「秋から初冬にかけて、気温差が激しい日が続くと、自律神経が乱れて、腸の動きが悪くなり便秘が悪化することがあります」
と腸の専門家、内科医の松生恒夫先生。
キウイが含む食物繊維が善玉菌のエサに
「このような季節性の便秘の場合、私のクリニックでは下剤を処方する前に、キウイフルーツをすすめています。実際に、朝食にほかの食べ物を減らしてキウイを3個食べてもらったところ、通常の便に戻った例がいくつもあります。キウイにオリーブオイルを加えて食べるのがオススメです」(松生先生、以下同)
オリーブオイルは排便をスルリと助ける効果が期待されている。薬に頼らず便秘が改善するのはうれしい。
「キウイは食物繊維が豊富な果物です。海外の研究では、健常者にキウイ2個を1日2回食べてもらったところ、排便の頻度、便のやわらかさが増したという報告があります」
キウイに含まれる食物繊維は、発酵性食物繊維といわれ善玉菌のエサになるという。
「エサが多ければ善玉菌が増え、腸内細菌のバランスが整います。季節の変わり目がきても、腸内細菌のバランスを整えておけば不腸を防ぐことにつながります」
便秘の改善だけでなく、腸内細菌のバランスを整えたい人にもオススメだ。さらに、
「キウイは食物繊維以外にもビタミンCや葉酸など、身体の調子を整える成分が豊富に含まれるフルーツです」
自然の食品なので添加物もなく安心だ。季節性の不腸はもちろん、日々の健康にもキウイを活用しよう!
《そもそも季節性不腸って何?》
「季節の変わり目に起こる腸のトラブルを季節性不腸といいます。10度以上の気温差が出ると、自律神経の交感神経が活発になり腸の動きが悪くなります。気候変動が激しい季節は慢性便秘が悪化したり、健康な人でも便秘になりやすくなります」(松生先生)
《グリーンキウイとゴールドキウイの違いは?》
酸味がありすっきりとしたテイストのグリーンキウイ、酸味を抑え甘みが際立つのがゴールド。グリーンキウイはゴールドに比べて食物繊維の含有量が多く、ゴールドキウイはビタミンCの含有量がグリーンよりも多い。
おすすめレシピをご紹介!
■キウイとオリーブオイルのマリネ
〈作り方〉
グリーンキウイ、オリーブオイル、塩、こしょう、酢、はちみつをあえて完成! お好みでオニオンや生ハム、スモークサーモンを加えるとワインのおつまみに。
〈そのほか こんな食べ方も〉
キウイ+オリーブオイル、酢、塩、こしょうを加えてミキサーにかけ、ドレッシングに。キウイ+オリーブオイルにマヨネーズを加えてディップにしても。
《これもキウイに足すとよい!》
+ヨーグルト……キウイとヨーグルトはテイストの相性抜群。さらに腸を整えるのに相乗効果アリ! キウイの食物繊維は善玉菌のエサになり、ヨーグルトには善玉菌が含まれる。両方一緒に食べることで、より腸内細菌バランスを整え、不腸の改善に役立つ
+シリアル……キウイと同様に発酵性食物繊維という善玉菌のエサになる食物繊維が含まれるシリアルと一緒に食べれば、パワーアップ! 自分が本来もつ善玉菌を増やすことが不腸の改善につながる。アラビノキシランという発酵性食物繊維が入ったシリアルが不腸改善に◎
(取材・文/山崎ますみ)
【PROFILE】
松生恒夫先生 ◎内科医。松生クリニック院長。日本内科学会認定医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本消化器病学会認定専門医。『寿命の9割は腸で決まる』『日本一の長寿県と世界一の長寿村の腸にいい食事』ほか、著書多数。