新型コロナウイルスで外出自粛を余儀なくされ、家でゴロゴロしながら「退屈だぁ~」と暇を持て余しているとき、ふと気になるのが、
「みんな家で何をしてるの?」
そこで、全国の30代以上の女性600人に、自粛期間中に始めた(または始めたいと思っている)趣味があるかアンケート調査を実施、345人から有効回答を得た(ランキング上位は写真ページに掲載の表のとおり)。詳細は以下で紹介するが、意外と多くの人が「時間を有意義に使っている」という印象だ。
名言にいわく“たいていの成功者は、他人が時間を浪費している間に先に進む”──。
新型コロナ感染症は今後も感染拡大の第2波、第3波が襲ってくるといわれる。そんなとき受け身な人間ほど不安な状況に右往左往しがちだ。逆に、時間を能動的かつ上手に使える人は心に余裕が生まれる。
今からでも遅くはない。ずっとやりたいと思いながらできなかったことを始めてみたり、自分を高められるような資格を見つけてチャレンジしてみてはいかがだろうか。
大事なのは、始めること!
手間をかける楽しさに目覚める
全国345人の女性たちに自粛中に始めた趣味を聞いてみたら、必要に迫られて始めたマスク作りをきっかけに手芸にハマった人が目立った。
「マスクを作ってみたら、思ったより簡単。いろんな布で作るのが楽しく、われながらいいセンスじゃないと自画自賛。中学生の孫息子が喜んで使ってくれているのはうれしい誤算です」(山形県・66歳)
「手作りマスクで手芸の楽しさを知り、今は刺しゅうに夢中。材料は100円ショップでそろえます」(佐賀県・46歳)
手作り派だけではない。
「ミシンでマスクを作っていましたが、エプロンやワンピースにも挑戦するつもり」(東京都・42歳)
手芸・裁縫と並んで、みんなが始めたのが料理。時間があれば、手の込んだ料理に挑戦でき、豊かな食卓は家族のコミュニケーションも深まるといいことばかり。
「料理は苦手だったけれど、ネットでレシピを調べて作ったら、おいしくできる。買い物に行けないので、ある材料でメニューを考えるのが楽しくなり、節約にもなっている」(大阪府・33歳)
「ふだん作らない料理を作ると、自分自身も楽しいし、家族も喜ぶので、みんなが楽しいおうち時間を過ごせます」(兵庫県・43歳)
「昼食は、食卓にホットプレートを出して、 子どもと一緒に、お好み焼き、焼きそば、焼きうどん、ホットケーキ、フレンチトースト、ハムエッグなどを作って楽しんでます」(神奈川県・49歳)
「保育園がお休みなので、2歳の娘とお菓子を作るのですが、娘も楽しそうです。まだ小さいため、簡単なもの(ジャム作りや焼きリンゴをパイ皮に包むだけ)しかできませんが、いい食育になっているのかなと思います。母娘の貴重な時間になっています」(埼玉県・33歳)
「免疫力が上がると大人気のヨーグルトですが、そのヨーグルトを種菌にして、自家製を作っています」(神奈川県・44歳)
こんなチャレンジ派も。
「なんちゃってレストラン・居酒屋メニューにトライ。失敗もするけど、夫婦水入らずでの家飲みも楽しい」(兵庫県・50歳)
そして将来までもが変わりそうな人も。
「パン作りにハマって。得意なのはあんパンとブドウパン。家族だけでなく、子どもの友達にも好評なんです。コロナの自粛が終わったらパン作りの学校に通って本格的に習い、いずれは小さなパン屋さんを開きたいという夢ができました」(福島県・42歳)
針仕事などやったこともなかった人が、洋服まで作ってみようと思うようになったり、料理は苦手という人が、手の込んだ料理を作れるようになったり、いつかお店を持とうと考えるようになったり、時間つぶしで始めた趣味が新しい自分発見につながっているようだ。
コロナで太るor美を磨ける違いは?
朝ご飯を食べて、昼ご飯を食べて、夜ご飯を食べて、1日が終わる。こんな暮らしをしていたら、太るに決まっている。
動かなくちゃまずいと気づいた人たちが選んだのが、身体を動かす趣味。
「家の中で身体を動かしたいけど何をしたらいいかわからなかったから、とりあえずラジオ体操をやってみようと閃(ひらめ)いた。簡単なようだけど息が弾んでいい運動になります」(神奈川県・78歳)
スマホにはラジオ体操アプリもあるので、画像を見ながら正しい運動を身につければ、運動不足解消にはもってこいだ。
もっと積極的に身体を動かしたいなら──、
「ヨガ教室はハードルが高く時間も取れなかったけど、YouTubeには初心者向けヨガがたくさん紹介されていて、好きな時間に気分転換できて楽しい」(東京都・53歳)
絶対にきれいになる! と張り切っている人も。
「私の新しい趣味は美容。お金をかけずに休業明けにどのくらいきれいになれるか挑戦してます!!」(千葉県・42歳)
モデルが美肌改善のためにやっていると話題になっている水洗顔を、試しているそうだ。
いつかではなく今こそ掃除を!
「ふだんからやりたいと思っていても、なかなかできないでいた家の整理整頓。今は自粛しなければならないときなので、取りかかった。家の中が毎日きれいになっていくのは快感」(神奈川県・49歳)
「私の趣味は断捨離。自分がもしコロナウイルス感染症やほかの疾患で入院してしまっても、家族が保管場所をすぐに見つけられるように、引き出しにラベリングをしました」(東京都・55歳)
たまってしまった写真整理も今ならではの趣味。
「孫の写真アルバムを作っています。なかなか会えないけれど、写真で成長を追いながら作るので、温かい気持ちになります」(奈良県・71歳)
ただ片づけるだけでなく、一石二鳥をねらってお金をゲットしたしっかり者もいる。
「メルカリなどのフリマアプリで不用品を販売。お金にもなるので、片づけがいがあります」(東京都・36歳)
趣味と実益を兼ねるのなら、ガーデニングも人気。
「自給自足とはいかないまでも農薬や化学肥料を使わない野菜を育てています。 家の周りをたくさんの花で咲かせたい。このご時世だからこそ、土いじりは癒されます」(秋田県・46歳)
初心者でも育てられるという家庭菜園が流行っていて、簡単なのは、ラディッシュ、シソ、バジル、イタリアンパセリ、小松菜など。
「ベランダ菜園は子どもと一緒に世話をし、収穫できるので教育にもいいと思います。食べる楽しみがあると、一生懸命に育てます」(神奈川県・33歳)
自分に役立ちそうなことを学ぶ
せっかくゆっくりできるときなので、読書をしたり、ゲームを楽しむ人は多いけれど、意外なものを読んでいる人がいる。
「ウィキペディアを読破中。昔のことがなつかしくなり、過去に流行った漫画や事件、人のことなどを調べ始めました。知らなかった意外な事実や、間違って認識していたことが発見でき、話のいいネタになって面白いです。これからの人生のためのよい参考になることも多いのでおすすめしたいです」(愛知県・57歳)
好奇心が旺盛だと、脳の活性化にも役立ちそうだ。
頭を使うということでは、
「英語の勉強です。教育テレビを録画しまくり見ています。あと、ラジオ講座も聴いてます。いつかしゃべれる日がくるかしら」(福岡県・46歳)
「オンライン英会話を始めました。講師はカナダ人の男性なので、ドキドキします。レッスン前に身だしなみを整え、メイクもして。いい意味で生活が変わりました」(愛知県・45歳)
英会話で、女子力まで上がることがあるようだ。
どうせ学ぶならと、実益を優先した人は、
「投資の勉強をしています。YouTubeで株式投資初心者向けの解説があるので、よく見て儲けたいと思います」(東京都・36歳)
株に興味を持ち、趣味としてやってみたいという女性たちは少なくない。日本だけでなく世界中の経済が不安な現在、趣味にするにはハードルは高いが、やってみる価値はあるかもしれない。
これから紹介するのは少数派だけれど、「へぇ~、楽しそう」という趣味ばかり。
「なにがなんでも資格など、あきらかに仕事に直結することをしなくてもいいと思う。やってみたかったことをやってみればいいのではないかしら」(千葉県・44歳)
続いて音楽系の趣味。
「以前からやってみたかった電子ピアノを購入して、独学で弾いています」(東京都・42歳)
「ショパンが弾けるようになりたい。今はまだ両手で弾く練習中なので、いつになるやら。せっかく始めたのだから気長に続けます」(千葉県・46歳)
「昔、習っていたギターをまた始めています。オンラインで教えてもらえるところがあるので、自宅でもレッスンできますよ」(兵庫県・57歳)
「集めていたポイントでハーモニカを購入。自分の好きな曲を吹いていると元気が出ます」(和歌山県・54歳)
楽器なしで、できるのが、
「エアギターに熱中。リズムに合わせてギターを弾きながら身体を動かすのは楽しい」(大分県・69歳)
同じ踊りでも、古典芸能を楽しんでいるのは、
「幸若舞(こうわかまい)の敦盛(あつもり)を始めました。なかなか面白いです」(宮城県・49歳)
脳トレも兼ねて習字を始めたり、ちぎり絵を始めたり、俳句を始めたという人も。興味があることは、とりあえずやってみよう!
《取材・文/つきぐみ(水口陽子)》