「今、懸賞は大いに盛り上がっています! 懸賞情報を伝える雑誌の編集者が“売り上げがここ数か月で5%ほど上がった”と、とても喜んでいましたから」
そう話すのは、長場典子さん。懸賞歴30年の超ベテランで、月100枚のはがき応募を実践している。なぜ今、懸賞がアツいのか?
ネット応募は懸賞初心者が有利
「コロナによる外出自粛で、自宅時間を充実させたいと懸賞にハマった人が増えたようです」(長場さん、以下同)
家で食事をする機会が増えたことも懸賞の追い風になったようで、
「食品系の“クローズド懸賞”の応募数が劇的に増えているとも聞いています」
クローズド懸賞とは、商品を購入してレシートやバーコードを貼って応募するもの。
「おうちごはんが増えて食費が上がっている今、“どうせ買うなら懸賞つきのほうがおトク”という気持ちになっているんでしょうね」
懸賞に新しくチャレンジする人が増えているなら、当たる確率も下がってしまいそうだが─。
「実は、懸賞の達人たちにとっては、今は受難の時代といえます。ネット応募が圧倒的に増えた今、はがき応募だけでは今までのように多くの賞品をゲットすることはできなくなったからです」
はがきは達人ワザを駆使することで、当選率を上げることができたが、
「ネットは簡単に応募できるため、競争率が高いといえます。最近は企業が応募者のアドレスをパソコンで管理しているケースも多いんです。すると“このアドレスからはたくさんの応募が来ているから”と1応募のみにカウントされ、時間も労力もムダになってしまいます」
“ネット応募に2〜3年、本気で打ち込むと、急に当たらなくなる”と多くのケーマー(懸賞マニアのこと)たちが嘆いているという。
だが裏を返せば、懸賞ビギナーにとっては当たりやすい状況にあるということ!
手間がかかるほど当たりやすい!
「懸賞は時代とともにあり方が変わってきましたが、今はちょうど移行期にあると思っています。はがきからネットの応募が格段に増えた今、ネットの中でも商品についたQRコードを読み込むものなど、新しい応募方法が次々と生まれています」
しかも“最新の応募方法のほうが当たりやすい”という。
例えば、商品を購入した際にもらうレシートを添付して応募するキャンペーンがあるとしよう。
「はがきにレシートを貼って応募するか、スマホで撮ったレシートの写真を添付してネット応募するか……。どちらかを選べる懸賞なら、後者を断然オススメします」
はがきのほうが、応募者の熱意が伝わりやすいように思えるが、
「主催者側にとって、はがきでの抽選はコストもかかるし、選ぶのも手間がかかります。すると、“はがき応募から選ぶのは少なめにして、あとはネット応募から当てちゃおう”ということになりがちなんです」
企業はネット応募という形態に徐々にシフトしていきたいと考えていて、
「今、応募方法の切り替えを行っている企業は多いので、本当にチャンスです!」
ネット応募のポイントは“手間をかけること”。
「これははがき応募でも同じことなんですが、人が“やりたくない”“めんどう”と思うようなことは、やり続けると実績がついてきます」
狙い目は、インスタなどSNSで募集しているフォトコンテストだという。
「“あなたの幸せな時間の写真を送ってください”とか、ありますよね? ネット応募の中では手間がかかるほうなので、ライバルは少ない」
確かにわざわざ写真を撮影するのはめんどうだ。そのぶん、ライバルも減る。
「達人になると、スマホにお子さんやペットなどいろんなパターンの写真を常にストックしています。これなら、フォトコンテストを見つけたらすぐに応募できる。日常の行動がすべて懸賞につながっているんです」
年100万円を目指すなら“効率よく”を徹底
ほかにも、入力項目やアンケートが多いものが当選確率の高い懸賞だという。
ただしネットは、はがきより“数をこなせる”のも利点のひとつ。
「例えば“ツイッター懸賞”はリツイートするだけ、“インスタグラム懸賞”は『いいね』するだけで応募ができてしまう。1回1回の当選する確率は低いかもしれませんが、“数撃ちゃ当たる”ともいえますよね。ネット応募は、すき間時間を上手に活用して数をこなす習慣を身につけましょう」
続いて、はがき応募。ネット応募に比べて下火になっているというが、
「確かにはがき応募のオープン懸賞(商品購入などの条件がないもの)はほとんどなくなりました。ですが、メーカーがスーパーとのタイアップで行う“ローカル懸賞”は以前より増加の傾向にあります」
スーパーで購入した商品を袋詰めするスペースでよく見かける“あの懸賞情報”のことだ。
「私の場合、はがき応募は、特に“手間をかける”“かけない”の線引きをはっきりさせています。例えば、毎年恒例の全国区で行われる大企業のキャンペーンは必要事項しか書きません」
10万通、20万通の応募が予想されるため、主催者がはがきを1枚1枚、見ているとは考えられないという。
「ただし、ここぞというはがきにはとことん時間をかけます。前述した“ローカル懸賞”は応募数が少ないので、凝ったはがきを作っています」
“当たるはがき”には、1枚書くのに20分もの時間をかけたという。
「“どんなコメントにするか”を考えて、1度パソコンに入力して下書きします。コメントは、主催者がパッと読んだときに好印象を持ってしかも内容がスッと入るもの。だから、あまりダラダラ長い文章もよくないんです」
長場さんは“感謝”と“時事ネタ”を入れるように心がけているという。
「時事ネタなら、今はコロナの話を入れていますね。今を感じる内容のほうが読み手の方も共感しやすいんです」
年100万円を目指すなら、より効率的にしないとダメだという。
「懸賞を30年続けてきた私がいま思うことは“人生には時間がない”(笑)。ネット応募とはがき応募の利点を大いに生かして、メリハリのある懸賞生活を送りましょう」
ネット応募 当確テク
ネットができる環境があれば出費ゼロで挑戦できるため、ライバル多し。ポイントは“穴場を見つけて狙い撃ち”!
1. インスタなどSNSのフォトコンテストを狙え!
写真を投稿するフォトコンテストが人気。「そのわりに応募者数は少なめ。写真を趣味にしてどんどん応募して」(長場さん、以下同)
2. 当たりやすいジンクスを信じ込め!
“夜中に応募すると当たる”という懸賞達人も。「ロジックを越えた何かが(笑)。自分のジンクスを見つけると当たるから不思議」
3. 新しい応募方法にどんどんチャレンジ
主催者は効率よく当選者を選ぶために応募方法を進化させている。「ワンクリックで応募できるSNS系の懸賞にも注目しましょう」
4. 手間がかかるほどライバルは挫折する
アンケートやコメント欄など入力項目が多いと、そのぶんライバルたちもあきらめている。「手間をかけると、ちゃんと見返りがある」
当たる懸賞の見分け方
数あるキャンペーン情報の中から当選確率の高い懸賞を見極めるテク! これを読めば、当たる気がしてくる!
1. 季節によってライバルの数は増減する!
例えば夏場はそうめんのクローズド懸賞の倍率が高くなる。「購入者が多いから。季節ものの商品の懸賞は旬をズラして応募しよう」
2. キャンペーンは期間より締め切り回数に注目
数か月にわたるキャンペーンはおのずと応募者数が増えるが「月1回の締め切りがあれば倍率が低い可能性も。チャンスはあるんです」
3. ライバルが少なくて賞品が豪華なのは“マスコミ”系
雑誌や新聞などのいわゆるマスコミ懸賞。「新規読者の獲得&読者離れの歯止めをかけるべく、豪華賞品を大放出中。穴場なんです」
懸賞レジェンドが教える“当確ハガキ”の作り方
■ファンであることをさりげなくアピール
“〇〇が好き”とストレートに書かないのが長場さん流。「“好き”はみなさん書きますから。“待ってました!”」
■デコシールやはがきは常にストック
いつでもはがきが書ける環境をつくる。「“明日にしよう”ではやらない(笑)。思いついたらすぐ書いて、その日に投函を心がけて」
■ペンの色は3色まで。必要事項は見やすい“黒”
必要事項とコメントは差別化のため色を変える。「必要事項は黒で書いて、スペースもたっぷり。色も3色までならスッキリ見えます」
■アンダーラインを引くと字がきれいに見える!
文字を書く前に、定規で線を引いておく。「字が下手でもまっすぐ書けるときれいに見えるもの。はがき応募で大切なのは第一印象」
懸賞のキホンQ&A
Q1. 応募ははがき1枚でも当たる?
「もちろん当たります。私の場合、基本的に“1懸賞、1枚応募”のスタイルで当選実績を上げていますから、まったく問題ないです」
Q2.家族の名前で複数枚応募するのはOK?
「OKです。複数の主催者に聞くと“同じ住所であっても、名前が違えば同一人物と判断せずに抽選の対象にする”という回答でした」
Q3.職業を「無職」と書いても大丈夫なの?
「大丈夫です。職業も年齢もそうですが、それらは単に個人を特定しない範囲で統計を取るためのものであり、抽選に影響しません」
Q4.引っ越すと当選品が届かない?
「応募する際には「旧住所」と「〇月〇日からの新住所」として、新旧両方の住所を書いて応募しましょう。また携帯番号も忘れずに」
Q5.懸賞に当たりやすい時期はあるの?
夏休み前は、イベントの懸賞が多くなる。「数が多ければ、当選の可能性も高まりますが、コロナの状況によっては中止になることも」
Q6.DMを希望しないとハズレやすい?
「ほとんどの主催者は応募者全員から抽選していますが、DMを“希望しない”にチェックした人を当てないケースがあるのも事実」
Q7.性別によって当たりにくい懸賞もある?
「関係ありません。たとえ男性用シェーバーを対象にした懸賞でも、妻が夫のために購入することもあるので女性が応募してもOK」
Q8.同じ懸賞に同じ人が2回以上当たることは?
「ほとんどの主催者は1人1回の当選が原則。当選人数が多い懸賞はひとりひとり厳密にチェックできないので当選することも」