『週刊女性』のスクープ以来、今やネットニュースで話題騒然! 石田純一のモテ男(モテダン)ぶり。昭和生まれの石田おじさんが、平成生まれのオネーチャンをお持ち帰りしたというから、世の“非モテ男”たちは、地団駄を踏んでいることでしょう。
しかし、週刊女性取材班が石田純一に直撃したときのファッションが、これまたスゴかった! まさに、「ザ・石田純一スタイル!! 」。 なぜ石田おじさんばかりがモテるのか。ファッションコーディネーターで自身もモデルとして活躍する中村康介さんに、石田純一のファッションを解説していただきながら、モテと非モテに分かれるおじさんファッションとはなにかを解説していただきました。
「石田純一」というスタイルがある
緊急事態宣言下でのゴルフや会食などで、何かと世間を賑わせている石田純一さん。是非を問われる報道が多いですが、現在66歳という年齢にも関わらず浮名を流せる点は、男として羨ましくもあります。
世の中には、女性から「圏外」とジャッジされてしまうおじさんと、石田純一さんのように「アリ」と思わせるおじさんがいます。そこには、どんな境界線があるのでしょう? 今回は特にファッションの面から考察してみました。
「モテる」という言葉と「イケメン」という言葉は同義語のように扱われています。実際、顔がいいほうがモテるし、オシャレなほうがモテます。「アリ」おじさんも、もちろんオシャレです。
石田純一さんの場合、上半身は、トレードマークでもあるシャツの上にカーディガンという、いわば「プロデューサー巻き」。下半身を見てみると、おじさんには、なかなかハードルが高い短パンをドライビングシューズと合わせて上手に着こなしています。短パンから伸びる足は、すね毛の処理をしているのか、女性が敬遠するモジャモジャのスネではなく、非常に清潔感があります。そして、素足に靴。
全体的に品よくまとまっているだけでなく、徹底した自分流があります。
今や、「プロデューサー巻き」や「素足に革靴」は、「石田純一スタイル」とも呼ばれており、昭和、平成、令和と時代が移りゆく中でもこのスタイルを一切、崩さずに貫いてきた点は、神々しささえ感じます。
流行を追いかけるのではなく、流行が自分の所ところまで来るのをどっしりと待つ。男として尊敬しますね。
「アリ」おじさんのオシャレには隙がある
全体的に品よくまとまっている石田純一さんのファッションではありますが、よく見ると、ジャケットの形が崩れやすいショルダーバッグを無造作に掛けたり、ほかのアイテムとの色味を無視して羽織ったジャケットの袖の片方だけまくるなど、雑なファッションである点も見て取れます。
しかし、これが「アリ」おじさんのよさではないでしょうか。
そもそも人間は、完成されたものに対して憧れや畏敬(いけい)の念は抱いても、自分ごととして「好き」という気持ちをリアルに抱くことは難しいのです。心理学的にも、人間は自分や他人を勝手に10段階程度にレベル分けしていて、そのレベルに近い人にしか、リアルな意味での好意を抱かない傾向があるそうです。
アイドルや俳優に憧れを抱く気持ちはあっても、実際にお付き合いする人はもっと身近で、自分と同じ価値観や境遇の方だったりしますよね。それはなぜか。隣りに憧れのアイドルや俳優が座っていたら、興奮して、全然リラックスできないからです。リラックスしている状態でないと、防衛本能が働いて、安心して「好き」になることが出来ません。
石田純一さんを代表とする「アリ」おじさんは、ファッションの中にどこか雑な部分や惜しい部分、つまり「隙」を作ることで、女性の母性本能をくすぐるのではないでしょうか。
フォーマルでもカジュアルでも関係なく、お気に入りのショルダーバッグなら構わず合わせちゃうおじさんってどこかカワイイ。着こなしに一分の隙もない100点満点のおじさんだったら、素敵ではあるけれど、自分にも完璧を求められるのではないかと、どこか緊張感があります。結果的には、「アリ寄りのナシ」になってしまうのかもしれません。
ファッションには人柄が現れる
今回の石田純一さんをはじめとする「アリ」おじさんは、いい感じに肩の力が抜けています。過去にはベストジーニストにも選ばれた、さまぁ〜ずのおふたりは、Tシャツやアロハシャツにサラッとデニムを合わせるのが上手ですし、ダウンタウンの浜田雅功さんもデニムジャケットに短パンなど、やはり力の抜き加減を知っている。
ファッションには、人柄が現れるといいます。こういったおじさんだからこその余裕が、女性と接するときの言動にも出ていて、聞き上手だったり、遊び心に溢れていたりするのでしょう。そして、それこそが女性から「アリ」かも……と思われる所以なのかもしれません。
ただ、石田純一さんの場合、時に「隙」を作りすぎて、脇が甘くなることもしばしば。その脇の甘さが、今、芸能ニュースを騒がせている女性のお持ち帰り疑惑にも繋がっているのではないでしょうか? ファッションも私生活も、隙だらけのおじさんは、もはや「かわいい」を通り越して、「だらしない」になりかねません。石田純一さんは、隙を作りながらも脇を固める。その絶妙なバランス感覚を身につけてこそ、素敵な最強の「アリ」おじさんになれる気がするのです。
中村康介(なかむらこうすけ)◎トータルファッションコーディネーター/人材クリエイター 株式会社アクエリアス代表取締役社長、株式会社日本仲人連盟顧問、株式会社パートナーエージェントPA