「2月23日の天皇誕生日に際して行われる予定だった『一般参賀』は、新型コロナウイルスの感染拡大を考慮して取りやめになりました。
1月の新年一般参賀では約6万9千人が訪れ、今回も同様の人数が見込まれたため、やむをえずという判断だったそうです」(皇室担当記者)
お祝いムードに水を差したウイルスの猛威だが、この中止決定の裏には、天皇・皇后両陛下の思いが反映されていた可能性が高いという。
「令和になってから初めて迎える天皇誕生日で、一般参賀が中止になったのはとても残念でしたが、賢明なご判断だったと思います。
日本中から何万人もの人が一堂に会する行事ですし、当然、両陛下のご意見も反映されたことでしょう。常に国民を第一にお考えになっている両陛下だからこそ、今回の決定に至ったのだと思います」
そう話すのは、皇室を長年取材するジャーナリストで文化学園大学客員教授の渡邉みどりさん。
愛子さまの単独公務はいつから?
一般参賀の開催は叶わなかったものの、お誕生日に際する陛下の記者会見は行われた。
「テレビ・新聞が所属する『宮内記者会』からは、即位後初のお誕生日会見という節目なだけに、雅子さまの同席も要望されていましたが、ご体調の関係で結局、おひとりでの会見になりました。
記者からは“望ましい皇位継承のあり方”や“まもなく成年皇族となられる愛子さまのご活動や将来”についての質問が投げかけられました。 愛子さまの皇族としてのご活動に関しては、雅子さまとも話し合っておられると思います」(前出・皇室担当記者)
現在18歳の愛子さまは、今年4月、大学に進学される予定。内親王としてのご公務も、いよいよ本格化する見通しだ。
「学習院女子高等科に通われている愛子さまは現在、2月末が締め切りの卒業レポート作成の大詰めだそうです。
大学は学習院への内部進学が決まっており、キャンパスライフを楽しまれながらも、夏休みや春休みなどの長期休みの際に、公務を担われると思いますよ」(宮内庁関係者)
秋篠宮家の長女・眞子さまの“単独公務デビュー”は、高校2年生時に出席された上野動物園での『子ども動物園開園60周年・野間馬贈呈式』だった。
「次女の佳子さまは、大学2年生の代にあたる'14年に出席された『少年の主張全国大会』が初の単独公務です。
これまでは、両陛下と何度も公務にお出ましになっている愛子さまも、大学生になったタイミングで単独公務を担われると思いますよ」(同・宮内庁関係者)
得意の英語を生かしての公務
愛子さまの単独公務デビューにふさわしい舞台は、今夏に控える東京オリンピックが有力候補だと話すのは、前出の渡邉さん。
「4月から大学生になられる愛子さまが、今夏に控えている東京五輪で“単独公務デビュー”を果たされる可能性は高いと思います。
五輪が行われるころは夏休みで動きやすいでしょうし、得意の英語を生かして、海外からの賓客対応や、競技の観戦にお出ましになるのではないでしょうか。
眞子さまは高校生、佳子さまは大学生のころにそれぞれ初の単独公務を経験されているので、愛子さまも大学1年生の今夏デビューが有力だと思います」
語学が堪能な愛子さまは以前、デンマークやスウェーデンの王族が来日した際、両陛下とともに懇談の場で英語を披露されたこともある。
しかし、五輪でのご活躍ぶりが、国民を刺激してしまう可能性もあると話すのは、ある皇室ジャーナリスト。
「愛子さまが初の単独公務にお出ましになれば、当然メディアも大きく報じます。東京五輪という盛り上がりに加えて、愛子さまのご活躍が、国民の抱く“愛子天皇待望論”をさらに加速させてしまうと思います。
昨秋に共同通信社が行った調査によれば、女性天皇を認めることへの賛成は80%を超えましたが、さらなる支持を得るかもしれません」
政府は今年5月以降、安定的な皇位継承の議論を始める予定で、『女性天皇』や母方が天皇の血筋を引いた子どもが即位する『女系天皇』についても、話が及ぶだろう。
「いずれは悠仁さまが皇位を継がれることになりますが、もし結婚後に男子が生まれなければ、皇室にとって何よりも大切な皇統が途絶えてしまう危険性があります。
そうならないための議論が始まり、政府が女性・女系天皇容認に舵を切った場合には、愛子さまが皇位継承順位の1位になることもありうるのです。実際、悠仁さまが誕生されるより前に“愛子天皇”を視野に入れた『皇室典範』の改正に関する議論が行われた過去があります。
しかし、実はその時期に天皇陛下(当時の皇太子)が、愛子さまの即位に関して難色を示されたという話があるのです」(侍従職関係者)
その裏には、陛下はもちろんのこと、雅子さまの“母心”も反映されていたのは想像に難くない。
雅子さまの複雑なお気持ち
「雅子さまは、愛子さまへ愛情深く、熱心に教育されてきたのは間違いありません。
以前、雅子さまにお会いした際に“テレビでお見かけする愛子さまのピンクや青の洋服が可愛いですね”と申し上げたら、とてもうれしそうなご様子でした。
ご自身と愛子さまの身長が同じくらいになったことも、笑顔でお話しされていたことが印象に残っています」(雅子さまの知人)
一方で、皇后というお立場になられたからこそ、天皇という厳しいお立場を十分に理解されていることだろう。
「皇后として陛下のお仕事を間近でご覧になっている雅子さまは、天皇という並々ならぬ重いお立場を痛感されていると思います。
愛子さまが幼少のころに“公園デビュー”をさせるなど、雅子さまはこれまで、一般の子どもたちと同じように育ててこられたのです。
ひとり娘の愛子さまには“結婚や仕事について、自分の意思で自由に決めさせてあげたい”というお気持ちを抱いていらっしゃると思いますよ」(前出・侍従職関係者)
皇后でありながらも、母親としての苦悩も抱えていらっしゃるのかもしれない。
「愛子さまが即位されることに対する国民の支持率が高い現状は、雅子さまにとっては複雑なお気持ちもあることでしょう。これから皇位継承の論議が始まりますが、愛子さまの即位に関連する話し合いが行われるのは、母親として心配な面もおありでしょうね」(渡邉さん)
愛子さまの幸せを願う雅子さまのお気持ちは、これからも変わらない───。