「あなたの嫌いな女性芸能人は誰ですか?」。3月中旬から下旬にかけて、週刊女性では読者ハガキやインターネットでアンケートを実施。20歳から87歳までの女性、1450人が『嫌いな女ランキング2020』に回答してくれた。気になる結果や、いかに?
和田アキ子V3! 大御所や若手女優も容赦なし
超ぶっちぎり! 余裕と貫禄の1位は、和田アキ子(70)。なんとV3('15年、'19年)を達成した。古希を迎えようとも、まったく衰え知らず(※ランキング一覧表は写真ページに掲載)。
「高圧的で怖い」(29歳・フリーター)、「いつも上から目線。自分がいちばん偉いと思っていそう」(55歳・パート)、「偉そう。長く芸能界にいるから裸の王様状態で、注意する人がいない」(60歳・主婦)、「大御所ぶって中身がない」(36歳・無職)
作家の岩井志麻子さんは、この結果に感嘆。
「アッコさん、すごいなぁぁぁ! 総合ランキングだけじゃなく、年代別のランキングでも、全世代1位ですよ!? これはもう偉業達成と言っていい。この間、『有吉反省会』(日本テレビ系)の収録で若い子がピンク・レディー様のことを“誰それ?”って言ったんですよ! どんなに一世風靡(いっせいふうび)しても露出し続けないと若い世代には認識されない。
でも、ウチの息子は平成生まれですけど、美空ひばりさんのことは伝説の人として知っている。アッコさんもその域に達しかけていますよね。そう考えると、アッコさんはものすごく偉いんですよ!」
一方、コラムニストの吉田潮さんはこう語る。
「やっぱりアッコさんは、日曜昼の『アッコにおまかせ!』(TBS系)。この番組以外では、あまり見ない。朝は張さん、昼アッコみたいな(笑)。かつネットニュースでも“アッコがこう言った”と報じられる。その役目を背負わされがち。実際にテレビを見てなくても“また和田アキ子が偉そうなことを言ってる”になる。でも、別に偉そうじゃないですよ。おばちゃんだったら、誰でも言うことなんですよ。そんな相乗効果で嫌いの方向に行ってるんじゃないかと思いますけど」
惜しくも2位に敗れたのは、泉ピン子(72)。しかしながら、前回から3ランクアップで存在感を見せつけた。
「下品。うるさい」(34歳・会社員)、「嫌みなことをズバズバ言う」(32歳・無職)、「厚顔無恥」(63歳・会社役員)、「SMAPのことを知らないくせに!! お門違いの発言が許せない」(66歳・主婦)
『アッコにおまかせ!』に出演した際、ジャニーズ事務所を退所する中居正広へのコメントもやり玉に。前出の吉田さんは、
「アッコさんといい、ピン子さんといい、みんな、ばばあが嫌いなのね(笑)。老害扱いというか。でもね、ばばあの言うことには一理あったりするのよ(笑)。
あと、物言う女が嫌われるのって、ちょっと怖い気がします。“女は黙ってろ”っていう風潮ではもうないはずなのに。“#MeToo”“#KuToo”もそうだけど、やっぱり声に出して言わないといけない時代。私は、ニコニコと唯々諾々(いいだくだく)で、何でものみ込んじゃう女の人のほうが怖い。この2人は必要悪という感じがしますけどね」
必要悪──。岩井さんがさらに続ける。
「昔のフランスには、公式寵姫(ちょうき)っていう、宮廷も国民も認める公式の愛人みたいなのがいたんですよ。ポンパドール夫人とかデュ・バリー夫人とか。王をたぶらかして贅沢三昧……みたいな。だから、王妃が攻撃されないんですがルイ16世だけは愛人を持たなかった。
ゆえに、不満や憎しみがすべて王妃マリー・アントワネットに集中した。私は、アッコさんとピン子さんは芸能界の公式寵姫だと思うんですね。多くの女性タレントたちの批判をかわすために芸能界に存在している。公式寵姫はおとなしい、控えめで優しい女ではダメなんですよ」
昨年よりワンランクダウン。大御所に次ぎ、トップ3入りを果たしたのは、鈴木奈々(31)。
「うるさい」(40歳・会社員)、「常識がない」(24歳・会社員)、「同じ言葉を連呼しすぎ。オーバーすぎる身振り手振り」(50歳・パート)、「下品」(45歳・主婦)
実に7割以上の理由が“うるさい”。しかしながら、
「彼女がテレビに出てうるさくなかったら、そんなの出演料泥棒じゃないですか(笑)」(岩井さん)
田中みな実は味方も敵も多い
4位は、写真集が60万部超えの大ヒットとなった田中みな実(33)。前回17位からの大躍進で、重版出来(しゅったい)!
「したたか」(47歳・パート)、「勘違い感と気の強さ」(43歳・会社員)、「男性の前では猫かぶって裏ですごくあくどいことを考えていそう」(59歳・主婦)、「どうして自信満々なのかわからない。その自信ぶりと、オンナ感が不気味。この夏、わきを見せるCMをずっと流されるのかと思うと不快」(50歳・主婦)
あざとい、ぶりっ子の声も多かった。内科医で作家のおおたわ史絵さんは、
「写真集が売れすぎちゃったからでしょうね。アナウンサーでもあり、学歴もあり、スタイルもよく、セクシー。みんな腹が立つんじゃないですか? 一方で、田中さんは好きのランキングのほうでは20位。敵も味方も多い人ってことですね」
吉田さんはこう見る。
「あざとい人、みんな嫌いなんだね。でも、たくましくない? まねできる? これが自分の戦略だとしたら、すっごい賢い人だと思いますけど。最近はドラマにも進出。東海テレビの『絶対正義』とか、4月からも『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日系)とか。だいたい不倫する役で、小柄だから映えないんだけど悪くないですよ。女優として化けそうな気がします」
トップ5入りを果たしたのは、久本雅美(61)。還暦を過ぎて、前回13位から“ポンッ”と大幅アップはご立派。
「テレビ番組で男性へのセクハラを頻繁にしていて、見ていられない」(29歳・会社員)、「すぐ下ネタに持っていくあたりが不愉快」(34歳・会社員)、「年がいもなく 恥ずかしいギャグ」(64歳・主婦)、「強引な宗教勧誘のうわさ」(47歳・事務)
下品さを理由に挙げる人も多かったが、
「そもそも『ワハハ本舗』自体が上品な演劇団体ではなく、やっぱりお下劣パフォーマンス集団。そのお下劣のところもひっくるめての久本さん。それを下品だって言っちゃったら、始まりませんよ」(おおたわさん)
「でも、私が久本さんにお会いしたときには、特に勧誘されませんでしたけどねぇ(笑)」(岩井さん)
6位には、ベッキー(36)。昨年結婚し、今年3月には第1子を出産。前回は3位だったが、ついにトップ5から陥落してしまった。
「不倫騒動後から好きじゃない」(33歳・主婦)、「不倫して、ウソついて、謝罪して、結婚して、妊娠したなら、専業主婦にでもなればいいのに」(39歳・主婦)、「表の顔と裏の顔のギャップが大きすぎて、いまだに顔を見たくない」(65歳・自営業)
あの不倫騒動から4年。しかし、世間は忘れない。
「やっぱり女の人から見ると、奥さんのいる人に横恋慕した人。結婚、出産も“何、自分だけ幸せになってるのよ!”と思う人もいるんでしょうね。でも最近は女優業にシフト。“明るいベッキー”ではない、汚れ役や嫌われ役をどんどんやっていけばいいんです。逆に、あのまま優等生を続けていたら、バラエティーからの広がりがなく、それはそれで苦しかったはず。今後が頑張りどころなのでは?」(おおたわさん)
そろそろお役ご免感が出てきた、とは吉田さん。
「唐田えりかさんも出てきましたしね。ベッキーはベッキーの道を歩いてるんですよ。最近は、サイコパス女の役にも挑戦してますし。BSテレ東でやった『くノ一忍法帖蛍火』なんて、彼女が肩チラするだけで敵が悩殺されるという、まあひどいドラマでしたけど、“頑張れ、ベッキー”って私は思いましたよ」
9位に唐田えりか 3年不倫に総スカン
次女Koki,に続き、長女Cocomiも芸能界デビュー。ステージママまっしぐらの工藤静香(50)が、7位に仁王立ち。
「デビュー当時から嫌い! 偉そう! 生意気!」(52歳・無職)、「木村拓哉のオーラを完璧に破壊した、教養と品性のなさ」(63歳・主婦)、「SMAP解散の件で大嫌い!」(53歳・主婦)、「娘の売り出し方に不快感しかないから」(48歳・パート)、「骸骨みたい」(64歳・主婦)
『週刊文春』では英語に堪能な娘2人が、工藤の話す英語を小バカにしたなどと報じられたが、吉田さんは、
「今後、“娘と母の確執”なんかを見せてくれるかもしれないと思うと、目が離せないですね。例えば、娘が母親との断絶宣言なんかした日には、最高じゃないですか! 大塚家具どころじゃないですよ。ネタを提供し続けてくれる芸能一家として、万々歳だと思いますけど」
8位に登場したのは、小倉優子(36)。離婚問題で、前年50位圏外からの急浮上となった。
「ぶりっ子、裏表ある性格、酒ぐせ悪そう」(52歳・自営業)、「我が強すぎ」(46歳・会社員)、「歯科医との再婚も打算的に思う」(60歳・主婦)、「ママタレとしてテレビに出たい、家庭は二の次ってその時点でダメだろう。前の離婚も妊娠中に決断。本当学ばない人」(59歳・会社員)
おおたわさんは、小倉の2度の結婚を挙げ、
「1回目はイケメンカリスマ美容師、2回目は歯科医。それだけでもうらやましいのにね。子どもを養子縁組してくれる人なんてそうそういないですよ。なのに、それでもまた別れようとするのか、なんでしょうね。“私たちはこんな旦那でもガマンしてるのよ、アンタも少しはガマンしなさいよ!”って一般の奥さんたちは言いたいのかもしれないですね(笑)」
一方、小首をかしげたのは岩井さん。
「小倉さんは一応、被害者なのでは? お気の毒に(笑)。でも、わりといい男が2回離婚した場合、“あちゃー”とは思っても“でもまあ、あいつはモテるからなぁ”となるのに対し、女が2回離婚すると、世間は“絶対、あんたに問題があるんでしょ!”となる。こう言ってはなんですが、辻仁成さんも3回離婚してますけど、いいパパとして扱われてるじゃないですか。でも、2回離婚した女はいいママには見られない。そんな男女差を感じますね」
9位に初登場は、東出昌大との3年不倫が発覚した唐田えりか(22)。嫌われ女の祭典で、堂々のレッドカーペットとなった。
「最低な不倫女」(34歳・主婦)、「誘った東出昌大が悪いのはわかるが、既婚者だと知っていて、かつ芸能界の先輩の旦那さんと平気で関係を続けていたから」(40歳・主婦)、「不倫匂わせ行為が最低。女優復帰とか考えず消えてほしい」(32歳・会社員)、「不倫を悪いことだと思ってないから性格悪そう」(50歳・主婦)、「女の敵だと思うから」(22歳・学生)
9位ながら、かなり辛辣な声が多数。岩井さんは、
「唐田さんの顔って、どうしても思い出せないんですよね。おとなしそうで、圧倒的な華はない。岡山県のことわざで“おとなしい者ほど屁が臭い”っていうのがあるんですけど唐田さんを見ると、まさにそれを思い出すんですよ。私、自分の人生を振り返って、男を盗られたとか、うまいことやられたとかってとき、派手な悪女は見当たらないです。やさしそうな、従順そうな女ばかりでしたね。
姑(しゅうとめ)目線で言うなら、(21位の)加藤紗里さんと唐田えりかさんが嫁に来るとなったら、私、唐田さんのほうを警戒しますね。はっと気がついたら、いつの間にか全員が唐田さんの味方で、私がすごい悪者にされていた……みたいな底知れぬ怖さがあるんですよ。あくまでもイメージですよ、これ」
清楚(せいそ)・純粋系がやらかすと、打撃は非常に大きいとおおたわさんも語る。
「昭和の時代だったら、不倫後も悪女として活躍できたでしょうけど、時代を間違えましたね。今は“テレビに出ている人がそんなことやっていいと思ってるのか!”と言われる時代。世の中の手本じゃないといけないような風潮ですよね。でも、芸能を志すからには、どこか型破りだったり、普通とは違うものを持っている。そんな人たちが集まっているのが芸能界。本当に品行方正な人だったら、公務員試験でも受けていますよ(笑)」
広瀬すずは昨年と同じ順位をキープ
10位には同票で2人が滑り込み! まず、タピオカ騒動以来、活動を自粛している木下優樹菜(32)には、
「悪い印象しかない」(36歳・会社員)、「ガラが悪く品がない」(56歳・主婦)、「フジモンがかわいそう!」(64歳・主婦)、「不倫ヤンキー」(32歳・パート)、「タッピーナはこのまま引退でいい」(40歳・自営業)
不倫疑惑について触れる人も少なくなかった。
「ちょっと悪くて、ちょっと普通からはみ出しているけど、頑張って子育てをしている。そんな優樹菜さんに人気と価値があった。ただタピオカ店の一件が、あまりにも常識ある大人の行動とはかけ離れていた。会社総出でどうのこうの……危険な筋の人たちのような物言いは、はみ出し方がちょっとどころではないと判断され、敬遠されましたね」(おおたわさん)
ヤンキーへの夢を壊したと語るのは、岩井さん。
「日本人はやっぱりヤンキーが好き。多少やんちゃでも、曲がったことは嫌いで、何かあったときにはバックや子分を引き連れずに“タイマン張ろうじゃねーか”みたいなのが憧れであり、あるべき姿のヤンキーなわけですよ。優樹菜さんはそれを壊した。人気を回復するには、和田アキ子さんを体育館裏に呼び出して、タイマンを張るしかないでしょう(笑)。
あと、(インスタの)縦読みですか? 私、いちおう作家の端くれのくせに、挑戦してもなんかうまくできないんですよ。難しい。縦読みがシャシャッとできちゃうのはすごいなぁ」
同じく10位に、広瀬すず(21)。朝ドラにも主演した若手人気女優だが、実は昨年と同順位。
「態度がいじめっ子みたい」(27歳・会社員)、「鼻につく」(29歳・会社員)、「失言が多いので」(26歳・主婦)、「可愛いから高飛車で、一般人をバカにしているから」(52歳・主婦)、
性格が悪そう、という意見がほぼ半数を占め、特に20代から厳しい声が。
「美少女の宿命なんでしょうね。年配になってくると、娘のような年齢だし、可愛いとしか思いませんけど。“広瀬すずを嫌い”って言うの、なかなか勇気がいると思うんですよ。圧倒的に可愛いじゃないですか。人間誰しも、妬みはなるべく隠しておきたいもの。なのに、堂々と嫉妬心をあらわにできるのは、20代という若さと傲慢さゆえでしょうね」(岩井さん)
吉田さんも、可愛いから揚げ足を取られると指摘。
「失言が多い? でも、私は嫌いな女に選ばれる女優さん、信用できますけどね。好きな女にずっと出続けるよりも、人間味がある。それにすずちゃんは女優としての実力がちゃんとありますし」
11位以下にも新顔ぞくぞく
惜しくもトップ10落ち。12位にはフワちゃん(27)が初登場。その理由は、「生理的に無理」(29歳・主婦)、「空気読め」(45歳・歯科衛生士)など。
今回、新たにトップ20入りを果たしたのは2人。13位の沢尻エリカ(34)には、「薬物汚染。他人をバカにしたような態度」(39歳・主婦)など。15位の石原さとみ(33)には「あざとい、わざとらしい、鼻につく」(60歳・主婦)などの意見が。
昨年はトップ10内に君臨するも、今年はイスを譲ってしまったのは? 松居一代(62)は6→23位に。土屋太鳳(25)は7→17位に。剛力彩芽(27)は8→30位に。指原莉乃(27)は9→16位に。
「松居さんも、出なくなるとやっぱり忘れられますね」(岩井さん)
「剛力さんはお金持ちと別れたからですね。そうなると嫌われなくなるんですよ。指原さんは、彼女に似た芸能人が増えてきましたよね? 美人すぎず、達者にしゃべれる人。朝日奈央さんとか。順位が落ちてきたってことは、牙城を崩される可能性があるということ。頑張りどころですよ」(おおたわさん)
女性芸能人のみなさん、ご自身の牙城が崩されることのないよう、今後のご活躍をお祈り申し上げています♪
※写真ページには『嫌いな女ランキング2020』一覧表と年代別の結果、さらに『好きな女TOP20』も掲載中!
【PROFILE】
岩井志麻子さん ◎作家、タレント。『有吉反省会』(日本テレビ系)、『5時に夢中!』(TOKYO MX)などに出演中
おおたわ史絵さん ◎内科医、作家。『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)、『5時に夢中!』(TOKYO MX)などで活躍
吉田 潮さん ◎コラムニスト、イラストレーター、テレビ批評家。近著に『くさらないイケメン図鑑』(河出書房新社)