたい。