嵐の相葉雅紀(37)がMCを務める日本テレビ系の新番組『I LOVE みんなのどうぶつ園』(土曜19時~)が10月3日よりスタートした。
相葉くんと視聴率
初回2時間スペシャルの平均世帯視聴率は11.5%(すべてビデオリサーチ調べ、関東地区)、個人視聴率は7.0%を記録した。
3月29日、志村けんさん(享年70)が新型コロナウイルスによる肺炎のため急逝。『I LOVE みんなのどうぶつ園』は、志村さんが“園長”こと総合司会を務めた、2004年から続いた人気動物バラエティ番組『天才!志村どうぶつ園』を引き継ぐ形でスタートした。
日本テレビは『志村どうぶつ園』を終了させることについて、「志村さんのアドバイスで設計し、志村さんとの思い出が詰まったスタジオで、志村さんなしに今後も番組を作り続けるのは辛く難しい」と発表していた。
「実は、志村さんがご健在のときから『志村どうぶつ園』は視聴率が低迷し、番組の存続が危ぶまれていたんです。動物番組は他のバラエティ番組に比べて制作費も高い。にもかかわらず数字が伴っておらず、“費用対効果が悪い”と打ち切りも検討されていた。
個人視聴率が導入される前後から、テレビ各局は13~49歳のいわゆる“コア層”の視聴率を重視するようになってきていました。志村さんは誰もが認める偉大なコメディアンですが、コア層への訴求力は、そこまで高くはありませんでした。
ただ、コロナで志村さんが亡くなったこともあり『志村どうぶつ園』にも注目が集まり、4月4日に放送された『特別編』は、歴代最高視聴率の27.3%を記録。そのあとを受け『みんなのどうぶつ園』はスタートしたんです」(制作会社関係者)
10月3日の初回放送では、横浜流星(24)と橋本環奈(21)も出演し、相葉とともに『市原ぞうの国』で動物たちと触れ合う場面のほか、相葉が志村さんの愛犬・殿くんに会いに行く様子も放送された。
志村さんにおんぶにだっこ
「相葉が殿くんに会いに行くシーンは非常に感動的で、涙した人も少なくありませんでした。ただ、日テレの上層部では、『志村どうぶつ園』終了後には“心機一転、新しい番組をやるべき”という声もあったといいます。にもかかわらず、新しくスタートした『みんなのどうぶつ園』でも、いまだに志村さんの件を“こすって”いることに“また?”という声がかなりあります。
志村さんの遺志を大事にしているということには感謝の声もあるが、“まだそこにおんぶにだっこでやっていくのか?”という疑問が出ていると。
たしかに『志村どうぶつ園』でも“お涙ちょうだい”的な内容が少なくありませんでした。ただ、それは昔からある番組作りの手法で、コア層を狙うには古いやり方とも言えるのでしょうね。
レジェンド・志村さんへのリスペクトも込めて、あえて志村さんとの思い出を初回で取り上げたというのはあるでしょう。
しかし、“今後、定期的に志村さんとの思い出を引っ張り出すとすればそれはよくない”という声が日テレ上層部の間では上がっているようです」(前出の制作会社関係者)
放送作家は話す。
日本テレビの「イイ波」を切る?
「日本テレビ土曜夕方といえば、18時からはアニメ『名探偵コナン』、18時30分からは宮川大輔さん(48)の『満点 青空レストラン』、そして『みんなのどうぶつ園』と続きます。大人気アニメ『コナン』と『青空レストラン』、特に後者は絶好調なんですが、実は『みんなのどうぶつ園』の時間になると、コア層の個人視聴率が1ポイント程度も下落してしまうんです。
かたや、宮川さんの30分のグルメ番組、かたや国民的グループ・嵐の相葉さんのゴールデン番組。しかも『みんなのどうぶつ園』は予算規模も大きいゴールデン帯の番組ですから、普通に考えれば数字が上昇しなければおかしい。
にもかかわらず、『青空レストラン』から『みんなのどうぶつ園』になると、コアの数字がガクンと落ちてしまう。『みんなのどうぶつ園』も世帯視聴率は好調と言えるのですが、テレビ各局、そして日テレが重要視するコア層の個人視聴率に限ると、微妙な数字だといいます。『みんなのどうぶつ園』はまだスタートしたばかりですが、このままいけば、いずれ番組存亡の危機を迎えるのでは、ともささやかれています」
今年いっぱいでグループ活動を休止する嵐。10月17日、彼らのレギュラー番組『VS嵐』(フジテレビ系)が、来年1月から相葉が出演する『VS魂』に生まれ変わり継続することが発表されたが、相葉の芸能界におけるポジションは、絶対安泰とは言えなさそうだ……。