
《あぁー、、、お米たべたい》
1月25日、マクドナルドの公式ツイッターがこう投稿すると、SNSで話題に。
《担当者さん、誤爆した?》
プライベートアカウントと間違えて投稿したのでは? と指摘する声もあったが、その後、『シャープ』公式ツイッターが炊飯器の写真を返信すると、
《シャープさん、お米おいしそうです、、、たべたい》
と続けたことから、意図的な投稿と判明。ファンが動向を見守っていた2日後、
《明日、衝撃的なビッグニュース解禁!》
という投稿が。そして『ごはんバーガー』の発売が発表されると、一連の投稿がプロモーションだったことがわかり、さらなる反響を呼んだ。
“匂わせ”告知の成功例
『ごはんバーガー』発売発表のあった日は、こんな投稿もSNSをザワつかせていた。
《#明日はニクの日 #とんかつ》
北村匠海、伊藤健太郎、山本舞香、栗原類……といった今をときめく俳優たちが同じハッシュタグをつけ、とんかつを食べる写真を続けて投稿したのだ。個別の投稿しか見ていないファンは、
《デートの匂わせ?》
とモヤモヤしていたようだが、翌日に発表されたニュースでその謎が解明。映画『とんかつDJアゲ太郎』(6月19日公開)に出演するという“匂わせ”告知だったのだ。宣伝担当者に、このような告知をした経緯を聞いてみると、
「撮影前から北村さんと伊藤さんが親友であったり、キャストのチーム感や仲よし感がこの映画にとって、大切な要素でした。それをどうしたら伝えられるかと考えたとき、キャスト解禁という大事な発表のときに、みんなでちょっとだけ悪ふざけ的なことを連帯感を持って実施したら、よりチーム感を表現できるのではと思いました」
狙った“匂わせ”投稿だったことを教えてくれた。また写真にはさまざまな意味が込められていたようだ。
「キャスト解禁を1月29日(ニクの日)に実施することは事前告知しておりました。キャスト解禁日に向けて、本作の注目度が“アガっている”中、とんかつならではの『“フライ”ング告知』、美味しいとんかつを“匂わせたい”というのをきっかけに企画したものです。
キャストのみなさまには事前にとんかつ“匂わせ”投稿をご依頼しておりましたが、最終判断はご本人たちに任せておりました」(同・宣伝担当者)
話題を集めるにはテクニックが必要
不倫報道などで“匂わせ”投稿が注目されているだけに、それを取り入れた宣伝の新トレンドなのか? と思いきや「広告では昔からある手法」と、メディア文化に詳しい法政大学の稲増龍夫教授は語る。
「情報を小出しにし、“何かあるかも?”と消費者を巻き込んで盛り上げていくのは、マーケティング的にはむしろ王道的な手法です。いわゆる“匂わせ女性”は公には言えないけど、伝えたい……という感情のあらわれだと思うのでまったくの別物ですね」
ネット、エンタメ事情に詳しいフリーライターの大塚ナギサさんは、昨今のSNSを取り巻く環境とユーザーの意識の変化も大きいのでは? と分析する。
「消費者に宣伝と気づかれない『ステルスマーケティング(ステマ)』行為が問題になり、できなくなりました。一方で直接的な宣伝ツイートは反感を買うことも多い。そんな中、SNSでバズらせて宣伝をしなくてはいけない……という状況のため、各PR担当者はいかにウケる投稿をするかが課題になっている。匂わせプロモーションが続いて話題になったのは、昨今“匂わせ”行為が話題になっていることもあり、SNSユーザーの興味と合致したことも大きいのではないでしょうか」
しかし方法を間違えると、逆に炎上するケースも。
'18年12月、人気デュオの『ゆず』が公式サイトで『今後の活動について重要なお知らせがあります』と発表。まじめなトーンも相まって、解散を心配するファンが続出。
しかし数日後に、AbemaTVの生放送で発表された内容は、'19年春に弾き語りドームツアーを実施するということだった。そのため、
《いろいろガッカリ》
《ツアーなんか行かない》
と、次々にバッシングされる結果に……。
「AbemaTV内で発表するということで、“バズる企画”を考えてほしいとスタッフにお願いがあったそう。『重大発表』の案が出た際、会議ではみんなノリノリだったそうですが、炎上したあとは責任のなすりあいに(苦笑)」(テレビ朝日関係者)
“匂わせ”と“騙し”の違いって?
テレビや広告業界では、SNSを使った“バズる企画”を求められる機会が増えていると放送作家は語る。
「最近は、SNSでの告知方法も考えてほしいという依頼も増えましたね。SNSは“リツイート”や“いいね”の数が表示されるため、多いとスポンサー受けがいいみたいです。でも、高齢のプロデューサーだと炎上のリスクをわかっていない人も多く、現場が振り回されています」
大塚さんも、話題になる“匂わせ”にはテクニックが必要だと苦言を呈する。
「100のうちの何割かを見せる“匂わせ”プロモーションであれば、最近ブームの『謎解きゲーム』のように消費者も楽しんでくれます。しかし、ゆずのような“ゼロ”のものをまるでやるかのように見せるものは単なる騙し。そのため裏切られたと感じる人が多く、炎上しがちです」

また、人気のない人がやってもスルーされるだけだと大塚さんは続ける。
「マクドナルドや『とんかつDJアゲ太郎』出演者のような人気者、人気企業がやるから興味を持ってもらえる……というのが大前提です。“匂わせ”に限らず、仕掛けたのにまったく話題にならないと、スベっている企業やタレントと思われ、マイナス効果になる可能性も。この手のツイートはリスクもあるので、安易にはやらないほうがいい」
SNSでさまざまな仕掛けをする企業が増えている理由を、稲増教授はこう分析。
「ライフスタイルの変化もあり、マスメディアが今まで行ってきた手法が通用しなくなってきている。メディアが過渡期を迎える中、宣伝する側も試行錯誤している状態。SNSはお金をかけずにブームに火をつけるキッカケにはなるので、使わない手はないという感じなのでしょう」
“唐田さん”も、今後は匂わせるのは宣伝だけにしては?