2月29日、日本の“玄関口”東京駅からほど近い、丸の内・東京国際フォーラムでライブを開催した『東京事変』。'12年の同日に解散した、椎名林檎率いる5人組バンドの8年ぶりの“再始動”だけに、大勢のファンが駆け付けたのだが、会場は物々しい雰囲気に包まれていた。
それもそのはず……、
「日々、拡大する新型コロナウイルスの感染防止対策として、コンサートをはじめとした、各種イベントが次々と中止、延期を決定する中で、世論に反するかのようにライブを決行したからです」(スポーツ紙記者)
もちろん世間からは「なぜ?」
アルコールスプレーを所持したスタッフが、観客に対して消毒を施してから入場させるなど、感染対策を行っていたというが、不安は尽きない。
「2月に大阪で開催された、100人規模のライブイベントで4人目の感染者が確認されました。5000人を動員する今回のライブは、仮に感染者が参加していたとしたら大阪以上になりかねない。しかも、東京駅などを利用して帰宅しようものなら、その帰路でもウイルスを拡散しているかもしれません」(前出・スポーツ紙記者)
当然のごとく、ライブ後には東京事変のSNSは“炎上状態”に。ワイドショーや情報番組でも、コメンテーターから開催を疑問視する声があがっている。
それにしても、感染が拡大するリスクが多大にあることを、椎名をはじめとしたメンバーも承知していたはず。なぜ、決行に及んだのか。
「まず、1つは2月29日の“閏(うるう)日”です。解散した8年前も、五輪イヤーの閏年であったことから、バンドの強いこだわりがあったのでしょう。そして東京事変は、椎名が代表を務める小さな事務所の所属です。会場を抑えるだけでも大変なことですし、チケットの全額払い戻しだけでもかなりの額の損害になるでしょう」(レコード会社関係者)
自身が社長を務める椎名だけに、スタッフを抱える重責が強く感じられたのだろうか。
林檎本人も止めることができなかった!?
一方で、あの国民的アニメも少なからず、関係しているのだとも……。
「今や世界中で大人気の『名探偵コナン』です。24作目となる映画作品の公開が4月17日に控えているのですが、今回、主題歌を担当しているのが東京事変なのです」(広告代理店関係者)
どういうことだろうか。
「コナンの映画は、近年の登場キャラのブレイクもあり、昨年一昨年と興行収入90億円を超えるドル箱案件になり、今作は100億円突破を目標にしているそうです。今や、メディア展開やグッズ販売も含めて、関係各所が絡むビッグプロジェクトとなり、東京事変にとっても再結成後の大仕事になります。
そんな主題歌の解禁が2月28日で、翌日のアニメ放送では映画のコラボ映像も流れました。そんな状態で、まさか“再始動できません”とは言えないでしょう。もはや、林檎さんにも止めることができなかったのでは?」(前出・広告代理店関係者)
コナン映画のツイッターには、《素敵な主題歌》《映画楽しみ》と期待の声があふれているが、ライブ決行後には《コナン大好きなのに、東京事変がライブ決行して、見に行く気なくなりました》《主題歌変更を要請します》《東京事変か がっかり》などの批判も散見されるようになった。
「いまさら、主題歌の変更はあり得ませんが、少なからず興行に影響する可能性はあります。また気がかりなのが、林檎さんは東京五輪・パラ大会の開閉式の演出チームに名を連ねていること。都や国が自粛を促しているさなかでの強行は、いい顔はされないでしょう。仮にライブ参加者から感染が広がれば、この大役にも影響が出るかもしれません」(前出・広告代理店関係者)
ことし、第2子が小学校に上がるという椎名。ライブを決行したいま、彼女は何を思うのだろうーー。