時代劇やバラエティー番組で活躍中の俳優・高橋英樹さん(76)。愛娘(まなむすめ)のフリーアナウンサー、高橋真麻さんの出産も楽しみな今、ますます元気なワケとは? 健康の秘訣を、ご本人にたっぷり語ってもらいました。
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医者と検査が大好き! 家族のためにも元気でいたい
腰痛は20年近くも続いていたし、五十肩、六十肩も大変でした。60代では、めまいに悩まされた時期もありましたよ。でも、すべて克服! ポイントとしては、私、お医者さんがだいっ好きなんですよ(笑)。不調があったら、まずお医者さんに自分の身体の状態をよく知ってもらう。そのうえで、きちんとアドバイスを受ける。これが基本ですね。
血糖値やコレステロールは、2か月に一度の検査でチェック。検査や診察は、自分の弱点を自覚する、という大事な目的があると思いますからね。私もたびたび『ガッテン!』(NHK)など健康関連の番組に出演させていただいていますが、数ある健康法を、あれもこれもはできないですよね。でも、自分の弱点を知れば、どの運動、どんな食事法を優先したらいいのか、わかってきますから。
腰痛は、ブロック注射も効かず、担当医に「どうか手術してください」と泣きついたほどでした。でも、骨も筋肉も異常はなく、その痛みは錯覚だ、との診断。そして、運動して腰を支える筋肉を鍛えるように言われたんです。
僕はゴルフ歴は長いんですが、新たにインナーマッスル、身体の芯の筋肉を鍛える運動をすることに。お腹の筋肉を使った呼吸法や、ストレッチポールの上に寝て、バランスをとる体操をしました。あとは、壁に肩からお尻までピッタリとつけて立って、30秒保つとか。続けるうちに、14か月で腰痛を解消できたんです!
男子、厨房に入るべし! 健康料理は自分で作る
食事には、すごく気を遣っていますね。特に野菜は、健康のために、たくさんとりたい。外食ではなかなかタップリ食べられないので、家庭料理では思う存分、野菜を使用しています。
冷蔵庫の食材を見て、「さて、何を作ろうか」と工夫するのが楽しい。難しくはないですよ。野菜でも肉でも大鍋にどんどん入れて、グツグツ煮るだけでうまい!
サラダは、あり合わせの野菜を盛るだけ。マヨネーズもドレッシングもかけない。もともと野菜の持っている“うまみ”が、あるじゃないですか。ドレッシングをかけると、どれもドレッシングの味になってしまうのがイヤなんですよ。食事に気をつけるようになって、検査数値が驚くほどよくなりましたね。
60代 謎の体調不良は芸術のパワーに救われた
いくつになっても、新しいことに挑戦する大切さを改めて実感しています。還暦を迎えたころ、“俺も17歳から働いてきて、いい年になったから、仕事はセーブしようか”と思ったことがあったんです。そうしたら、めまいだ吐き気だと、原因不明の不調があらわれるようになって。
そんなとき、ある芸術家の姿を見て感銘を受けたんです。フレスコ画の第一人者の方が日本にいらして、同年代なのに、作品からも、ご本人からも、すごくパワーを感じました。“休んでいる場合じゃない。自分も頑張らなきゃ!”と思ったとたん、めまいなんて、どこかにふっとんじゃった(笑)。こういう気力が、人間の肉体も精神も作りあげていくんですね。
増えすぎた家のモノは“断捨離”ですっきり
最近、大々的に自宅の“断捨離”をしたんです。娘の真麻に、「こんなにモノを残されても、私にとってはゴミだから」と言われまして(苦笑)。確かに、削り節器が4つも出てきたりしましたからね。「いつかは使うかも」の、“いつか”はこないと割り切りました。
家具や家電も含め、33トン分もの物品を処分。モノがなければ、探し物がなくなりますよね。棚に高く積み上げることもないから、地震で落ちてくる心配もない。何が本当に必要かも見えてきました。部屋がきれいになったら気持ちもすっきりして、精神的にも健康になった気がします。いわば、あの大量のモノは、家の悪玉コレステロールだったんですね(笑)。ただ、冷蔵庫も捨ててしまったのは不便で、やりすぎたかな(笑)
(出典:2020年3月13日発売『NHKガッテン!健康プレミアム』より抜粋)
【プロフィール】
高橋英樹 ◎1944年、千葉県生まれ。1961年、日活に入社し、映画デビュー。現在は、バラエティー番組などでも幅広く活躍