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 マイナンバーカードの所有者を対象に、自分で選択・登録したキャッシュレス決済方法で買い物、もしくはチャージした金額の25%、最大5000円分のポイントを付与する「マイナポイント」事業。

 いよいよ9月1日からポイント還元(来年3月31日まで)が始まる。

大人から子どもまで、マイナンバーカードを取得できる人すべてが対象ですから、4人家族なら、最大2万円相当が還元。マイナンバーカードの情報がキャッシュレス決済の事業者に流出するのでは? と心配している人がいるかもしれませんが、事業の仕組みを見ると、その心配はほとんどないと考えます。家族みんなで還元を受けないとソンですね」

 そう話すのは、ファイナンシャルプランナーの風呂内さん。還元を受けるには事前の申し込みが必要だが、7月から予約は始まっているため、早めの行動を促す。

「マイナポイントの予約者数が予算の上限である4000万人に達すると、還元が受けられなくなる可能性もあります。マイナンバーカードが未取得の場合、混雑も予想されるため、手続きには2か月程度が必要な場合も。まだ予約は330万人(8月10日現在)といわれていますが、急いで申請を」

 なるほど! でも申請の手順は? キャッシュレス決済は何を選ぶのが正解? そんなあなたに、マイナポイントで、さらなるおトクをゲットするためのコツを解説します。

まずは予約、決算サービスはそのあと

「まずマイナンバーカードの取得が必須。持っていない人は急いで取得を! さらに、運転免許証のように更新が必須ですから、すでに取得ずみの人でもマイナンバーカードの利用者証明用電子証明書が有効か確認しましょう」

 マイナンバーカードを取得したら、予約・申し込みへ。

「スマホのアプリ、パソコンの予約・申し込みサイト、コンビニやスーパーなどに設置された手続きスポットで行えます。予約→申し込みという行程に分かれていて、予約の行程で、マイナンバーカードを読み取り、マイキーIDを発行。申し込みの行程で、マイナポイントをもらうキャッシュレス決済サービスを選択します。予算上限の4000万人は、予約の段階でカウントするので、決済サービスの選択を迷っている人は、まず予約の行程まで終わらせるのがよいと思います

 では、登録するキャッシュレス決済は何を基準に選べばよりおトクに?

「自分が普段からよく使用しているキャッシュレス決済サービスを選ぶのがいちばんおトク。普段使わない決済サービスを選ぶと、よく利用する店で使えず、還元のために“2万円を使わなきゃ”という事態に陥ることも。また、利用する決済サービスを増やすことで、家計管理も煩雑になってしまいます。これまでキャッシュレス決済を使っていなかった人は、よく利用するお店でどんな決済サービスが使えるかチェックしてから選びましょう

 普段使っている、もしくは普段から利用する店で使える決済方法が必須条件。候補が複数ある場合は、各社のキャンペーンをよく見比べてチェックすべし。

“プラス〇〇円”など、マイナポイント事業を機に利用客獲得を狙ったキャンペーンも少なくないので、逃す手はありません。とはいえ、上乗せの付与条件など細かな設定もあるため、あまり踊らされないこと。その決済サービスが自分の生活圏でどれだけ利用できるかを冷静に見極めることが重要です」

 還元は、買い物利用額かチャージ額に応じて行われるが、チャージで還元を受けたほうがソンしづらいと指摘する。

「チャージタイプは即時還元など、すぐに恩恵を感じられる場合が多く、還元されたポイントをすぐに買い物で使えるのがメリット。逆に、クレジットカードなど後払いの場合は、累積してまとめて還元されることが多いので“これもポイント還元されるハズ……”とムダな買い物を増やさない注意が必要です。いつ、どんなポイントで還元されるかの確認は必須です

おすすめキャッシュレス決済を一挙紹介!

 クレジットカード、QRコード決済、電子マネーなど、マイナポイント対象の決済サービスは100以上。マイナポイントを機に始めたい、本当におトクなキャッシュレス決済サービスの選び方を聞きました!

■風呂内さんイチオシ
 条件・期限つきキャンペーンではなく、恒常的に還元率が高いものを選ぶほうが家計的にメリット大。長い目で見ておトク感を得られます。

◎LINE Pay
チャージ&ペイでQRコード決済の1~3%を還元。紐づけて使う「Visa LINE Payクレジットカード」は単体でも常に3%還元を受けられる(来年4月30日まで)。マイナポイントは、支払いごとに「LINEポイント」として付与。

■主婦におすすめ
“ひと月○○円”と決めて使えるチャージ型は家計管理がしやすい。利用頻度の高いお店をカバーした決済サービスを選びましょう!

◎nanaco
 イトーヨーカドーなどセブン&アイグループなど「nanaco」マークのある店で使えるチャージ型電子マネー。200円に1ポイントが買い物のたびにたまる。マイナポイントはチャージ後、2~3日で付与。

◎WAON
 チャージ型電子マネー。イオン、ダイエー、マルエツなどで利用でき、200円の支払いごとに1ポイントがたまる。マイナポイントの還元は、当月1~末日までのチャージ額を集計し、翌月末ごろに付与。

■ワーママにおすすめ
 通勤で利用する交通系の電子マネーは、タッチで決済できるので支払いもスムーズ。駅周辺だけでなく、使える場所も多いです。

◎Suica
 JRE POINT WEBサイトに登録したSuicaの利用額に応じてポイント付与。「モバイルSuica」なら鉄道利用で2%還元される。マイナポイントの付与には事前にJRE POINT WEBサイトへの会員登録などが必要。

■実はおトク度が高い!
 意外と知られていませんが、使い方次第でポイント還元率がアップ! さらに、チャージして利用できるから、家計管理もしやすいです。

◎Kyash
 誰でもすぐに国内外のVisa加盟店で使えるプリペイドカードが作れるアプリ。利用額に応じて1%還元され、ほかのクレジットカードからチャージすれば、ポイントの2重取りも可能。マイナポイントの付与には事前登録が必要。

◎楽天ペイ
 利用額に応じて1%の「楽天ポイント」がたまるQRコード決済。「楽天カード」からチャージして支払えば還元率アップ。常に1.5%の還元が受けられる。マイナポイントはひと月の利用金額を集計し、翌々月に付与。

+αのキャンペーンがすごい!

◎d払い……最大上乗せ2500円!
 コンビニ、ドラッグストアなどで使えるQRコード決済。マイナポイントの登録で1500円分の「dポイント」(9月30日まで)付与に加え、買い物orチャージをすると金額に応じて5%を還元(上限1000円分)

◎ゆうちょPay
 ゆうちょ銀行が展開するQRコード決済。キャンペーンとして1500円分のポイントを付与。さらに、8月31日までは新規登録者に限りさらに500円分のポイントを上乗せ。マイナポイントの付与は支払い完了の2日後。

◎WAON
 チャージ額の10%(2000円を上限)が上乗せされて付与される。9月1日~来年3月31日までのチャージ額が対象。付与されたWAONポイントの受け取りは、10月下旬(予定)から。

◎メルペイ
 フリマアプリ「メルカリ」やコンビニなどで使えるQRコード決済。キャンペーンではメルカリ内での買い物で5%付与(上限1000円分)に加え、8月31日まではチャージ額の最大10%のポイントを付与(上限1000円分)。

◎PayPay
 コンビニ、スーパー、家電量販店などで使えるQRコード決済。マイナポイントに登録すると抽選で100万円が当たるキャンペーン(8月31日まで)に加え、自治体とコラボして地域ごとの各種還元サービスを展開。

《もっと知りたいQ&A》
1. 家族のマイナポイントをまとめることは可能?
「残念ながら、同一名義の決済サービスに複数人が登録することができないので、夫婦はもちろん、子どものマイナポイントも合算できません。15歳未満の子どもなら、親(法定代理人)名義のキャッシュレス決済サービスで登録できますが、親とは別のキャッシュレス決済サービスで登録が必要です」

2. マイナポイントは、いつもらえるの?
 選択した決済サービスにより異なるが、「基本的にチャージタイプ(前払い)のほうが付与は早いと思います。即時、翌日に付与されるものも。クレジットカードなど後払いの場合は、当月分を翌月まとめてなど、合算して付与されることがほとんどです」。付与されるポイントには、利用できる有効期限がある場合も。

(取材・文/河端直子) 
※情報は公式サイトより(8月10日現在)


【PROFILE】
風呂内亜矢さん ◎1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者。テレビや雑誌でお金の情報を発信するほか、YouTubeでは日記タッチで家計を解説するビデオブログも開始。著書に『ほったらかしでもなぜか貯まる!』(主婦の友社)など。