今年6月から、新型コロナのPCR検査に唾液が用いられるようになった。「唾液は99%が水分、残り1%に抗菌、免疫、消化に関わる成分が含まれていて、とっても重要」。そんな記事を担当したこともある。唾液の大事さとか、わりとわかっていたつもりだったのに、えっ、がん検査にまで使えるの? 優秀~!
98歳で大往生した祖母は愛煙家だったが大きな病気もしなかった。ふたこと目には「私、おばあちゃん似で丈夫だし」と言って喫煙はもちろん、大量飲酒、昼夜逆転、不規則な食生活、運動不足(このへんおばあちゃん無関係)……と日々、不摂生の限りを尽くしてきたアラフィフ記者・山P。祖母との別れを機に「さすがに(いい年だし)そろそろ、ちゃんと健康について考えねば」という思いに至り、唾液でのがん検査に踏み切ったのだった。
約15分の検査でがんのリスクがわかる!
全国に何か所もあるという提携クリニックのひとつで受けたのは、『サリバチェッカー』という検査。微量の唾液を採取して、郵送される結果を待つだけ、という超お手軽スタイルだ。ただし、採取前にはいくつかのお約束が。
・豆類、納豆や豆腐などの豆を主原料とした料理、ナッツ類、シジミ、またそれらを原料としたサプリや健康食品を2日前からとらない。
・前日は21時以降、水以外の飲食禁止。
・当日は朝食、ガムやあめ、うがい薬もダメ。歯みがきは1時間前までに。以上。
「え、そんなもんでいいの? よゆーじゃん!」と思ったが、飲んべえの私には意外と枝豆・納豆・ナッツNGってキツかった、うん。前日のお酒抜きも。話を戻そう。とにかく事前準備はそれだけ。当日は、それでも初体験だからとドキドキしつつ、近所のクリニックへ向かった。
健診中心のクリニックだったので、周りの人たちが検査着に着替えるなか、ひとりふだん着のまま処置室に通される。カーテンを閉められた部屋に運ばれてきたのは……謎のキット。唾液の鮮度を保つためか、冷え冷えだ。ストロー状の筒をくわえ、唾液が下にたまるのを待つ。唾液、出てる感ないから焦るね。これイケてるのかしら。なんか白濁してたり、泡立ってたりしたら恥ずかしいな。そんな初めての感情も芽生えはじめたころ、看護師がチェックに登場。「ばっちりですよ」と優しく微笑まれる。なんと病院滞在時間は15分ほど。あっけなく検査は終了したのだ。
結果が郵送されるのに2週間ほどかかるという。その間は、なんとなくだが(やや)酒量を減らし、(気持ち)いつもより多めに歩いて、しおらしく暮らした。
さて、写真ページのマンガにも書いたように、結果はオールA(低リスク)。5つのがん(口腔がん、肺がん、大腸がん、乳がん、膵がん)に「現状は」かかっている可能性が低いですよ、という意味だ。ものすごくホッとすると同時に“あれ? これでD判定(かかってる可能性大、という意味合い)出たらブルーすぎて全国誌でオープンにできたかしら?”なんていう感想も。いろんな意味でよかった。お父さんお母さん、丈夫な身体をありがとう! おばあちゃんも!
とはいえ、このリスク判定は現状のもの。将来にわたってリスクが低い、といっているわけではない。遺伝子的素因や体質をはかるものではないからだ。そうはいっても「とりあえず今は健康ですよ、よかったね」と言われたようで安心する。費用は1回、3万3千円(税込み)(※)だけど、怖くない。病院嫌いでも大丈夫(いる時間短いから)。もうちょっとだけ安かったら、両親にプレゼントしたい検査だな……と思いましたとさ。
※検査価格は医療機関により異なります