恋をしながら地球を旅するのは、もう無理なのだろうか……。フジテレビ系の恋愛バラエティー番組『あいのり』が打ち切りの危機にあるという。
「最も大きいのは、新型コロナウイルスの影響です。男女が一緒に海外を旅する様子を見せる番組ですから、海外渡航が難しくなった今の状況では撮影のメドが立ちません」(芸能プロ関係者)
『あいのり』は'99年に始まった、今や局を代表する人気番組。男性4人・女性3人の計7人が、ラブワゴンと呼ばれるピンク色の車に乗って世界を旅する。
「旅の中で生まれた恋愛模様を見せていく番組ですね。意中の異性に日本行きのチケットを渡して告白し、成功すれば晴れて2人で帰国。失敗すれば1人で帰らなければいけないというシンプルなルールです。異国の地で生まれる友情や恋愛のリアルさが話題を呼び、視聴者を引きつけました」(テレビ誌ライター)
コロナで入国制限がかかった
ネットフリックスで全話配信ずみの最新シリーズ『あいのり:African Journey』はすでに撮影が終了しており、次の旅に向け準備しているところにコロナ禍が押し寄せた。
現在は世界中で入国が制限されており、海外ロケは事実上不可能になっている。かわりに国内で旅をするという案もあったというが……。
「福岡の北九州市や北海道など、まだまだ感染がおさまらない地域があります。感染者の多い東京からの移動者を受け入れることに好意的ではない地方も多いでしょう。しかも、ワゴンとはいえ車内に7人が押し込められる形になります。“密閉”“密集”“密接”の『3密』がすべてそろっていますから、この条件での撮影はなかなか難しいでしょう」(前出・芸能プロ関係者)
『テラハ』事件が追い討ちに
もうひとつ、番組続行に待ったをかける問題がある。同じくフジテレビ系で放送されていた、別の恋愛リアリティーショーで起きた事件だ。
「『テラスハウス』の出演者が視聴者からの執拗なバッシングに遭い、自殺に追い込まれてしまいました。SNSでの出演者への誹謗中傷を完全にストップさせる方法は、今のところありません。同じ恋愛要素のある番組ですから、似たような問題が起きる可能性も十分にある。局としても制作会社としても、対応は難しいと考えたようですね。長い期間、制作されているフジテレビの看板番組ですから終わらせたくなかったようなのですが、上層部の判断で終了を決めたそうです」(フジテレビ関係者)
フジテレビに問い合わせたところ、
「すべて事実ではございません」
とのこと。だが、取材を進めていくと制作スタッフの厳しい現状が聞こえてきた。
「『あいのり』スタッフたちは、直ちに別の企画を立ち上げるように指示を受けているようです。しかし、その期限は6月末。“たった数週間で新企画を立ち上げるのは無理”と、すでに白旗を上げています。企画のメドが立たなければ、『あいのり』チームは解散。すでに次の就職先を探しているスタッフも少なくないそうです」(前出・フジテレビ関係者)
コロナとテラハ問題のダブルパンチ。ラブワゴンが恋を運ぶところを、また見たいけれど……。