「町内会では毎月、国立競技場で行われるイベントの一覧表も配布されますが、今月の予定は何も入っていません。周りにも収録日を知っている人はいないので、トップシークレットなのかな」
そう話すのは、国立競技場の近くにある飲食店の店員。“トップシークレット”とは、嵐のライブ『アラフェス2020』のことだ。
チケット価格に不満の声
「当初は5月に行われる予定でしたが、コロナ禍により延期。無観客でのライブを事前収録し、デビュー記念日である11月3日にインターネットで配信することになりました」(レコード会社関係者)
配信ならではのよさがあると語るのは、無観客ライブに詳しいIT会社『THECOO』の西村裕之さん。
「これまでのコンサートだと、毎回のようにファンの間でチケット争奪戦となり、参加できない人が続出していました。今回のようなオンラインライブは、会場の規模に関係なく、誰でも参加できることがメリットと言えるでしょう」
しかし、一部ファンの間ではチケット価格に不満の声も。
「ファンクラブ会員限定の1部と、誰でも視聴できる2部の構成ですが、それぞれのチケット代が4800円で合わせて1万円弱に。オンラインなのに、普段のライブと変わらない料金なのが納得できなくて……」(ファンのひとり)
チケット価格については、ライブ配信を手がける映像制作会社『バルス』の林範和さんが次のように解説する。
「オンラインライブでは、臨場感を補うための演出コストがかさみますし、事前収録となると編集費もかかります。今回のチケット代は“相場より少し高いけれど、それほどの演出なんだろう”と期待を膨らまされる価格なのでは」
『国立』に集まるのはやめよう
林さんによると『アラフェス』の“演出”はすでに始まっているという。
「特設サイトでのメンバーによる動画配信や、ライブのために開設された公式SNSなど、11月3日に向けた過程も楽しめるように工夫されています。ライブ当日だけというより、開催日までのコンテンツでファンのモチベーションを上げて、“嵐とファンの一体感”を作っていますね」
一方、特設サイトでは、コロナ対策や近隣への迷惑を避けるため、“『国立』に集まらないように”と、嵐からもお願いされているのだが……。
「“毎日通えば、会場から漏れる嵐の歌声を聴くことができるかも”と、ファン同士が協力してシフトを組んで、『国立』に通っているという話を聞きました」(前出のファン)
真相を確かめるべく、週刊女性は現場に直行。しかし、ファンらしき人影はなく、聞けたのは冒頭のような話のみ。しばらくすると、舞台装置などを積んだと思われるトラックが計30台、『国立』の中へ入っていった。
「今までは搬入口が開放されることすらありませんでした。“そろそろ嵐のライブ収録があるのかな”って話題になっています」(地元の女子高生)
近日中に収録が行われるのは間違いなさそうだが、いったいファンはどこへ?
「“音漏れ”を目当てに『国立』に行くことはないですよ。大勢のファンが集まり、コロナによるクラスターが発生したら、それこそ“嵐のせいで感染が拡大した”と世間から非難を浴び、彼らに迷惑がかかります。だから、“『国立』に集まるのはやめよう”とファン同士でも呼びかけあっています」(別のファン)
ファンの見事な結束力は、嵐が21年間で築いた賜物だ。