浜辺美波(20)と横浜流星(24)がW主演を務めるドラマ『私たちはどうかしている』(日本テレビ系)が、9月30日に最終回を迎える。
同作は、安藤なつみ氏の同名漫画が原作で、和菓子職人・花岡七桜(浜辺美波)と老舗和菓子店・光月庵の跡取り息子・高月椿(横浜流星)が、15年前に起きた先代の殺人事件をめぐり、運命に翻弄されながらも惹かれ合う物語だ。
ドロドロの昼メロ展開、裏表のある人物たちは、何かとどうかしているのが本作の特徴だろう。
そんな『私たちはどうかしている』(以下「わたどう」)、SNSではある盛り上がりがあった。それは、毎回ラスト10分の中で繰り広げられる怒涛の衝撃的展開だ。
ラスト10分の展開がSNSで盛り上がる
【第1話】では、家同士が決めた椿と栞(岸井ゆきの)の神前式。光月庵に出向いた七桜が侮蔑的メッセージを添えた和菓子を贈ると、椿は「ふっ、あんた、やっぱり面白いな」と笑い、みんなの前で七桜と結婚すると宣言し、唐突にキスをする。
【第2話】光月庵の大旦那(佐野史郎)が急に怒り出し、茶碗を投げる。『ずっとあなたが好きだった』(TBS系)での冬彦さんの狂気を思い出してしまうような展開に驚くのもつかの間、その数分後には、椿と七桜の甘いベッドシーンで終わる。
【第3話】ドラマ開始15分後、物置に閉じ込められた七桜の元へ椿がやって来る。倒れたフリをした七桜は、いきなり椿にキス。とっさに逃げ去る七桜の頭上に壺が落下し、かばった椿は右手にケガをする。実は、壺を落としたのは椿の母・今日子(観月ありさ)の手先である光月庵・従業員の城島(高杉真宙)だったことがラスト10分で発覚。それまでいい人だと思っていた城島がうす暗い中、指をペロッと舐めるシーンは高杉の怪演とも言える。ちなみに、伝家の宝刀「頭ポンポン」を七桜にする椿もしっかりラスト10分の中に収まっている。
と第3話までのラスト10分を見ても、ドラマや映画に引っ張りだこの横浜と浜辺の甘いシーンに、SNSでは「横浜流星と浜辺美波のベッドシーン無料で見ていいんですか??」「はだけた横浜流星かっこよすぎ」などファンからの好反応が見受けられた。
その後も、【第4話】では七桜の顔を両手で包んで引っ張り、「だから、あんまスキ見せんなよ」と釘を指す椿。【第5話】では椿のバックハグ、からの2人の熱い抱擁。ラスト10分には確実に2人のイチャつきがあり、1話〜5話までその都度、SNSを沸かせていた。
しかしながら、そんなラスト10分のイチャつきも【第6話】からは意外な展開を見せる。
いきなり怒涛の展開に
物語の核心に迫っていくにつれ、これまで登場人物たちが隠していた面が露見しはじめ、脚本家が変わったのかと思うほどに、終始、怒涛のシリアスな展開になっていく。これまでの2人のイチャつきもほぼ皆無となったのだ。
さらに、ここにきて観月ありさ演じる今日子の“悪役っぷり”がより際立ち、また違う楽しみ方をみせてくれる。
観月というと、これまで正義感の強い役や『ナースのお仕事』(フジテレビ系)のような元気で前向きな役が多い印象を受ける。そんな彼女は、この役を演じるにあたってこう話していた。
「ノリノリでやってます。やりすぎか? ってくらい(笑)。大旦那役の佐野史郎さんと私とで、いかにクセのある感じを出せるか張り合ってますから。とにかく濃くて、暑苦しい(笑)」(『週刊女性』2020年9月29日・10月6日号)
そんな観月の悪役や、佐野史郎の濃い演技は最終回まで見逃せないといったところ。
一方で、【第七話】では、裸で迫る栞に対し、椿が冷たい表情で首を絞めるシーンでは横浜の出演していた『あなたの番です』(日本テレビ系)でのクールな彼を彷彿とさせた。
また、『賭ケグルイ』(TBS系)でも共演した浜辺美波&高杉真宙がお菓子で盛り上がるシーンなど、過去の代表作を思い起こすような場面もあり、ファン心を刺激してくれる。
あま〜いセリフやベッドシーンでみせる横浜&浜辺のイチャつきと、佐野や観月の狂気あふれる演技。いったいどこを軸に見ていけばいいのかと戸惑うこともあるが、それこそが本作の最大の見どころと考える視聴者もいる。
このアンバランスさが醸し出す『わたどう』の面白さがどう着地するのか、最終回のラスト10分にはより一層注目したい。