'18年10月、『中学聖日記』(TBS系)で新人ながら有村架純の相手役に。芸能界に彗星のごとく現れた岡田健史。今年は出演映画が5本公開される予定で、『MIU404』(TBS系)でも若手エリートキャリア刑事として出演している。
7月17日から始まる『大江戸もののけ物語』では、初の時代劇に挑戦。順風満帆な21歳は、どこからやって来て、どこへ向かっているのか。
先生の言うことを
聞かない子でした(笑)
「初めての時代劇。初めてのかつら、着物、刀……。1から学び始めるので、苦労がないわけはないんですが、(演じる)新海一馬として、時代劇の所作などを得ていくのは、すごく楽しかったです」
かつ、テレビの連続ドラマとしては初の主演を飾る。
「メディアの方がキャッチーなことを求められるのはわかるんですが(笑)、でも“主演だから”という意識はなくて。もちろん、意気込みはありますが、毎回どんな役、どんな作品でも、今の自分にはできないことがある。いただいた役をどれだけ魅力的に広げられるかが、僕のやりがいであり、目標なんです」
本作は、人情時代劇であり、妖怪ファンタジー。妖怪監修は荒俣宏だ。
「最初に“妖怪って信じられる?”と質問されて、“はい”と普通に答えていて。昔から信じてるので、一般的には信じられていないことを忘れていました(笑)。でも、今の時代、SNSなど機械的なものがすごく増えているから、バカがつくくらい夢を見させてくれるこの作品を世に送り出すことは、すごく意味があると思っています」
本作では教え子になめられっぱなしの寺子屋の先生役だが、幼少期はどんな子だった?
「破天荒で先生の言うことを聞かない子でした(笑)。でも小学2年で野球を始めてからまじめになり、責任感が生まれましたね」
高校球児、演劇部にスカウトされる
高校は、長崎の甲子園常連校に特待生として入学。高3のときには副キャプテンを務めたが、夏は県大会ベスト8で敗退。
「母校史上、最低と言っていいような成績でした」
その後のある日、演劇部の顧問から男性キャストが足りないからと勧誘を受ける。
「特待生なのに結果を残せなかった申し訳なさと情けなさから、学校に少しでも恩返しができればと、引き受けました」
ただの助っ人のはずが、演劇の甲子園である『全国高等学校演劇大会』の九州地区大会で優勝を飾る。
「その公演後に幕の前に立った瞬間、うまく言語化できない、露骨な快感に包まれて。“役者をやろう”と思いました」
すでに野球推薦で大学が決まっていた。両親とは勘当寸前までもめたが、最終的には熱意を理解してくれた。進学先に頭を下げ、現在の事務所に入った。
「中1のときに福岡でスカウトされて以来、ずっと誘い続けてくれて。ただ僕は、“いつもご苦労さまです。でも、やりませんよ”と言っていて。俳優になりたいなんて、まったく思ってなかった(笑)。
でも、今はこの選択をしたことに後悔はないです。俳優は、作品ごとにいろんな知識を得られる。今回の一馬をやらなかったら、僕は武士のことや、当時の生活様式などに思いを馳せることはなかったと思うんです。演じるためには、考える時間がすごく必要。だからこそ、得ることがたくさんあるんです」
涼しげな瞳をキラキラと輝かせる。役者を辞めたくなったことは1度もないという。
「きっと変態なんだと思います(笑)。こんなに大変で苦しむ職業なのに。でも、それでもやりたいと思える変態さは、やっぱり大事にしたいなと思っています」
どうやら、ただのイケメン俳優ではなさそうだ。
Qどんな女性が好きですか?
「僕は好きになった人が、タイプの女性。今まで好きになった女の子はボーイッシュな子もいれば、すごくふんわりした子もいたし、性格が真逆の子もいました。料理ができてもできなくても、がさつでも几帳面でも、好きになったら好き」
Q女性を好きになるポイントは?
「向けられた言葉が、いつまでも僕の中で響き続けること、かな。そのくらい影響力があって、そのときに僕に必要なことを投げてくれる人。それは逆もしかり。僕がその子に対して放った言葉がいつまでも響き合って、お互いが共鳴し合える関係性がいいな」
7/17(金)スタート
『大江戸もののけ物語』
新海一馬(岡田健史)は寺子屋で教鞭をとるも頼りない。ある日、廃屋で教え子のお雛(平尾菜々花)とともに不思議なまが玉に触れると、天の邪鬼(本郷奏多)が現れ……。
毎週金曜夜8時〜(NHK BSプレミアム・全5話)
その他出演/山田杏奈、森川葵、青山美郷、甲本雅裕、イッセー尾形 ほか