「出演が決まったときは、地元の通りすがりのおばあちゃんだったり、いろんな方が“見るね”って声をかけてくださって。放送後の反響も大きくて、僕の友達の友達が“頑張って”って言いたいという話になり、8人くらいのトークのグループを作ったんです。
そこでみんなで話していたのですが、僕がちょっと返事をしなかったら“あれ、ミュージックティーチャーどこにいった?”って言われたり(笑)。いろんな人にこの役を知っていただいて、幸せだなって思います」
役作りのため向かった先は……
歌手を志す音(二階堂ふみ)の“ミュージックティーチャー”として颯爽と登場。第13週には、“スター”として新人歌手オーディションに参加。“プリンス”久志(山崎育三郎)らとたった1つの合格枠をめぐって火花を散らし話題となった御手洗を演じる古川雄大。
朝ドラは本作が初出演。中性的なキャラの役柄を演じるため、このような役作りをしたそう。
「新宿のバーにマネージャーさんと一緒に行きました。お店の方と日常についてから恋愛のことだったり、たくさんのことをお話しさせていただきました。お話ししている中で、その方の言葉とか立ち居振る舞いにすごく力強さを感じたんです。御手洗もいろんなものを乗り越えたからこそ、いまの明るいキャラクターになっているので、役作りの参考にさせていただきました」
撮影ではこんなエピソードが。
「窪田(正孝)さんとは、こだわりの食材の話とか、昔、同じオーディションを受けたことがあって、その話で盛り上がりました。
育三郎さんとは、アドリブで任される場面が多いんです。普段、舞台で同じ役を演じさせていただいたり、2人でご飯に行ったこともありますし、先輩として慕わせていただいている方なので、いつも安心してアドリブでぶつかっています」
『テニスの王子様』で
俳優の楽しさを学んだ
古川自身も歌うことは昔から好きだった。
「中学校のときに姉のギターをもらって弾き始めて、高校生のときに自分で歌を作るようになりました。そのときダンスもやっていて、同じ教室に通っていた先輩と曲を作って2人で地元の駅前で路上ライブもやったんです。西口のほうが栄えているんですが、あえて誰もいない東口で挑戦。観客はゼロでした(笑)。
でも、当時は音楽でも芝居でもいいから、とにかく何でもやってみたかったし、いろんなことを表現したかったんです」
そこから芸能界にも興味を抱き俳優の道へ。
「最初のころの思い出は、やはり『テニスの王子様』の舞台に1年半くらい出演させていただいたことです。礼儀もそうですが、演じること、歌うこと、踊ることの楽しさをいちばん学びました。そこから、いろんな現場を経験して世界が広がり、当然ですけど自分よりもすごい人ばかりで、自分の中にあった根拠のない自信が崩れて悩んだ時期もありました。
でも、いまは舞台を続けながら、映像のお仕事にも挑戦させていただいている段階。いろんな作品、役に出会いたいという欲がさらに強くなっているので、挑戦していきたいです」
最近、料理始めました!
「おうち時間の間は、頑張って自炊していたんです。ただ、いろいろな料理を作りましたが、どれもイマイチで……。特にコロッケがダメでした。“間違えようある?”って普通思うじゃないですか。たぶん、じゃがいものゆで時間とか水分が多かったのが原因かなと。でも、楽しいとは思うので、これからも茨の道を歩いていこうかと思います(笑)」
古川雄大(ふるかわ・ゆうた)
1987年7月9日生まれ。長野県出身。主な出演作はドラマ『トップナイフー天才脳外科医の条件ー』『下町ロケット』、ミュージカル『エリザベート』『モーツァルト!』など
連続テレビ小説『エール』
NHK総合 月曜〜土曜 朝8時〜ほか
スタイリング/吉野誠