「今年に入ってから一部で松嶋菜々子さんの“休業説”が流れていましたが、間違いとも言い切れないですね。今後は日本とイギリスを行き来する生活を軸にして、スケジュールを調整しながら仕事をこなしていくのでしょう」(ワイドショーディレクター)
10月8日発売の『女性セブン』で《命懸けの「ロンドン留学」一部始終》なる、松嶋菜々子の記事が掲載された。3月に有名私立中学校を卒業したばかりの長女が、ロンドンの学校に留学するために8月下旬に渡英したというのだ。
その際に、松嶋は愛娘に付き添って海を渡り、現地で新生活の準備を整えて帰国。新型コロナ拡大防止のために帰国時にPCR検査を受け、14日間の自宅隔離をもいとわない、まさに《命懸け》で送り出した格好だ。
「夫婦には中学生になったばかりの次女もいますから、母親が移住するわけにはいきません。それでも、長女の海外生活を優先事項としているようです。それもそのはず、娘たちの幼少時より計画していた念願の留学を実現させたんですから」(前出・ワイドショーディレクター)
そう、松嶋の“教育ママ”ぶりは『週刊女性』でも報じてきた。さかのぼること12年前、都内のインターナショナルスクール『K』に通う彼女の姿があった。次女を妊娠中の松嶋が、まだ幼い長女の手を引いて毎日の送迎をしていたのだった。
慶應で特別講師を受け持つ
「ちょうどこの頃に、慶應義塾大学で講義をしていた秋元康さんが、特別ゲストとして松嶋さんを呼んで学生を前にトークすることがありました。何で、松嶋さん? と思ったのですが、後に“慶應のお受験を考えている”なんて噂を聞いたので、なるほど、下見に来たのかな、と思ったものです」(学校関係者)
そして2012年に昭和の名優・二谷英明さんが他界した時、通夜には夫婦で参列する松嶋の姿があった。二谷さんの妻で女優の白川由美さん(2016年に他界)が、所属事務所の大先輩という間柄だったからだ。
「娘の二谷友里恵さんとも親友とも言える関係で、しかも友里恵さんは『家庭教師のトライ』などのトライグループ代表取締役を務める、つまりは教育のスペシャリスト。娘のお受験相談もしていたそうですよ。そして、授業料が年間200万円とも言われる、“慶應への近道”として知られる有名なお受験塾『B』に娘を通わせては、お受験のラストスパートをかけていたのです」(松嶋家を知る芸能関係者)
一層熱心になる松嶋に対して、夫の反町隆史はというと、
「当初は“勉強も大事だけど、それ以上に友だちをたくさん作って伸び伸び育ってほしい”という考えだったそうです。でも、教育に関しては、“今から始めないとダメなの”と主張する奥さんが譲らずに、“言いたいこともあまり言えない”環境にあったとか(笑)。“お受験なんて必要なのかな”と、周囲にグチをこぼすこともあったみたいです」(前出・芸能関係者)
「一般的にお子様のお受験に関して、無関心なお父さんは実際に多いと思います」とは、これまで数千人の親子の相談を受けてきた教育コンサルタントの末木佐知氏。
「“小学校受験なんて”“小学校から私立なんて”と思っているパターンが多く、それは自分が経験者でないからです。高学歴のお父さんがいる家庭はお受験をする割合も増えますが、その選択肢は中学受験からがほとんどです。また多くの場合に当てはまるのが、地方出身であれば高校まで公立出が普通ですから、そもそもお受験に興味を示さないのです」
中学生時代から芸能事務所に在籍し、高校在学中もモデル活動をしていた反町。お世辞にも学業と近い距離にあったとは言い難く、それでも稼いできた自負と、貫いてきたポリシーもあるのだろう。一方の松嶋はというと、
「女子大の付属高校在籍時に『旭化成』のキャンペンガールに選出されて、ファッション誌の専属モデルも務めていました。ご両親は芸能界入りに反対されていたと言いますが、卒業後は本格的に女優業をスタート。ただ、どこかで勉強を続けたい気持ちもあったのでしょう。またドラマで英語を話す役を演じた時は苦戦し、“子どもにはいい教育を施してあげたい”と思うようになったと言います」(前出・芸能関係者)
そんな妻の思いを次第に理解し始めた反町は、自ら塾の送迎などのお受験サポートをかって出るように。一方で、琵琶湖の別荘に定期的に子どもたちを連れ出しては自然を感じられる息抜きの場を設けたりと、彼なりの教育もしてきたようだ。
しかし、末木氏は「お父さんの役目はお手伝いだけではない」と指摘する。
「お父さんに取り組んでいただきたいのは塾の送迎などのお手伝いということも必要ですが、仕組みや基礎知識、費用のことも含めて、お受験のことをもっと知ってほしいのです。多くの家庭で(お受験や教育に関する)情報を運んでくるのはお母さんですが、中には“幼稚園でウワサになっている”ようなものも紛れています。また、学校の詳細を知らなかったり、家庭や環境、お子さんの性格を顧みずに、見栄だけで“慶應に行かせたい”と、間違ったフィルターを通している傾向も見受けられるのです。
そこでお父さんが自分で、しっかり学校のことを調べて研究していれば、客観的に論理的に“この子には違うタイプの学校のほうが合っているかもしれないよ”と、お母さんと同等に教育について相談ができるのです。目先の小学校だけでなく、その上の中学、高校、大学と将来を見据えたシミュレーションしながら調べて選んでほしいですね」
お受験の“結果”はというと──
ところが、ふたを開けてみれば、長女の進学先として選んだのはお嬢様学校として知られる大学付属の名門私立小学校だった。
「松嶋さんも中学高校と女子校に通っていましたし、教育面や治安などを総合的に考えてのことでしょう。実際、夫婦はそれまで住んでいた自宅を手放し、学校からほど近い距離にある高級マンションに引越したりと、子どものライフスタイルを第一にしているようでした」(前出・芸能関係者)
小学校入学後も松嶋の教育への熱意は変わらない。今度は、子どもたちを都内の人気エリアにある英語塾『W』に通わせ始めたのだ。
そんな親子のがんばりもあってか、晴れてロンドン留学の道が開けたわけだ。また、付属高校への進学を選ばなかった理由として、こんな事情も関係していたとも。「こちらは2人合わせて月謝7万円と一般的には少しばかり割高ですが、セレブ塾と比べると格安。生徒たちも一般家庭のお子さんが多く、個人に合わせた英検資格やコミュニケーション教育を提案し、さらに留学準備に特化しているため、子どもの将来を見据えた家庭に人気の知る人ぞ知る塾。ご自身で選ばれたのか、よくぞという感じですね」(教育ジャーナリスト)
「実はその(松嶋らが長女を通わせていた)付属学校は数年前に大学が廃止されて、他大学への受験校に変化してきています。そのまま高校進学させて大学受験のために勉強漬けにするよりも、留学で海外に出させることはある意味、正解とも言えます。今から視野を広げさせるために、ご夫婦でしっかり考えて話し合って出した結論だったのではないでしょうか」(末木氏)
反町隆史が相談した先輩パパ
そう、この頃には松嶋だけでなく、反町もすっかり教育事情に詳しくなっていた。留学先を「イギリス」としたのも、彼が入手した情報なのかもしれない。
「反町さんが頼りにしていたのが『相棒』の水谷豊さん。以前より撮影現場で、またプライベートでもメールで相談をしていたと言います。水谷さんは、ご自身の娘で女優の趣里さんがかつてイギリス留学した事をあげて、“ソリ、子どもは育つんだよ。親は支えてあげればいいんだ”などと、自身の経験を踏まえたアドバイスをしていたそう。そこで反町さんはイギリスの教育にも触れていたのでしょう」(芸能プロ関係者)
とはいえ、長女は中学校を卒業したばかり。家を出て海外暮らしすることに、反町は父として最後まで悩み続けたよう。
「お嬢さんとは“毎日、連絡をする”という約束をして送り出したみたいで、反町さんは心配するのはもちろん、やっぱり寂しいんですよ。まさに『相棒』(season19、テレビ朝日系で10月14日スタート)撮影真っ只中ですが、時折、相手は松嶋さんなのか、“連絡きた?”とスマホを確認してソワソワする姿があるようです(笑)。撮影終了後にはご自身も会いに渡英するのでは?」(前出・芸能プロ関係者)
ちなみに、父親がお受験に触れることは、別の効果を生み出すと末木氏は話す。
「このお受験の機会にお父さんがしっかりと関われば、これは夫婦円満にもつながると思います。教育とは夫婦共通のことであり、会話のきっかけにもなる大事な機会。ただ、それには論理的に話せる知識が必要で、どちらも感情論で話してしまっては怒鳴って終わりですからね」
今では「言いたいことも言える」夫婦関係のようだ。