『しげログ』は商品プロデューサーとして活躍し、海外のファッション・流行などをナビゲートしているしげるちゃんが毎回「会いたい人」と「好きなお店」で対談! ゲストの“素”を引き出しちゃいます。第10回目のゲストは俳優の斉藤祥太・慶太さん。初となる三者対談は後編も大盛り上がり!(※対談は3月25日に行われたものです)
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しげるちゃん(以下/しげる)「じゃあ後編は、“双子”って切り口でお話を伺おうと思うんだけど。やっぱり喧嘩とかするの? 例えば山形に三ヶ月まるまる行ってたじゃない? その間どうだった?」
斉藤祥太(以下/祥太)「喧嘩ですか? しましたよ(笑)」
斉藤慶太(以下/慶太)「しますよね、やっぱり(笑)。昔はもう喧嘩ばっかだし。取材とかでも“お前うるせえよ”とか。で、もうみんな周り困っちゃうみたいな。僕たちの仲では普通のコミュニケーションなんですけど。やっぱ現場は凍っちゃう。しかもガチなんで」
しげる「そりゃ、みんな凍るわ。しげるなんか得に1番先に凍っちゃう(笑)。でも、双子だから良かったってメリットだってあるでしょ?」
祥太「やはり映画『タッチ』とか、双子ならではのお仕事が来ることはメリットかも知れないですね。あとハリウッド映画の『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』に出演できたことや、ヨーロッパで流されたイギリスのCM。アジア人の双子の俳優を探しているということでオファーをいただいたこと。世界にはばたけたのは、僕たちが双子だったからかもしれません」
しげる「なるほどね、仕事以外では、『双子ならでは』ってエピソードとかはあるのかな?」
祥太「気になる女の子がいたとしても、結局学校のマドンナ的な女の子だったから、そういう感じでしかなくて、具体的に好きな女の子がかぶるとか、取り合ったりはなかったかな」
慶太「そういえば、お腹が痛いと思って保健室へ行ったら、隣のベッドで祥太もお腹が痛いって寝ていたことはあったね(笑)。あと、友達と映画を観に行ったんですよ。そしたら同じ映画館に祥太がいて(笑)」
祥太「それも同じ時間帯の同じスクリーン。あれはビックリしましたね。多分『スパイダーマン』か何かだと思ったんですけど、終盤あたりで咳払いが聞こえて。『今の咳払い、どこかで聞いたことがあるな』と思って、まさか、と探したら、結構近くに慶太が(笑)」
しげる「え~面白い! 二人は遊んでいるメンバーも同じなの?」
祥太「地元だとそうですね」
慶太「でも昔は『祥太がいるなら行かない』って言ってたんですよ」
祥太「やっぱり、比べられたりすることもあったりしますしね」
慶太「今は違います。逆に、祥太がいるなら、僕も遊びに行こうっていうふうになりました(笑)」
(編集部)――双子でひとくくりにされてしまうこともあって不本意だと思うのですが、そこで敢えてパーソナルな面について聞かせてください。お互いを見て、お互いがどんな人だと思われますか?
祥太「うーん、双子の関係って難しくて。例えば自分が気にくわないと感じる行動を一方がとったときに“いやお前そんなことやるなよ”、“そんなこと言ってんなよ”とか、そういうのってあったんですよ、お互いに昔はね。でもなんか、そこで喧嘩してっていうのも意味がないなって思って」
しげる「今は違うの?」
祥太「“もう好きにやったら?”“思うままにやったら?”って感じですね。慶太は、良い意味で我が強い、悪い意味でも我が強い。それはまあ良い意味ではあると思うんですけど、ちょっと間違えると悪い意味にも捉えられるよ、っていう」
しげる「長所と短所なんて紙一重だもんね!」
慶太「そうですね。やはりパーソナルな部分でいうと、祥太は自分に一番似た人間ですし」
祥太「それは感じるね」
慶太「似ているからこそ、少なくとも悪くは言いにくい(笑)」
祥太「僕だって悪くは言うつもりはないよ(笑)」
慶太「僕が祥太を一言で表すとしたら、“バイク好きのイケイケの兄ちゃん”って感じかな。あとはちょっと雑(笑)。僕は洋服とかはしっかりたたんでしまいたいタイプだけど、祥太はあまりそういうこと考えずにバンバン放り込む感じで(笑)」
祥太「でも仕事に関しては細かいんだよ」
慶太「そうなんだよね。繊細さの場所が違うっていうか」
(編集部)――お互いで、そういったところを指摘し合ったりするんですか?
慶太「“お前は黙ってろ”とか言っちゃうんですよね。余計なことやろうとしたときとか。お互い悪いところはキツめに言いあって。やっぱ、普通の仕事もしてて芸能界もやってる人間が一番近くにいるっていうのは、僕らがひねくれずに済んだ理由なのかもしれないですね。一番こう、ブレーキかけてくれるのが近くにいる。それはやっぱりちょっと大きいかもしれないです」
祥太「法律に触れなければ何をやっても良いんじゃないかとも思うんですが、まあまあ、あんまりひどかったらいうよ? そりゃ」
慶太「言うじゃん? 言ってくれる人がさ。売れてるときは、俺ら、“言ってくれないじゃん”って言うことではなかった。それはだからまあ双子で良かったのかもしれないですね」
祥太「かもね。しかも同じ仕事をさ、何とかしてるふたりでさ」
慶太「ある意味、自分がもうひとりいるという感覚」
祥太「やっぱ20代後半くらいからお互いちょっと気を遣うようになったりとか。昔よりかは“そうなんですよ双子なんです”って言えるようになりました。“似てます?”って(笑)。それが自然ですよね。僕らは双子として生きていくしかないわけだし」
慶太「あとはとにかく、ばあちゃんを裏切れないって言うか」
祥太「まあ、一応両親も付け加えてあげて(笑)」
慶太「ああ、両親も。ばあちゃんが先死ぬんで、一応ばあちゃんが死んだら“両親を裏切れない”って言おうと思ってて。まあ僕はばあちゃんを優先に、いろんな仕事頑張ろうっていうモチベーションのひとつでもありますね」
しげる「えらいね~!」
しげる「これから先は、どんな大人な男になっていきたい? 野望というか願望かな?」
慶太「なんか僕、渋い俳優さんになれたらいい。あ、あと最近すごくサーフィンにハマってるんですよ。どの現場行ってもサーフィンの話してるし」
しげる「インスタでハワイ行った写真も載ってたよね」
慶太「ハワイとバリでサーファーやってきて。やっぱこう、仕事だけじゃなくて、自分の趣味の時間だったり子どもができるならまあ家族の時間だったり。『100日後に死ぬワニ』じゃないですけど、やっぱこう、もともと“いつ死んでもいい”って思ってたんですよ。“今の日本のこの時代に生まれてもうそれだけで幸せだし”って。“もういつ死んでもいいや”って思ってたんですけど、よりこう、“大切に毎日過ごさないとな”って思いました。だからもう僕は楽しく自由にやりたいようにできればお金は要らないかな」
祥太「先輩によく言われるのは、“俳優の仕事は続けた方がいいよ”」
慶太「辞めたら終わりだよってね」
祥太「うん。で、“僕たちが職人仕事やりたいって言ったら職人仕事はできるけど、例えば俺たちが俳優の仕事やりたいって言ったら今からは無理だよ”って。
やっぱそういうこと言ってくれる人たちがいて」
慶太「応援してくれてんだよね」
祥太「そう、応援してくれてる。だから俳優はまあ続けたいなって。こっちから“仕事したい”って言っても、求められないと仕事できないじゃないですか。だから、自分の副業の仕事でもそうですけど、手に職つけて、まずは。そんなにガツガツしたくないなって思ってるんで。余裕を持っていきたいです」
慶太「でも追求したいところは追求したいんでしょ?」
祥太「まあ例えばロケとかで“また今度機会あればお願いします”とかそれくらいだったらいいですけど。そんな、“この仕事で次の仕事が決まるかも”とか、そんな気持ちではやってない。まあでも俳優って仕事は続けたいなって。そのためにはやっぱりプライベートを充実させる必要があるなって。仕事もそうですけど。ここ何年かで思ったんで。だからまあ、“仕事は芸能界の仕事だけじゃねえぞ”って。そこだけはやっぱり忘れないように。まあ真面目に一生懸命と」
慶太「そこでいい味を出せたらいいですよね。なんか僕、いろんな俳優さんに“お前は40過ぎてから売れるよ”って言われるんですけど。だから40過ぎるの楽しみで。全然、“将来が不安”とか、意外となくて。人生一回だからもう楽しくやっぱり自分がどういう風に生きるかがもう全てかな。やりたいことはやって、やりたくないこともたまにやって。なんか甘やかしすぎるのもよくない」
しげる「極力、ストレスは減らしてくってことね」
慶太「そうですね。やっぱりいつ死ぬかわからないんで。その日1日1日、楽しければそれでいいです。朝まで酒飲むとか最高じゃないですか」
今回のお店 『九州居酒屋いちばんや』
――お店について教えて下さい
1月でオープンから丸2年を迎えて3年目に入りました。九州料理をお出ししていますが、九州は畜産、農産、魚介類が豊富。私の出身は東京なのですが、宮崎県で3年仕事をしていたり、長崎県で働いたり。そういった縁もあって、当店をスタートしました。
――おすすめは?
福岡県のみならず、九州全体を網羅した料理やドリンクです。宮崎での縁があり、良いものが安く手に入ったりもします。八百屋さんを通して九州の野菜を取り寄せたりしていますね。お酒も大分のかぼすの生搾りなど、シロップなどは使わず、季節ごとの現地の果物を利用しています。あとは九州産の焼酎ですね。ご当地グルメをぜひ召し上がってください。
――こだわりの料理は
ミョウガとごまを使ったゴマサバや福岡の鉄板餃子。モツ鍋も夏場だと麻辣の味付けにしたりしています。あと好評いただいているのはチキン南蛮。自家製タルタルソースを使い、宮崎の霧島鶏で調理しています。あと鶏のもも肉の叩き。普通は醤油ダレやポン酢で食べるのですが、当店はにんにくとごま油がきいた塩ダレを、ネギたっぷりで食べていただく料理です。見栄えもいいのでインスタ向きです。
――メッセージを!
美味しいものがたくさんある九州料理を、季節に合わせて、旬なものをお出ししています。スタッフ一同、あたたかい気持ちでお待ちしておりますので是非お越しください!