元女優の高樹沙耶(57)が沖縄県石垣島で逮捕されてから、4年がたった。容疑は男性4人と同居していた自宅から、大麻数十グラムと焦げ跡のついたパイプや巻き紙が押収されたというもの。彼女は「私の家から発見された大麻は私のものではありません」と主張したものの、半年後、懲役1年、執行猶予3年の判決を受けた。
とはいえ、逮捕の4か月前には参議院選挙に出馬。医療用大麻の解禁を訴えていた。判決を受けた際の会見でも「私は大麻草の法改正をみなさまにお伝えしてから、大麻女優とかいろいろ言われまして、非常に困難な道をこの5、6年のあいだ歩んでまいりました」と、大麻の合法化を支持する自らの活動を正当化するような発言をしていたものだ。
高樹沙耶の「大麻ツイート」
そんな熱意は今も冷めていない。9月1日にはツイッターで、こんな疑問を投げかけた。
《日本人の名前に麻美さんとか麻子さんとか麻生さんとか多いけど大麻が麻薬で恐ろしいものだとしたらなんでこのような名前をつけるのですか? 誰か教えて欲しいな!^_-☆》
これにはリプが殺到し、SNS用語でいうバズり状態に。
「ご両親も『大麻の麻だから、麻美/麻子にしよう!』と思って名付けた訳じゃないと思いますが」
「そのラリった理論で見ると『麻生太郎』やべぇなwww麻で生きていく太郎ちゃんwww」
「世の中の原田さんや中原さんやらに『原子力は危険なのにどうして原ってつけたんですか?』って聞いてきてみたらどうですか」
などなど、さまざまな反響が寄せられた。
すると、彼女は翌々日、
《私のツィートより面白いコメント欄。大麻笑点の大喜利大爆笑 麻婆豆腐食うな!は笑った》
と、つぶやき、大麻が話題になること自体を喜んでいるような対応を見せた。
大麻について語った芸能人
もっとも、大麻合法化を支持する有名人は彼女だけではない。かつて、俳優の窪塚洋介は著書のなかでこんな予言をした。
《『大麻』という植物がある。あらゆる意味で万能なこの草は、21世紀、人間にとって、そして地球にとって奇跡の草となる》
自宅のあるマンションの9階から転落して、奇跡的に一命をとりとめた事故はこの翌年のことだ。
また『スッキリ!』(日本テレビ系)のコメンテーターとして活躍するモーリー・ロバートソンは、今年1月、こんなツイートをした。
《大麻、合法化しても何の問題もないっすよ。一度しかない人生、楽しいことしなきゃ始まらない。みんな、アメリカに行って大麻を試してみてください。考え方変わるから。Rules are made to be broken.》
最後の英文は「ルールは破られるために作られている」という意味だろうか。実際、米国では娯楽用大麻の使用が許可されている州もある。酒やタバコより安全だとする説もあり、これは大麻合法化支持者のよりどころのひとつだ。
とはいえ、日本では違法であり、破れば罰せられることはいうまでもない。また、芸能界への影響も大きい。高樹の場合、女優業は引退しているとはいえ、逮捕されたときには『相棒』(テレビ朝日系)の再放送が差し替えられたりした。『相棒』は昼間の再放送でも数字がとれるキラーコンテンツだから、テレビ局やファンにとって、彼女にこれ以上の不祥事を起こされては困るのだ。
なお、筆者の友人でドラッグ文化に精通していた故・青山正明は著書『危ない薬』のなかで大麻(マリファナ)の特殊性に言及している。「麻薬の語源は麻酔」で「麻酔として麻が利用された」のは事実だが、日本では麻がそれ以前から栽培され、
つまり、名前に「麻」という字がよく使われるのも、昔から身近で役に立つ植物だったからだ。当然「大麻」からの連想ではない。連想してしまうのは、彼女のような大麻合法化支持者くらいだろう。
ところで彼女、ツイッターでは高樹沙耶だが、フェイスブックでは本名の益戸育江で発信している。ややこしいので、ここはひとつ「麻」のついた名前に変えて統一してみてはどうか。そんなに大麻が素晴らしいものなら、名前にも入れてアピールすればより効果的だと思うのだけど──。