「7月10日の午前中、雅子さまは皇居を訪れ、ご養蚕作業の締めくくりである『御養蚕納の儀』を行われました。上皇后である美智子さまから今年5月に引き継がれた大切なお仕事です。
最近はコロナ禍で公務でのお出ましがない中で、熊本県など九州南部を襲った豪雨被害に心を痛められています」(皇室担当記者)
8月15日に開催予定の『全国戦没者追悼式』には臨席される予定だというものの、4月以降から変わらず、新型コロナウイルスに関してのご進講やご接見を行われている。
6月23日、両陛下とご接見した『全国老人保健施設協会』の東(ひがし)憲太郎会長(67)から当日の様子を聞いた。
「『老健』では、会員として登録中の3600ある施設のうち、16施設のみでコロナの感染者が出ました。その中でクラスターが起こったのはわずか5か所で、非常に少なかったことを両陛下にまずお伝えしました。
各施設の現場職員は休みをとらず、施設利用者の方々も家族との面会禁止を行うなどの協力をしていただいたおかげで、ここまで感染者を抑えることができたともお話ししました。驚きながらもうなずかれ、熱心にメモをとられていましたね」
両陛下からのおことばが、心に響いたと東会長は語る。
戦後初の“異例事態”
「クラスターが起こってしまった5か所の施設では職員も感染してしまい、非常に少ない人数で利用者を介護しなければならず、感染が広がって利用者が亡くなってしまうなど、たいへんつらい状況になることもありました。
そういった介護崩壊のお話をすると、皇后さまから“介護の現場ではたいへん努力されて、みなさん頑張っていらっしゃったんですね”と、おっしゃってくださりました。
ほかにも雅子さまからは、“非常にご苦労なさって、日本の高齢者の方々を守られているんですね”“お身体に気をつけて、これからも頑張ってください”といったおことばをいただき、たいへん感激いたしました」
その後も、7月3日には障害者支援団体の関係者とご接見された両陛下。
「コロナで影響を受けている業界や、弱い立場の方々や失業者に注目しながら、ご接見相手との日程を調整中です」
と話すのは、ある宮内庁関係者。いまだに収束が見えないコロナの影響に関し、関係者からご説明を受けられる一方で“異例の発表”が──。
「コロナ感染拡大の影響を受け、9月末に予定されていた『全国豊かな海づくり大会』の開催が今年は見送られることになりました。
この大会は『植樹祭』『国体』『国民文化祭』に並び、両陛下が特に重きを置かれている“四大行幸啓(ぎょうこうけい)”のひとつ。
この決定により、今年の四大行幸啓はすべて見送られることになりましたが、恒例の地方訪問がすべてなくなるのは戦後初の“異例事態”です」(前出・皇室担当記者)
“国民とともにある皇室”
今回の異例の決断に関して、象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院の准教授・河西秀哉さんは、次のように話す。
「今回、四大行幸啓が異例の中止になったのはしかたのないことだと思います。このコロナ禍では、両陛下が感染しないようにという理由と、おふたりが訪問した先での集団感染が発生する可能性も考慮したのでしょう。
今年3月にあった愛子さまの卒業式でさえも、出席されたい思いがあっただろうに、欠席されています。今回の決定には、両陛下のご意向もあったでしょうし、おふたりはコロナ禍にある国民をとても案じられていると感じます」
“国民とともにある皇室”を目指されている両陛下にとって、このコロナ禍にはそうとう苦慮されているに違いない。
そんな状況でも奮闘される中、雅子さまにはずっと心配されている事柄があると、前出の宮内庁関係者は語る。
「ご両親である小和田恆(ひさし)さん(87)と優美子さん(82)のことです」
「恆さんは15年間、オランダで務めていた国際司法裁判所の判事を'18年に退任し、現在は東京都目黒区の自宅にてご夫婦で生活されています。
数年前、雅子さまの妹である節子さん(54)が“19年連れ添った夫と離婚し、実家暮らしになった”と報じられましたが、すでに京都府に移り住んでいて、'19年からは京都にある『福知山公立大学』の教授として教壇に立っているとのこと。
現状はお互い高齢者のふたり暮らしなので、雅子さまも何かと心配なことでしょう。
新型コロナが重症化して、死に至る確率が高いのは言わずもがな高齢者に多く、専門家から詳しい話を聞いている雅子さまの心中は穏やかではないと思います」
両陛下の結婚記念日である今年の6月9日も、コロナの状況を鑑みて、例年行われている上皇ご夫妻や小和田夫妻などが一堂に集まる夕食会も行われなかった。
今でも仲よし夫婦
ご両親と、雅子さまが会える機会は少ないだけに、さぞ残念だっただろうが、小和田夫妻の近況はというと──。
「帰国してからは、夫婦一緒に散歩していたり、別々で外出しているときにおふたりがばったり会うと、手を振り合うなど、今でも仲よし夫婦という感じですよ。
雅子さまの妹である礼子さん(54)の息子さんが高校生くらいなのですが時折、小和田さん夫妻が自宅で預かっているそう。おそらく、旦那さんが国際弁護士としてアメリカで働いているので、礼子さんが一緒に渡米した期間などに面倒を見ているのでしょう。
日本でコロナが流行してからは、マスク姿で駅前のスーパーで買い物されているのを見たくらいで、外出する姿はあまりお見かけしませんね。
最近は食事も出前ですませることもあるようで、コロナ対策を徹底されているようです」(小和田家の知人)
この知人は、
「ただ先日、久しぶりに恆さんが歩いている姿を見かけたのですが、以前よりも腰が曲がり、体調が悪そうに見えました……。10年ほど前には、2年連続でバイパス手術を受けていますし、ご高齢なので少し心配です」
とも明かしてくれた。ご高齢のご両親を心配しながらも、国母としてのお務めをこなされている雅子さま。
「そのお立場とコロナ禍の現状で、ご両親とお会いできない日々に苦悶されていることでしょう。ただ、ご養蚕やご進講をしっかりとこなされているお姿からは、皇后としての自覚を強く感じます。
ご両親も雅子さまのご活動をご存じでしょうし、外出自粛をしながらも、陰ながら応援されていると思いますよ」(皇室ジャーナリスト)
国母の奮闘は国民だけではなく、ご両親にも確実に伝わっているはずだ──。