調査によると「心霊スポットや幽霊が出るといわれる場所に行ったことがある」と答えた人は200人中37人。うち「心霊体験や怖い思いをしたことがある人」は14人だった。(※アイ・リサーチ調べ)
彼らの体験した心霊現象とは……。
全国から届いた心霊体験
「心霊スポットに車で行ったとき、ボリュームを0にしていたのに、車の中から知らない音楽が急に流れ出した。車を発進させたら音楽は消え、ボリュームを上げたら自分が流していた音楽が流れ出した」(33歳・男性)
沖縄県屈指の心霊スポットで肝試しをしたときの話を聞かせてくれたのは大城緑さん(30代・仮名)。
そこは営業当時から奇妙な現象が後を絶たなかったという噂が残るダンスホールの廃墟だ(現在は解体ずみ)。
「真っ暗な建物の2階の窓からぼんやりとした白いものがこちらを見ていました。それが白いワンピースの女性だとわかると一気に恐怖が全身を駆け巡り、鳥肌が立ちました。それは明らかに人ではありませんでした。彼女の存在は警告のようにも感じ、慌てて来た道を戻りました」
その後、白いワンピースを着た女性の霊が出るという噂があることを知ったという。
恐怖体験は心霊スポットに限らず、ふだん過ごす場所にも潜んでいる。
「私が幼稚園児ぐらいの寒い冬にお父さんと車で出かけたんですが、家を出ると道を挟んだところに白いワンピースとつばの広い白い帽子をかぶっている髪の長い女の人がいました。
私は特に何も言わずチャイルドシートに乗ってスーパーへ行って、家へ帰ったんですがその女の人はまだそこに。じっと見ているとまるでそこだけ夏のような感じで、海とか向日葵が見えるような幽霊とは思えないほど夏が似合う爽やかな人でした。風がないのに髪がなびいてました。
お父さんは帰ったらなにかキッチンで準備をして家を出ていきました。当時は何も思わず両親にも言わなかったけど、20代になってお父さんにその話をしたら、お父さんも見えていました。関わるのはよくないと思ったらしくて誰にも話さず、家へ帰ったら盛り塩を家の四隅にすぐ置いたと。それからはその女の人は見てません」(25歳・女性)
「一本道の夜道で音楽を聴きながらランニングしていたら男性とすれ違った。腰から下しか見なかったが服装や歩き方で年配の男性だとわかった。こんな時間に1人で散歩をしている人は珍しい。音楽を聴いていたのもあるが気配や足音に気づかなかったのもあり、不思議に思って振り返ったらそこには誰もいなかった。すれ違って3秒ほどしかたっていない曲がり角もない一本道でたった今すれ違った人が消えた」(25歳・女性)
家の中で怪奇現象に遭遇した人もいた。
「友人宅を夜中に訪ねたとき、2階で寝ている友人を起こすため下から声をかけた。
暗い部屋の窓から顔がのぞき、起きてくれたと思いカギのかかった玄関先で待ったが、カギは開かず、一緒にいた別の友人と不思議に思ったが怖くなり帰宅。後日、その家の友人に訪ねたことを話したが、起きてないし、知らないとのこと……」(58歳・女性)
金縛りから目覚めると落ち武者が…
アンケートでは「金縛りにあった」などの寝ているときの体験が特に目立っていた。
「友人の父親が夜、金縛りにあって目を覚ますと寝室の窓の外に落ち武者がいて迫ってきたという話を聞きました」(17歳・女性)
また、怖いような、でも温かいような話もあった。
「私が小学生のころ、祖父の家のベランダに出たときに、曽祖父が植木を触っているのを見かけました。いつもの光景なので、何も思わず部屋に入ってから、曽祖父がすでに亡くなっていることを思い出し、もう1度ベランダに出たら、もう見えなくなっていました」(44歳・女性)
「いとこ(女性)が亡くなり、その兄が夜、小さな光の玉が、家の中をスーッと通り抜け彼女の部屋へ入って行ったのを見たそうです。
また昨年、主人が亡くなりました。初盆のときに(16日の午前5時30分ごろ)寝ていると左耳に何か言葉が、聞こえました。よく聞き取れませんでしたが、その声にびっくりして、飛び起きました」(61歳・女性)
愛する家族と過ごしたいという気持ちは生者も死者も変わらないのかもしれない。
「何度引っ越ししても『出る』んです……」
これまで数々の恐怖体験をしてきた。学校、職場、旅行先、心霊スポット……とあるのだが、実は体験の多くは自宅で起きている。
最恐スポットは家。それは何度引っ越しても続く。
スタートは子どものころに住んでいた古い日本家屋。ラップ音や誰もいない廊下を歩く足音は日常。深夜、誰もいないリビングで勝手にカセットデッキから音楽が流れる、なんてこともあった。祖父が建てた家なので、事故物件やいわくつき物件ということはないと思うが……。
学生時代に住んでいたマンションでも、もちろん起きた。
ひと晩中、子どもが走るような足音が室内に響いていたことも。最初は下の家の住人か、と思ったが何かおかしい。足音はトントントントン……と同じリズムを刻み、間を置いて再び同じリズム、の繰り返しで明け方まで続いたため、一睡もできなかった。足音はその後もときどき聞こえた。
別のアパートでは友人から指摘されたこともある。
「いつもベランダに干している着物、誰の?」と。もちろん着物は干していない。そこも天井や押し入れの奥からの物音が絶えなかった。
次は何も起こらないように、と期待して引っ越すも先々でやはり奇妙なことが起きる。
極めつきは社会人になってすぐに住んだアパート。あの恐怖の日々は今も忘れられない。
金縛り、夜中にドアの隙間から寝ている私を見つめる黒い影。耳元で女性からボソボソと話しかけられたこと。深夜に窓をノックする音。見える友人は青ざめて帰り、別の友人は具合が悪くなった。
おまけに住民は傷害事件を起こし、何度もパトカーが来た。
その後、近くに放置された古いお墓があったことがわかり、アパートの立っている場所は戦時中に多くの人が亡くなった場所だったことも知った。
これは偶然か一般的なのか。
現在は幸い金縛りも起きず、黒い影が現れることはない。比較的、安心して暮らしている。
ときどき天井から聞こえる足音を除けば。私の家は最上階だ。
安心して住める家ってあるんですかね?