折からのコロナ禍で、放送を一時中断することになったNHKの連続テレビ小説『エール』。当面、これまでの再放送でその穴を埋めるという。
そんな『エール』のナレーションを務めているのが、“ツダケン”こと声優の津田健次郎。その低音ボイスで大人気の声優だ。大人気アニメ作品である『薄桜鬼』『テニスの王子様』『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』や、映画『スター・ウォーズ』シリーズの吹き替えも担当。彼の公式ツイッターのフォロワー数は、50万人を優に超える。
「津田さんは、もともと俳優なんです。渡辺謙さんの出身劇団の養成所に入って芝居の道に。『JIN-仁-』『花より男子』といったドラマへの出演経験も」(舞台関係者)
それが、20代半ば、当時の所属事務所からすすめられ、アニメの声優オーディションを受けたところ一発合格。
「今ではすっかり声優のほうが本業です。声優なんですが、写真集も出版されているほどのイケメン。その写真集は、今では定価の6倍ものプレミアムがつくほどの人気です」(アニメ制作会社関係者)
恋愛・結婚にはアイドル以上に神経質
『エール』ナレーターとして津田の起用が発表され、放送が開始するやネット上にはファンの歓喜の声があふれた。
《朝から魅惑ボイスが毎日聞ける幸せ》《ツダケン聞くためのドラマになってる》《表現力がやばい》
実際、回を追うごとに津田の“語り”が、存在感と評価を増しているという。
「一般の視聴者の方からも、そして制作スタッフや出演者からも“バックに音楽がかかっている中でも、よく聞こえる”“津田さんの声が落ち着いていて心地いい”“高齢者にも聞き取りやすいし、何よりうまい”と絶賛されているんですよ」(NHK関係者)
だが、そんな津田には、今まで1度も語ることがなかった大きな“秘密”があった。
「実は津田さん、結婚しているんです。籍を入れたのは、もう10年以上前のことだと聞いています。お子さんもいらっしゃるそうで。津田さんに近しい関係者や知人の間では、公然の秘密です」(前出・舞台関係者)
声優専門誌やアニメ専門誌をはじめ、数多くのインタビューに答えている津田だが、これまで結婚についてはもちろん、私生活すらも、ほとんど語っていない。
「取材では“恋愛観や女性観、過去の恋愛話についての質問はNG”というのが暗黙の了解。まぁこれは津田さんに限らず、声優業界……特に男性声優さんでは、よくあることですけどね。声だけで表現する仕事ですから“出演作品や演じるキャラクターのイメージを損なわないように”ということを気遣うんです。最近でこそ、交際や結婚をオープンにする声優も増えてきましたが、ある意味、アイドルよりも恋愛や結婚については神経質な業界なんです」(前出・アニメ制作会社関係者)
「本当に厳しかった」交際初期
その一方で、ファンの間では以前から、津田の“結婚説”が囁かれ続けてはいた。
「昔、彼と仲のいい声優が“津田さんは結婚してお子さんもいますよね?”と公の場でポロッと発言したことがあったんです。ただ、それは気の置けない仲間同士の軽口みたいなノリだったので、当時は結局“ただの冗談でしょ”という結論になって」(同・アニメ制作会社関係者)
インターネット上に《ツダケンが夫婦で買い物をしていた》といった目撃談が何度か書き込まれたこともあったものの、どれも真偽不明の話ばかり。結婚説は噂や憶測の域を出なかった。
6月下旬、閑静な住宅街にある津田の自宅を訪ねると、はたして、噂は本当だった。
「男の子と女の子、お子さんは2人いらっしゃって、いつもにぎやか(笑)。この間もご自宅の敷地に“鳩が巣を作った!”って、ご家族みんなで、そっとのぞき込んでいましたよ」(近所の住民)
ある日の昼下がり、妻とおぼしき女性と外出した津田。白いTシャツに黒いジャケットとパンツを合わせ、足元はショートブーツ─モノトーンでまとめた着こなしは、とても49歳には見えない。女性のほうもモノトーンでそろえさながらペアルックのよう。繁華街での買い物を終えるとふたりはそろって帰宅した。
津田が家庭を持っていることは疑うべくもない。日を改めて、津田本人に話を聞くと、言葉を選びながらも、はっきりと語ってくれた。
「結婚して15年……いやもう少したっていますね。妻とは僕が駆け出しの役者のころに出会いました。大学を出た後に劇団の養成所には入ったんですが、劇団員にはなれなくて。フリーで役者をやっていたころに出会って、すごく長く付き合っていたんです」
当時を振り返り、「本当に厳しかった」と苦笑いする。
「売れなくて売れなくて……。ドラマにもちょろちょろ出ていたりはしたんですが、セリフもひと言だけ、とか。今も再放送を見ることがあったりすると“うわぁ……恥ずかしい!”って。ファンの方は“ツダケンが出てる”と言ってくださるんですが、出てると言えるほどでは(苦笑)」
「家族は絶対に守りたかったので」
俳優の仕事だけでは当然、生活はできない。
「バイトしながらで、すごく貧しかった。もちろんヒモではなかったですけれど(苦笑)、ずっと彼女が精神的に支えてくれていたんです。なんとか食えるようになってきたときに普通に結婚をして普通に子どもが生まれて……。今、子どもは2人です。息子と娘が1人ずつ。家族で僕の出演作品を見ることはあまりないんですが、ただ、めっちゃ仲よくはやっています」
なぜ糟糠の妻と、わが子の存在を公にしなかったのか?
「隠していたという表現には違和感があって。仕事場で自然と家族の話になることもありましたし。ただ、オフィシャルに質問されたことが、そもそもないんですね。気がついたら、こういう形をとっていた……というのが正しい表現かもしれません。
ちょうど結婚直後に、身の危険を感じるような怖い思いをしたこともあって、“あえて結婚を発表するのはちょっと……”と考えた部分もあります。僕に危害が加えられるのはかまわない……いや、かまわなくはないんですが(苦笑)、家族は絶対に守りたかったので」
自身のファンへ話が及ぶと、津田は少し間を置いた。
「応援してくださる方々がどう感じるかは、やっぱりすごく気にしています。もしも、ショックを受ける方がいらっしゃったら、本当に申し訳ない。ただ、願わくは、みなさんの人生のポジティブな彩りのひとつにしていただけたなら、ありがたいです。こんなしょぼい人間を応援してくださる方々には感謝しかありません。これからもいい仕事を精いっぱいしていくことが、いちばんのお返しになると思っています」
津田のこれからに週刊女性もエールを贈りたい─。