「ゆきちゃんは、まじめで頑張り屋さん。小さいころから仲よくしてくれて、優しいお姉ちゃんという感じ。子どものことも可愛がっていたし、ずっと気にかけていた。とても、そういうことをするとは思えない」
そうかばうママ友だが、逮捕された容疑は尋常なものではなかった。
容疑者と内縁の夫が長男に虐待
東京・葛飾区の風俗店従業員・沖間友紀(おきまゆき・26)容疑者は、今年1月15日から16日にかけて、自宅アパートで長男(当時3)の顔面を殴打。
長男は、右目付近に全治1週間の頭蓋(ずがい)内損傷を負い、意識不明の重体となったが、現在は回復して児童福祉施設に保護されているという。
さらに、1月24日には太もも付近を殴打し、打撲でやはり全治1週間を負わせたというものだった。この2件の傷害の疑いで8月5日に逮捕された沖間容疑者は、
「言うことをきかないときは叩いていた」
と日常的な虐待を認めている。
この長男の父親で当時、沖間容疑者の内縁の夫だった神奈川県横浜市の向山純貴(むこうやまじゅんき・26)容疑者も昨年3月下旬ごろ、長男の耳を引っ張るなどの暴行をしたとして、8月14日に傷害の容疑で逮捕された。
「ケガをするほど引っ張っていない」
と向山容疑者は、容疑を一部否認している。
沖間容疑者は以前から、「育児に手間がかかる」などと区や保育園に相談。
昨年の2月には、長男の右腕が骨折しているのを保育士が発見して、区に連絡。
沖間容疑者は、「自転車で転んだ」と、みずからの関与を否定していたが、その後、説明が二転三転……。そのような情報が、行政で共有されているなかでの事件だった。
一連の犯行に関して、現場アパートから徒歩10分ほどのところに住む父親は、
「弁護士から“マスコミには話してはいけない”と止められているので、何も話せない」
と言うばかり──。
付き合ったり、別れたりを繰り返していた2人
沖間容疑者は、葛飾区の出身で、地元の農業高校を卒業後は、旅行関係の専門学校に進学。英語が得意で、校内スピーチ大会で優勝したこともあった。
その後は箱根で働くなどしていたが、そのころに知り合ったのが、向山容疑者。
2年前からは現在のアパートに、沖間容疑者と2歳になった子どもと暮らし始めたが、その後、向山容疑者も転がり込んできたようだ。
「引っ越してきたころは、確かに2人だったので、シングルマザーかと思った。沖間さんは派遣会社の配膳関係の仕事をしていた。
そのあと、男性が出入りするようになったので、“とうとう男ができたんだな”と思っていた」(同じマンションの住人)
2人の知人は、次のように説明する。
「向山くんは人当たりもよかったが、2人は長年、付き合ったり、別れたりを繰り返していた。
向山くんが少しだらしなかった覚えがあるので、もしかすると赤ちゃんができてしまい、結婚する流れにはなったかと思うが、(沖間さんは)結婚は内心、したくなかったのかと思う。長男は間違いなく2人の子ども」
近隣住人が虐待を疑っていた
そんなゴタゴタで内縁関係のまま、長男の存在がうとましくなったのか、虐待が始まった。
近所の主婦はこう話す。
「去年の秋ごろ、夜に子どもの泣き声が聞こえてきて、そのあと沖間さんが子どもを散歩させている姿を見かけた。
それが泣きじゃくる子どもをあやすようにではなく、無理やり連れ回しているように見えたので、虐待じゃないかと思った。
でも、もしかすると虐待ではないかもしれないので、近所トラブルになると思って、通報はしなかったんですけど」
同じアパートの住人も、
「毎日のように泣き声が響いてきたけど、泣きグセのひどい子かもしれないので、やはり通報すればトラブルにもなりかねないし……」
さらに、沖間容疑者は1年ほど前から、月6万円のアパートの家賃を滞納していた。
「報道で、風俗店で働いていたと知ったけど、配膳関係の仕事がなくなり、お金に困っていたのかも。内縁の夫も無職だったみたいだから、すべてひとりで稼いでいたんでしょうけど」(アパートの住人)
“面倒見のいいお母さん”の一面も
一方で、近隣のダーツバーなどで楽しむ姿が目撃されている。
「明るい性格で、いつも仲間数人で来て、カラオケやダーツに興じていました。SMAPやサザンの曲が多かった。お酒も結構、いける口でしたね。
子どもさんも数回、連れてきたことがある。そのときは面倒見のいいお母さんといった感じでしたけどね。でも、ダンナさんは一度も連れてきたことがなかった」(バーの仲間)
さらに、容疑者のインスタグラムによれば、家賃滞納が始まっていた昨年9月には、世界バレーを観戦。
《大林素子さんデカっ! 栗林恵さんデカっ! 中田監督…足細っ!》
10月の自分の誕生日には、
《めんどくさいだろう私の相手いつもありがとうございます》と報告。
長男を意識不明に追い込む直前の今年1月には、東京ドームシティのヒーローショーに長男と一緒に参加。
《怪獣出てくる度に手をギュッと握ってくるのが可愛かった》
と長男を可愛がる様子もあった。
逮捕前の7月には、ウニ専門店を訪れている。
《やっぱりウニしゃぶおいしかった! からの〆の雑炊は間違いなかった!》
そんなSNSに綴られている日常は育児にプライベートに、充実しているようだったが実態は違っていた……。
ちょうど1年前の愛息の3歳の誕生日には、
《産まれてきてくれたこと 毎日笑っていてくれること それだけでなんでも頑張れる。感謝》
と記していたが、いまとなってみれば、虚(むな)しいきれいごとにしか聞こえない。
逮捕前、すでに施設に預けられている息子の4歳の誕生日を容疑者は、直接祝うことはできたのだろうか……。