3月21日に配信されたユーチューブの動画は、825万回以上の再生(4月4日時点)を記録。ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)で演じたドSな内科医役をきっかけに、佐藤健(31)が再び日本中の女性をトリコにしている。
イケメン俳優から、今や日本を代表する“数字の取れる実力派俳優”に成長したが、それは20代に実践した作品選びが関係していた─。
仕事への確固たるプライドとブレない姿勢
《“この役を佐藤健にやらせたい”と言ってもらえるような人でありますように》
10代最後に発売した写真集のインタビューで10年後について聞かれ、こう語っていた佐藤。多くの俳優はキャリアを重ねていくたびに、発言内容にも変化が表れるもの。しかし驚くべきことに過去のインタビューを読み返しても、彼の場合はほとんど発言にブレがないことに気づく。
「普段は熱く役者論などを語るタイプではないのですが、確固たる仕事へのプライドを持っている人という印象。若い俳優の中にはブレイクした途端、態度が豹変する子もいますが、佐藤さんはデビュー当時からスタッフに対しての態度はいっさい変わらないし、考えや発言も一貫していますね」(芸能プロ関係者)
'12年に公開され、彼の代表作となった映画『るろうに剣心』の大ヒットで、同世代の俳優の中でも存在感を高めていった佐藤。その甘いルックスと人気に驕ることなく、キャリアを順調に重ねていけた理由を、雑誌のインタビューでこう振り返っている。
《3段階のポイントがあったと思います。まず第1段階としてデビュー間もないときは、出演作を積み重ねるごとに役者としてのステージが上がっていないといけない、ということはすごく考えていました。そのうえで、イメージが固定されないような役選びとか、作品の注目度を意識していましたね》
10代からすでに“プロデューサー目線”で自分のことを客観的に考えていたのだ。
《第2段階、主演をさせていただくようになってからは、“やるからにはいい作品を作りたい”と考えるようになって。“自分が演じて面白くならないならやらない”と思っていました。その意識は今も変わっていません》
そして第3段階に入った現在はというと、
《逆に何をやってもいいのかなって》
そんなふうに作品を選んだ結果、デビューから14年間で出演した作品はドラマ、映画合わせて45作。彼の人気、実力を考えると、案外少なめなようにも感じるが……。
「俳優という仕事はいつまでも人気が続くものではないということを早い段階からわかっていましたね。そのうえで何度も旬を迎えられるためには……と考え、ときには生意気だと思われるのを覚悟で、超話題作でもオファーを断ることもあったといいます」(ドラマ制作スタッフ)
生意気だとバッシングされなかったのは、ストイックで完璧な役作りに裏打ちされた演技力があったからこそ。
「健と仕事がしたい」“モテる”秘密
「'15年放送のTBS系ドラマ『天皇の料理番』で料理人役を演じるまでは、まったく料理をしなかったそう。しかし練習を重ねた結果、撮影時にはうまくなりすぎて、ほかの出演者に包丁の使い方を指導するまでになったのは有名な話です」(テレビ誌編集者)
映画『亜人』でタッグを組んだ本広克行監督は、雑誌インタビューで彼にオファーが絶えない理由をこう語る。
《台本も読み込んできますが現場では一切そういう姿は見せず、さらっとやる。とにかく作品をよくするためにめちゃくちゃ考えている印象です。
健君はストイックですが、しっかりと話し合いもできるタイプ。みんなが彼とやりたがる理由が分かりました》
映画『いぬやしき』で共演した木梨憲武も、雑誌インタビューでこう絶賛していた。
《役について深くとらえていて、どんな役でもこなせると思いましたね。いまの日本の映画界、ドラマ界を俯瞰で見ている。勉強の量がすごい》
最近は運動神経のよさを生かしたアクションやヒューマン系の作品への出演が続いていた。そんな彼が今回、王道の恋愛ドラマに出演したのにはこんな思いがあるようだ。
「20代でしかできない王道の恋愛作品を、あまりやってこなかったのを後悔していると話していました。『恋つづ』出演を決めたのは、そんな後悔があったからでしょう」(前出・芸能プロ関係者)
そして『恋つづ』で日本中の女性が彼に恋することになったが、計算し尽くされた演技だったと絶賛するのは、取材経験もあるフリーライターの田幸和歌子さん。
「現場に入るまでに監督などとすごくコミュニケーションをとるタイプ。またサービス精神の旺盛さもあり王道の恋愛作品をやるからには、とことんキュンキュンさせよう……と、女性が喜ぶことを徹底的に研究し、それが見事にハマったという印象を受けました。しばらくは胸キュン作品のオファーが増えるとは思いますが、作品ごとに違う一面を見せてくれるのではと、今から期待しています」
ルックス、人気、実力がそろった“佐藤健ブーム”はつづくよどこまでも!?