8月22・23日、両国国技館で無観客、毎年恒例のチャリティーマラソンを行わない、そしてスマホなどによるキャッシュレス募金の導入など、新型コロナウイルスの感染拡大防止に対応させる形での開催が決まった、日本テレビ系の大型チャリティー番組『24時間テレビ43』。
番組の内容とともに気になるのが、毎年のメインパーソナリティーを誰が担当するのかということ。2003年のTOKIO以来、毎年、途切れることなくジャニーズタレントがメインパーソナリティーを担当することも定着している。
なぜこの5人が選ばれたのか
「ある意味、ジャニーズの看板の証でもあるので、ファンは24時間テレビのメインキャスターに自分が応援するグループやタレントが抜擢されると、やはり誇らしい気持ちになるようですね。今年はキンプリか、デビューしたばかりのSnow ManやSixTONESあたりが抜擢されないかと期待する声も少なくなかったようです」
と、ジャニーズに詳しいあるテレビ関係者は語る。
しかし、実際に発表されたメインパーソナリティーの布陣はこうだった。
V6井ノ原快彦、NEWS増田貴久、Kis-My-Ft2北山宏光、ジャニーズWEST重岡大毅、そしてKing & Prince岸優太の5人。井ノ原は5人の「キャプテン」という立場になるという。
「イノッチはNHKの『あさイチ』で長年活躍し、お茶の間の知名度や好感度が高いジャニーズタレントです。『あさイチ』や『アド街ック天国』(テレビ東京)で鍛えられた進行スキルも高い。今回は、コロナ禍での無観客開催ということで、進行のハードルも高い部分があるでしょうから、若手グループに丸投げというよりも、好感度とスキルの高いイノッチにということになったのではないでしょうか」(同前)
では、なぜV6の6人が勤めるのではなく、“イノッチと後輩たち”となったのだろうか。前出の関係者は、すでにV6はメインパーソナリティーを経験済みとし、ここ最近のジャニーズの傾向を見てこう分析する。
「亀梨和也と山下智久の亀と山P、中島健人と平野紫耀のKSなど、グループの垣根を飛び越えることで、“スペシャル感”を出すことが最近は多いです。そこには、芸能活動の最後の年に、三宅健とのユニットKEN☆TACKYで活動した、滝沢秀明副社長の好みが反映されたりしているのかもしれません(笑)」
2017年には櫻井翔、亀梨和也、小山慶一郎のグループの異なる3人がメインパーソナリティーを務めたこともあったが、これは、当時のジャニーズの日テレ系番組“キャスター3人衆”ということで、わかりやすい人選ではあった。
アンバランスな化学反応
しかし今回の5人は、特に日テレの番組に深く関わっているわけでなく、イノッチをはじめ、それぞれのグループのエース的存在ではない顔ぶれだ。制作発表会見でも、イノッチ自ら、
「みんなセンターのタイプじゃない。アンバランスでいいんじゃないですか」
と語っていた。ある芸能記者は、「その中で重岡くんは、センターをつとめることも多いのですが、WESTは小瀧望くんがセンターになることもある。メインではないものの、それぞれ熱量高めのファンが多いメンバーといってもいいかもしれません」という。
安定感のあるイノッチを総合司会にし、ほかは各グループのエースを揃えるという選択はなかったのだろうか。
イノッチに総合司会を務めてもらい、エースやセンターをズラリと並べるかたちはどうだっただろうか。
「そこはイノッチも言うように、アンバランスな化学反応を狙ったのではないでしょうか。メインディッシュがいくつも並ぶのもお腹いっぱいですし、例年以上に視聴者にはホッとしてもらいたいのでは。笑いのとれるトークができる北山、重岡、天然系で癒し要素もある増田と岸、そしてみんなをまとめるイノッチお兄さんというのは、逆にバランスがいいのかもしれません。今年は実際に会場で会うこともできませんし、テレビ越しに癒しや笑いを届けることのできるメンバーだと思います」(前出・芸能記者)
コロナ禍での開催を決定し、例年とはだいぶ違ったカタチでの放送となる24時間テレビ。未知数の部分だらけではあるが、「この5人でよかった」と感じられるフィナーレを迎えてほしい。
〈取材・文/渋谷恭太郎〉