フツーの主婦が、何げない日常を映すだけの動画で月ウン十万円! 特別なスキルがなくても、パート以上の収入が得られると、“主婦系YouTuber”になる人が急増しています。人気YouTuberに、稼げる動画の撮り方を教えてもらいました。
普通の日常を見せ、共感を持たせる
「ここ数年、主婦の方がブログを書く感覚で、料理や部屋の収納方法など、自らの生活を切り取った動画を配信する、いわゆる“主婦系動画”が増えています。動画全体から見ると、まだ1%ほどですが、期待されるジャンルのひとつだと思います」
そう話すのは、『ユーチューバーNEXT』の代表を務める岡野さん。インスタグラムやブログより、“ユルい”感じが人気を高めているという。
「自宅の部屋の紹介をする動画では、おしゃれな部屋より、ちょっと散らかっていたりスッピンでいるような、普通の日常が見えるほうが人気を得ることも少なくありません。“私も一緒”という共感が主婦系動画のよさだと思います」
月10万円のお小遣いも夢じゃない!
主婦にとって、動画配信は息抜きや趣味のひとつになりうるが、なにより動画に付ける広告からの収入が最大のメリットだという。
「広告料は、Googleが動画の内容ごとに設定しており、動画に挿入された広告が1回流れるごとに約0・02~0・6円がクリエーターに入る仕組みです。おおよそチャンネル登録者数×10円くらいが月の収入という感覚ですね」
ということは、登録者数30万人なら、月収約300万円!?
「まずは登録者数1万人を目指せば、なかなかのお小遣いになるはずです」
でも、そこまで稼げるようになるには道具や技術がいるのでは?
「YouTubeのアプリをはじめ、さまざまな無料アプリがあるので、撮影&動画編集はスマホひとつで大丈夫。最初は3人くらいにしか視聴されず、心が折れそうになると思いますが、アップし続けることです。
自分が投稿した動画は、視聴された回数や推移を確認できる解析ページがあるので、動画を作るうちに、どういう内容が人気を得るかわかってくるはず。難しく考えず、SNSをやるような感覚で、続けることが人気YouTuberへの近道です」
■主婦系YouTuberへの近道!
〇コメントやリアクションには左右されすぎない
〇最初は、道具や構成にこだわらない
〇頑張りすぎない、普段の自分を見せる
〇SNS感覚で、どんどん動画をアップ
主婦系Youtube、どうやって撮るの?
人気チャンネルの動画は、テレビみたいに凝っているけど、本当に1人で撮っているの!? 現役の主婦Youtuber・しのさんに、動画撮影の基本とコツを教えてもらいました!
〜しのさんがYouTuberになるまで〜
1.大学時代に投稿スタート。最初は趣味のハンドメードを、顔は出さずに
2.知人からの励ましをきっかけに、自分らしさを追求。結婚して主婦に
3.トイレのDIY動画が爆発的な視聴回数を得る。やる気に火がつく!
4.主婦系YouTuberとして、DIYや料理など、現在のスタイルを確立
1 ネタをメモる
今やりたいことを、思いついたら書き留めておく。「Youtube好きの夫もアイデアをくれるのでありがたいです!」
2 テーマを決める
今回は、ダイソーのモノトーンフライパンをレビュー。「DIY以外にも、主婦の方が気になりそうなことをテーマに撮影しています」
3 カメラをセット
「画面の左側に自分が入って、空いたスペースにテロップが入るように撮影。これを定番も位置にしています」
4 録画スタート!!
今回はトークのほか、キッチンでフライパンを使用する様子も撮影。「料理の失敗も正直に伝えることで、親近感が出ます」
5 パソコンに取り込み、編集
1.5〜2時間撮影したものを10分前後の動画に。編集時間は平均8時間。料理動画のみの場合は4〜5時間かけて行う。
6 スマホで音声を入れる
「音声はiPhoneで録音したものをパソコンに取り込みます」。音楽はYouTubeが用意した無料使用可能なものから選曲。文字入れはLINEカメラとPhontoというスマホアプリを使う。
■完成した動画がこちら!
「【ダイソー】モノトーンフライパン1週間ひたすら使ってみた!」
https://www.youtube.com/watch?v=fgJY57ySv0U
聞いておきたいQ&A
──まず必要なものは?
「スマホと三脚。最初は、スマホの動画編集アプリで編集したものをYouTubeアプリでアップするだけで十分。やりながら、必要なものをそろえていけばOK」(しのさん、以下同)
──どうすれば稼げる?
「ひとつでも爆発的に人気を得る動画があれば、比較的安定した収益が可能。そのために、間隔をあけず定期的に動画をアップし続けることが必須です」
──特技がなくてもいい?
「うまくできなくても、それが個性や親しみやすさとして見てもらえるのがYouTubeのよさ。重要なのは、本人が楽しんでできるかどうかだと思います」
──撮影&編集時間はどうやって作っている?
「すきま時間でもできるよう常にスタンバイ。先にカメラを設置し、子どもが寝たらすぐ撮るなど、少しずつ撮りためることも」
──動画撮影で気をつけることは?
「著作権には厳しいです。テレビの音声や画面も入らないようにします。違反するとYouTubeのアカウントが停止になる可能性もあるので要注意です」
手軽にチャレンジできるおすすめ動画ジャンル
「何から撮っていいかわからない!」という人は、人気のチャンネルをお手本に、この4ジャンルから始めてみては?
◇購入品紹介:気になる商品を率直にレビュー
気になる商品を使用感とともに紹介。100均アイテムからコスメ、洋服、食品まで。メーカー名、価格、サイズ感など商品概要も伝えるのが基本。
◇料理:調理時間に撮影すればOK
毎日の食事作りを撮影するので、準備のハードルは低め。プロ並みの人から初心者まで、料理内容も多岐なので自分のレベルで大丈夫。
◇ルームツアー:わが家を視聴者にご案内!
リビング、子ども部屋などを撮影しながら、インテリアや収納のポイントを解説。部屋のコーディネートの参考にする視聴者も多い。
◇ルーティン:日常の様子を撮影するだけ!
朝晩などの日課を撮影し、少し編集を加えて配信。起床から家族の見送り、夕食から子どもの寝かしつけなど、“のぞき見感”が楽しい。
<教えてくれたのは…>
『ユーチューバーNEXT』代表 岡野武志さん◎大阪府出身。高卒で旧司法試験に合格した異色の弁護士。'19年にはYouTuberを特集するポータルサイト『ユーチューバーNEXT』を創業。お笑い系社会派チャンネルとして『闇弁タケシ』を配信するYouTuberでもある。
しのさん◎2014年から『shino's channel』(チャンネル登録数4.4万人※2020年2月現在)を配信している20代主婦。夫と娘(0歳)の3人でアパート暮らし。100均DIY、料理などの実用的動画だけでなく、動画で見せる、軽快なトークも人気。
(取材・文/河端直子)