「娘が大好きすぎて、娘と同じ大学の同級生になっちゃいました!」ドラマ『親バカ青春白書』(日本テレビ系)でパパ役を演じたムロツヨシ。そんなコメディーをも凌駕しちゃう「リアル親バカ」な芸能人がわんさかいた。その行きすぎた愛情表現……はたして、アウト?セーフ?
東MAX、娘を「うた様」と崇める
純真無垢な愛娘が大学に通うことを心配するあまり、娘と同じ大学の同級生として入学する父親。ドラマ『親バカ青春白書』(日本テレビ系)は、そんな極端な親バカを描いた物語。ところが、芸能界を見渡してみると、負けず劣らずな「親バカ」が至るところに……。
●「グラビアもいける!」ブログが娘の写真集に……
東MAXことタレントの東貴博(50)は、妻でタレントの安めぐみ(38)との間に、2015年、第1子となる長女・詩歌ちゃんが誕生。とある記者会見でも、東は「どの子よりも可愛い」と堂々宣言していた。
「親バカで自分だけ可愛いのかなと思ったけど、誰から見ても可愛いみたい。すれ違う人がすげー可愛いなって。1人や2人じゃないんだから」
とデレデレ。
「“芸能界入りもあるのでは?”という記者の質問にも“七光は十二分にある。写真を撮ると、グラビアいけるんじゃないかってぐらいセクシーなんですよ!”とノリノリで、まるでマネージャーのような口ぶりでしたよ」(スポーツ紙記者)
東のブログでは、娘を「うた様」と崇めたて、何とも甘い日々が多くの写真とともにたびたび綴られている。
《昨日は久々にイベントに参加。浴衣を着たうた様と手を繋いで会場へ、幼稚園の夕涼み会だけどね》
自宅のテラスにプールを設置した際は、娘が腰から下に青い布を巻いて浸かった姿を見て「まるで人魚!」と絶賛する親バカぶり。
親バカは、親子の絆を強める
東の父である故・東八郎さんの命日のブログには、妻と娘とのこんなやりとりも。
《今日は父八郎の三十三回忌。安さまに「お墓参りに行ってくる」と伝えると、「おめでとう!」「いやいや命日だから……」「いくつになったの?」「だから誕生日じゃないって」
うた様に、お墓参りに行ってくると伝えて、スマホの動画ボタンを押すと、
「八郎じぃじ! いつもありがとう! パパが行くからね 今度行く時は、うたちゃんも行くからね バイバイ!」だって。……天才!! 急にこんなことが言えるなんて……安さまとは大違い》
ここまで開けっ広げな娘自慢は度が過ぎるのでは?
ところが、「Allabout」子育てガイドで家庭教育専門家の田宮由美さんは「親バカは大賛成」と話す。
「親バカはマイナスなイメージがありますが、親子の絆を強め、子どもの能力や心の発育によい影響を与えるんです。ただ、方向性を間違うと、子どもをダメにする親バカになるので注意は必要ですね」
田宮さんによると、「ダメな親バカ」は、他人に迷惑をかけるケースだ。
「わが子が運動会で1位にならなかったから、“もう1度やり直してほしい”と言いだしたり、わが子の写真を撮るために競技中に強引に入り込んだり……。あと、コンビニなどで店内を子どもが走り回って人にぶつかっても、子どものほうに“痛かったでしょ。大丈夫?”なんて言っちゃう親。修学旅行や遠足についていく親もいる。これは健やかな成長を阻む親バカです」
東のように、娘を「~様」と呼ぶのは大丈夫なのか。
「子どもが幼い時期にSNSに書き込むなら、さほど問題はないです。大きくなった子ども本人をそう呼ぶと、自分は特別で偉いんだ、と勘違いすることもあるので、注意すべきですね」(田宮さん)
●親バカからジジバカへ! 『アマゾン』以上の便利屋
溺愛といえば有名なのは、なんといっても俳優の高橋英樹(76)と高橋真麻(38)。
真麻はフジテレビを退職後、'18年に一般男性と結婚、今年5月には第1子を出産。さすがに英樹の親バカも年貢の納め時かと思いきや……。
真麻は、ブログでこんなエピソードを披露していた。
《「リベラのステーキがテイクアウト出来たらなぁ〜」とポロッと呟いたら、英樹じいじが叶えてくれました(笑)。40年のおつきあいだからと今回特別に》
リベラとは知る人ぞ知る高級ステーキ店だ。
また、英樹がアマゾンプライムより早く買い物をして届けてくれる「ヒデキプライム」として役立っていることも明かしている。
関根勤、週9くらい孫と一緒に
タレントの関根麻里(35)と父・関根勤(67)も有名な仲よし親子だ。'14年に歌手のKと結婚し、'15年に女児を出産。孫にデレデレなのが祖父である関根勤。
'17年、『PON!』にゲスト出演したKは、
「お義父さんは、普通で週7、多いときは1日に2回来て週9くらいになり孫と一緒にゴジラを見て、そうめんを食べて昼寝をして帰ります」と告白した。
関根勤も、麻里と親子でイベントに出席した際に、「孫との触れ合いはデジャブなんです。30年前、麻里を育てた感覚が戻ってきた。タイムスリップしたみたい。本当に楽しい」と話す。
幼い麻里を笑わせた鉄板ネタ「裸エプロン」を孫にも披露し笑わせているとか。
「孫を可愛がるのはいいこと。ただし、孫は自分の子どもではないから一定の距離を保つことは必要。最初に親(子ども)はどう思っているか確認すべきですね。迷惑がっているなら、控えるべきです」(田宮さん)
孫にデレデレな父親の姿は想定内。仲よし親子は問題なし! だといいけど……。
●100万円の品もポンポン贈る! もっとも危ないお金
レポーターの阿部祐二(62)の親バカぶりもすごい。ミス・ユニバース世界大会「民族衣装部門」で最優秀賞を受賞した阿部桃子(25)はモデルとして活躍する自慢の娘だ。
「ゴルフを始めた桃子さんに100万円のゴルフセットを買い与え、会員権を含めて総額1000万円投じたほど。運転免許を取得すると、高級車のベンツを購入し、限度額無制限のブラックカードも与え、ブランド品は買い放題だったとか」(テレビ制作スタッフ)
お気に入りの寿司店、支払いは母のツケ
女優の竹下景子(66)の次男、関口アナム(31)は、現在も両親と同居中で毎月、竹下からお小遣いをもらう。その額は月20万円相当だとか。
「海外旅行に行くと言えば、10万円をポンと渡される。大学の卒業制作に必要な撮影機材100万円相当も買ってもらい、25歳で、100万円以上の高級腕時計をプレゼントされています」(同・テレビ制作スタッフ)
なじみの寿司店の支払いは竹下のツケだというから、何とも大甘な母親なのだ。
田宮さんによると、お金を惜しみなく使ってしまう親バカは、もっともネガティブな事例だという。
「将来、物事をお金で解決するようになることが懸念されます。与える親側の“子どもの喜ぶ顔が見たい”という気持ちはわかります。ですが、日ごろあまり関わってあげられないから、埋め合わせをする意味でお金を使う場合もある。それが子どもの自立を阻むことになるんです。できれば“共有の時間”を与えることも考えて」
●1日に何度も「愛してる」
俳優・草刈正雄(68)の長女でパーソナルトレーナーの紅蘭(31)は、草刈から愛されすぎて困惑していたことを某番組で告白していた。
草刈は1日に何度も「愛してる」と言い、部屋にもノックなしで入ってきては頭をぐしゃぐしゃにして、「お前は可愛いなあ」と褒めちぎっていたという。
過度の愛情を受けた紅蘭は「男性と会話もできない」とその束縛ぶりを嘆いた。
「高校生のとき、彼氏を自宅に連れて行くと、草刈さんはショックで家を飛び出し、路上で号泣していたそうです。宅配便の男性と会話しただけで、“お前、あの男とデキてるんじゃないだろうな”と詰問するほど嫉妬心が強かったとか」(テレビ誌ライター)
いきすぎると“共依存”に陥る
タレントの渡辺美奈代(50)の長男でミュージシャンの矢島愛弥(23)も、渡辺の親バカを超えたストーカー行為を明かしている。
矢島が「出かけてくる」と告げた途端、「何時に帰ってくる?」「どこに行くの?」「誰と会うの?」と矢継ぎ早に質問攻めに。
「居場所特定アプリで息子の行き先を追跡し、友人宅の前に車を止めて張り込みもするらしいですよ」(同・テレビ誌ライター)
これらは婚期を遅らせる典型的なケースだと田宮さん。
「行きすぎると“共依存”という悪い状況に陥ります。親は子どもが生きがいになり、その中でしか自分の価値を見いだせない。子どももしんどいと思いながらも“自分がいなきゃ親がかわいそう”と自分を犠牲にすることで自分の価値を見いだすようになる」
これまたよかれと思ったことが裏目に出て悲しい結末を迎えることになる。
「そうなってしまったら子どもは不幸です。だから私は、乳幼児のころは、スキンシップをとって十分に見守る親バカ、小学生になったら行動を見守る親バカ、思春期は心を見守る親バカになろう、と話します。愛情が空回りしないよう、ときに振り返りも大切ですね」
「愛」があればすべて許されるわけではない。「親バカ」はともすれば、子どもの人生を豊かにも不幸にもしてしまうのだ。親バカのみなさん、ここで1度、自分の愛情表現はアウトか、セーフか、見直してみては?