'20年6月、初めて“タピオカ恫喝騒動”について語った木下優樹菜

「え、何? すげー撮られたんだけど……」

 6月中旬のお昼すぎ、都内の自宅マンションから車で出てきた木下優樹菜を直撃すると、おなじみのハスキーボイスが返ってきた。

 マスクをつけていたため、はっきりと表情はうかがえないが、憔悴しきった様子はなく、その目は以前と変わらないように見える。

 初めは驚いた様子だったが、逃げる素振りは見せず、少しの沈黙の後、覚悟を決めたようにゆっくりと話し始めた。彼女がメディアの前で口を開いたのは、実に7か月ぶりのことだった─。

離婚後もフジモンとは同じマンションで暮らして

 ママタレとして絶大な人気を誇っていた木下が、表舞台から姿を消したのはトラブルが原因だった。

「昨年10月に実の姉が勤務していたタピオカ店でもめごとになっているところに介入し、オーナーの女性宛にツイッターで宣戦布告のように《事務所総出でやりますね》など、恫喝めいたメッセージを送ったことが発覚。11月には、所属事務所が当面の間、彼女の芸能活動を自粛させることを発表しました」(スポーツ紙記者)

 タピオカ騒動に加えて、もうひとつ物議を醸したことが。

「サッカー日本代表の乾貴士選手との不倫疑惑です。木下さんのインスタグラムの投稿文を縦に読むと、“たかしあいしてる”と読めることがネットで指摘されました。乾選手が彼女のファンを公言していたことから疑惑を持たれてしまったんです」(同・スポーツ紙記者)

 日に日に木下への風当たりが強まる中、年末にはFUJIWARAの藤本敏史との離婚を発表した。

「'10年に結婚して'12年に長女、'15年に次女が生まれ、おしどり夫婦として有名でした。離婚の原因は、騒動とは関係なく、芸能活動をする中で生じたすれ違いだったそうです。親権は木下さんが持つことに。子育ての都合もあり、ふたりは離婚後も同じマンションの別々の部屋で暮らしています」(同・スポーツ紙記者)

 元夫の藤本とは話題になることを狙った“ビジネス離婚説”も出ているが……。

「藤本さんに対して未練はありませんよ。ただ、コロナ禍で以前のように気軽に友達と会えなくなったので、子どもに関する相談をできるのが彼ぐらいしかいなかったのでは」(木下の知人)

 すべての発端となったタピオカ店とのトラブルは、まだ解決していない。

「一部のメディアで、オーナー側が木下さんを訴える方向で話を進めていると報じられています。早ければ、6月中に訴状を提出する可能性もあるそうです。昨年末から弁護士を立てていましたが、コロナの影響で話が前に進まなかったようです。しかし、緊急事態宣言が解除されたことで、本格的に訴訟に向けて準備を進めているのでしょう」(ワイドショー関係者)

 都内にあるタピオカ店のオーナーに話を聞いた。

─木下さんに訴状を出しましたか?

「すいません、何もお話しすることはありません」

 明言を避けたが、訴訟を進めていることについて否定はしなかった。

 裁判になった場合、木下はどんな罪に問われるのだろうか。『弁護士法人・響』の坂口香澄弁護士に話を聞いた。

「500万人近いフォロワーがいるインスタグラムで《もうこのお店には行かなくていい》と投稿したことは、お店への名誉毀損罪や威力業務妨害罪にあたる可能性があります。ツイッターのダイレクトメッセージで送った《事務所総出でやる》《認めるとこ認めて筋くらい通しなよ》などは脅迫罪や強要罪にあたる可能性が。ただ、告訴には期間制限があり、犯人を知った日から6か月がたつと告訴できなくなります」

 騒動から半年以上たったいま、刑事事件として告訴されることはないということだ。

 ただ、民事の場合はこんな可能性が。

「オーナー側が精神的苦痛をこうむったことに対する慰謝料請求が考えられます。また、この件でお店の営業に支障が出て、店側の収入が減っていれば、金銭的な賠償を求めることもできます」(坂口弁護士)

 その場合、慰謝料はどれくらいの額になるのだろう。

「投稿の内容のほか、木下さんが悪意を持っていたのか、事実誤認だったのか、事実誤認であればその不注意の程度によって慰謝料の金額は変わります。また、事後的に訂正や謝罪をしたかという事情も加味されます。彼女の場合、インスタグラムで撤回と謝罪のコメントを出しました。多くのファンに向けて、芸能人が一般人を名指ししたのですから少なくとも100万円程度は認められるのではないかと思いますが、裁判所が彼女の撤回と謝罪を重視すれば、あまり大きな金額になるのは難しいのでは」(坂口弁護士)

「私もきちんと謝りたい」

 一連の騒動でいまだに表舞台に立てない木下だが、水面下で復帰の準備が進んでいる。

「世間からのイメージが悪くなってしまったので、テレビや雑誌での復帰は難しい。事務所は、若者向けのインターネット広告で復帰できないか模索しているそうです。これからは“ママだけど自由な恋愛をする女性”というイメージで売り出そうとしているといいます」(テレビ局関係者)

 木下のバックアップは、まさに“事務所総出”となるようで……。

「木下さんの事務所には、SNSで人気を集めるインフルエンサーのタレントも多いので、彼女たちとのコラボも検討しているようです。また、YоuTubeで“優樹菜チャンネル”を開設する案もあるそうですよ。人気のユーチューバーにもオファーをかけているのですが、なかなかいい返事がもらえず、難航しているといいます」(同・テレビ局関係者)

 本人はどのような復帰プランを考えているのだろうか。自宅から車で出てきたところに声をかけた。最初は窓を開けず、何も話さなかったが、自宅の近くは人目につくためか、近くの道路を指さした。

 少し離れた場所に車を止め、携帯電話で誰かと少し話した後、窓を開けて取材に応じてくれた。

─ネット広告に出演して、復帰しようとしているそうですが?

「……ちょっとわからないです」

 復帰について聞くと、困惑した表情を見せた。

─SNSを中心に活躍されている同じ事務所のタレントさんと一緒に出演すると聞いています。

「マジ? 全然、聞いてないですよ!」

 最初は堅い口調だったが、質問を重ねていくと笑顔を見せ、ユッキーナらしい言葉遣いになった。交通量の多い道で話を聞いていると、記者に「そこにいて大丈夫ですか?」と気遣いも見せた。

─YouTubeにチャンネルを開設して、有名なユーチューバーとコラボする話が進んでいるそうですが?

「いや、あの……。そんな話はまったく。初めて聞きましたよ」

 復帰に関しては、彼女の知らないところで話が進んでいるのかもしれない。謹慎期間中の生活について聞くと、リラックスした様子を見せた。

「ご存じかもしれませんが、ずっと子育てをしていますよ。今日は最近出産した友達がいたので、お祝いをしにいこうと思っていたんです」

─タピオカ騒動から半年以上たちましたが、何か進展はありましたか?

「いまはまだ弁護士の方といろいろ話しているところです。お互い弁護士を立てているので、代理人を通じて謝罪の意思は伝えています。私もきちんと謝りたいですからね。相手の方には謝罪する意思を見せ続けていますよ」

'20年6月、初めて“タピオカ恫喝騒動”について語った木下優樹菜

─オーナーの方は裁判も考えているそうです。訴状は届いていますか?

「最近、実家に帰ったりしましたけど、まだ届いていないと思いますよ」

 少しずつ前に進み始めているが、今後の生活には不安を抱いているようで……。

「シングルマザーになったので、働かないと生活できません。子どもたちの生活もあるので、母親として頑張らないといけないと思っています」

─芸能活動を再開したいという気持ちはある?

「再開したいというより、母親として再開しなきゃという感じです。いまは、自分がやるべきことをやっています」

 子どもたちのために、もう1度、仕事をしたいという思いがあるようだ。

─藤本さんと離婚された今でも、同じマンションに住んでいますよね?

「…………。(小声で)私、どうしたらいいかな? うんうん、オッケー。わかった」

 一瞬黙り込んで、先ほど電話で話していた相手に確認し始めた。どうやら、通話は続けていたようだ。藤本とのことは、デリケートな話題なのかもしれない。

「あの……。いまは活動自粛中なので、これ以上、お話しするのは難しいです」

 電話で何か言われたのか、急に口が重くなった。

─一連の騒動や報道に関して、木下さんから何か言いたいことはありますか?

「そういうのは復帰して、きちんとファンの方や迷惑をかけた方に対して、自分の言葉で言いたいです。会見を開くとか具体的なことは決まっていませんが、自分の言葉で話したいんです。こういうふうにどこかのメディアを通して言うのは優樹菜っぽくないから、そこはきちんとしたいと思っています。すいません……。これ以上は、事務所に聞いてもらえますか?」

 10分間にわたって自らの思いを誠実に語った木下。再スタートに向けて着実に歩みを進めているようだ。