『棋聖』と『王位』、2つのタイトル獲得が期待される藤井七段。街をあげて応援している故郷の愛知県瀬戸市では、大きな盛り上がりを見せている。でも、彼を見ていてやっぱり気になってしまうのは、あの特徴的な前髪。いったいどこでカットしているのかというと―。
藤井七段の地元も大フィーバー
将棋の藤井聡太七段が快進撃を続けている。17歳の若さで、『棋聖』と『王位』の2つのタイトル戦を同時並行で戦っているのだ。
「藤井さんは中学生だった'16年に14歳2か月という史上最年少でプロ入りを果たし、無敗のまま公式戦最多記録となる29連勝。'18年2月に五段になると、その年の5月にはあっという間に七段に。1年で3回昇段するのは前代未聞です」(スポーツ紙記者)
デビューから2年2か月で史上最速、最高勝率で公式戦100勝に到達。3年連続で勝率8割以上は史上初の快挙だ。
「17歳10か月20日で棋聖戦への挑戦が決まったことにより、最年少タイトル挑戦記録を31年ぶりに更新。竜王戦も決勝トーナメントへの進出が決まり、年内に3つのタイトルを獲得する可能性も出てきました」(同・スポーツ紙記者)
将棋界の常識を覆した天才棋士なのだ。それだけに、 藤井七段が暮らす愛知県瀬戸市では、大フィーバーが巻き起こっている。
「せと銀座通り商店街には、《藤井聡太くん棋聖戦挑戦応援してます!》と書かれた垂れ幕が掲げられていますよ。シャッターを利用してタイトル戦の星取表を掲げている店もあります。“ソーダ&カツサンド”を販売した飲食店もありました。棋聖戦は5局中、3局制したほうが勝ちですから、“聡太、勝つ、3度”という勝利の願かけですね」(地元のファン)
商店街のそばにある深川神社には、彼がよくお参りに来ているという。
「重要な対局の前には、勝利を祈願しに来ているようです。この間も見かけたという話を聞きましたよ。ちょうど棋聖戦が始まる前だったかな」(別の地元のファン)
地元のコミュニティーラジオ局でパーソナリティーを務める落語家の登龍亭獅篭さんは、才能は子どものころから輝いていたと語る。
「昔から地元では“将棋の強い子”として有名でした。小学校4年生と中学校1年生のときに、うちの局のラジオ番組にも出演したことがあるんです。小学校4年生のときは母親とおじいちゃんに連れられて来ていました。将来の目標を聞いたら“有名な名人を超えたい”って言ったのには驚きましたね」
ファンをトリコにする魅力の正体
街ぐるみで応援する態勢ができていると話すのは、同じラジオ局でコメンテーターを務める講談師の旭堂鱗林さん。
「'18年に瀬戸将棋文化振興協会が設立されました。将棋の普及と地元棋士を応援する団体で、将棋はわからないけど聡太くんのファンだという女性も多く入会しています。“ソータリークラブ”なんて呼んでいる人もいますよ」
連勝街道を突き進んでいたころ、藤井七段のファッションが話題になったことがある。
「公式戦30連勝をかけた対局で、彼が締めていたネクタイが“おしゃれ”だと話題になったんです。中学生だった聡太くんは対局でも詰め襟の制服でしたから、スーツ用のネクタイはあまり持っていませんでした。父親のネクタイを使いまわしていたんですが、それを知った町の人たちがネクタイをプレゼント。たくさんもらったので、今ではお店が開けるくらい、何十本も家にあるそうです」(応援に来ていたファン)
スーツ姿がサマになってきたのは、地元ファンのおかげだったのだ。
「中学生のころは、彼の持っている財布が話題になりました。マジックテープ式で、お金を出そうとするとバリバリッと音がするんです。イケてない小物の代表とされるもので、当時の藤井七段は身だしなみにはあまり興味がなかったのかもしれません。プロ入りから3年がたって、立ち居振る舞いが洗練されてきましたね」(将棋ライター)
もうすぐ18歳を迎える藤井七段は、大人びた表情を見せるようになった。
「4月に行われたオンライン対局では、正面からの映像が映し出されました。普段は横や斜めからの撮影なので、新鮮でしたね。普段見ることのない私服姿だったこともあり、ファンは歓喜。画面上には“かわいい!”“イケメンだ!”というコメントが飛び交っていましたよ」(前出・スポーツ紙記者)
少年から青年に変わる時期の微妙な色気を感じるのだ。
「対局中はものすごく真剣でキリッとした顔つきなのに、盤外ではほんわかした笑顔を見せてくれる。とっても謙虚で、どこをとっても可愛くて、それでいてカッコいい。そのギャップに瀬戸のお姉さまたちはみんなメロメロですよ」(旭堂鱗林さん)
クネッとカールの“重め前髪”も素敵
特徴的な髪型も注目を集めている。軽くカールする、クネッとした前髪が揺れ動き、憂いを秘めた表情に見えるのだ。
「王位戦第1局の勝利後の会見で、前髪がほとんど目にかかっている様子が映されました。《切ってあげたい》という人もいれば、《重めの前髪がかっこいい》《更に色気が増した》などとSNS上で話題になっていましたね」(前出・スポーツ紙記者)
いったい誰がカットしているのかというと、東京・青山のカリスマ美容師、ではなかった。
「小さなころから、うちで髪を切ってますよ」
と語るのは、藤井七段の家から徒歩1分の場所にある美容室のスタッフ。最近いつ切りに来たのかも聞いてみると、
「今回も対局前に来て、カットしていきましたよ」
ということは、あの長めの前髪は聡太流のおしゃれってことなのかも。
「棋聖戦第3局の会場に来ていた師匠の杉本昌隆八段は、“そろそろ散髪に行ったほうがいいんじゃないですか?前髪長くないかなぁ?”なんて話していましたけどね」(前出・将棋ライター)
髪型にも気を遣う余裕が出てきた藤井七段。棋士として男として、目覚ましい成長を遂げている。