草なぎ剛と水川あさみ 撮影/廣瀬靖士 

草なぎ「会うのはこの映画の撮影以来だから、まだ1年たってないくらい?」

水川「そうですね。現場では役の関係性もありましたし、あまり話せなかったんですよね」

草なぎ「それにしても、今回のあさみちゃんは本当に体当たりで演じていて、女優としての壁をぶち破ったよね。みなさん、うちのあさみやりましたよ!」

水川「なんですか、うちのって(笑)」

バッグの持ち方のヒントは
水川から?

 のっけから息の合った掛け合いを繰り広げる2人が共演したのは映画『ミッドナイトスワン』。

草なぎ剛と水川あさみ 撮影/廣瀬靖士 

 草なぎ演じるトランスジェンダーの凪沙と、水川演じる母・早織からネグレクトを受けながらも、バレエダンサーを夢見ていた少女の一果(服部樹咲)。そんな凪沙と一果が出会い、さまざまな葛藤を抱えながらも暮らしていく姿を描く切ない擬似親子のラブストーリーだ。

草なぎあさみちゃんにはすごい覚悟があったよね。一果を殴るシーンでも遠慮がないというか

水川「役としては遠慮しちゃだめなんですけど、無意識に出ちゃうときがあるみたいで、それが監督に伝わるときもあったんです。何回も叩いて痛い思いをさせるのが嫌なので、そこは思いっきりやりました。剛さんはもうすごいとしか言えない。悲壮感の中にすごく色気を感じましたしバッグの持ち方ひとつにしてもすごくきれいに持っていて。あれ意識したんですか?

草なぎ「うん、今までの水川あさみをイメージして

水川「私、あんなふうにバッグ持ったことないもん(笑)」

草なぎ「(笑)。でも気をつけたのは、感覚的に一果に対しての愛情だったり、そういうものが深く伝わればと思ったので、あまり考えず、その場の空気を感じてお芝居できたらと思って演じていましたね」

草なぎと出会って変わった
カレーの作り方

 2人は8年前、ドラマ『37歳で医者になった僕〜研修医純情物語』で初共演。

草なぎ「あのドラマでは、この映画でも共演させていただいた真飛聖さんもいたし、斎藤工くんとか、すごくいいチームだったし仲がよかったよね」

水川剛さんが現場に調味料とか持ってきてくれて、キャスト全員分の料理を作ってくれて、みんなで食べたり」

草なぎ楽屋に誰も帰らなかったから。僕も自分で作って“うめー!”って思いながら食べてた(笑)

水川「そのとき私は料理を始めたばっかりで、剛さんにいろいろ教えていただいて。そういえばカレーの話、覚えてます?

草なぎ「カレー作ってくれたんだっけ?」

水川「違いますよ。私がカレーにニンニクとショウガを入れずに作ったって話たら、剛さんに“信じられない! ショウガとニンニクを入れないカレーなんてあるの”ってすごく笑われて。それ以来、マストで入れるようになりました」

草なぎ「アハハ!」
 
 実は、このドラマの前にも2人はある場所で出会っていた。

草なぎ「思い起こせば、あさみちゃんとは長いんだよね。映画の『西遊記』('07年)にあさみちゃんが出てたとき、試写会のあと(香取)慎吾とかみんなで中華料理かなにか食べに行ったでしょ

水川「……行きました! なんで知ってるんですか?」

草なぎ「僕もいたのよ。なぜか一緒に行くことになって」

水川「あっ、いました! そう、この前その写真が出てきたんです。そのときはまだ20代で、いまは37歳になりました」

草なぎ「『37歳で医者〜』のときにちょうど僕が37歳で初共演して、あさみちゃんが37歳になり、またこうやって共演できて。節目節目に会う人って縁があると思うし、頑張ってほしいと思う

水川また節目のときに何か一緒にできたらいいですよね!

草なぎ剛と水川あさみ 撮影/廣瀬靖士 

私のおうち時間

水川
私はトレーニングですね。トレーナーさんに教えていただきながらオンライントレーニングを。あとはやせるといわれているハンドクラップダンスの動画を見ながらやっていました。剛さんは?」
草なぎ僕は料理をしたり、(愛犬の)クルミが自粛期間中に子どもを産んだのでずっと面倒見ていました
水川「もうたまらないですね、可愛くて」
草なぎ「僕、基本的に寝るのがいちばん好きなんです。寝ないとすべてに対してイライラしてしまって(笑)。でも、生まれて10日間くらい寝られなかったのに、必死だったから全然大丈夫だった。いろんな意味で自信をつけさせてもらいました

映画『ミッドナイトスワン』 (C)2020MidnightSwanFilmPartners

映画『ミッドナイトスワン』
TOHOシネマズ日比谷ほかにて公開中

ヘアメイク/荒川英亮(草なぎ)、岡野瑞恵(水川) 
スタイリスト/細見佳代(草なぎ)、岡部美穂(水川)
衣装協力/Azuma(Sakas PR)(草なぎ)