のん(27)の主演映画『私をくいとめて』(12月18日公開予定)に橋本愛(24)が出演していることがわかった。NHKの朝ドラ『あまちゃん』でヒロインとその親友を演じて以来、7年ぶりの共演だ。
『あまちゃん』女優たちのその後
橋本は自身のインスタグラムに、のんとのツーショット写真を投稿して、
《れなちゃんの、真っ黒い大きな瞳から、いっろんなものを受け取りました。楽しかった〜…》
と、コメント。「のん」ではなく「れな」と呼んでいることが、ふたりのファンをいっそう熱くさせた。というのも、のんはかつて「能年玲奈」として活動。4年前に所属事務所とのトラブルから独立後、改名した経緯がある。
このトラブルの影響で、地上波の全国区番組にはなかなか出られず『あまちゃん』ゆかりの岩手県などでのローカルな仕事に頼ったりもしてきた。本格的な実写映画への主演もじつに6年ぶりだ。その映画にかつて名コンビを組んだ橋本も出演するわけである。
ただ、橋本もブレイク後は苦労を味わった。CMイベントに出演する直前に熱愛報道があり、メディアからの質問にうまく対応できなかったり、ブログへの悪意あるコメントに傷ついて、コメント欄を閉じてしまったり。のんはかつて、極度の人見知りで話題になったが、橋本もコミュニケーションがちょっと不器用なタイプのようだ。
しかし、そんなふたりだったからこそ『あまちゃん』の役柄がうまくハマったのだろう。ふたりはアイドルデュオ『潮騒のメモリーズ』を結成して地元の活性化に奮闘するという設定。素のぎこちなさもあいまって、視聴者は応援したい気持ちになったのだ。
ちなみに「あまちゃん」では、アイドルを目指す役を演じた若手女優が数多く世に出た。そこには、このふたりに負けず劣らず、クセの強そうな人もいる。
役柄さながらな個性の強さ
まずは「アメ女」こと「アメ横女学園芸能コース」のセンターだった足立梨花(28)だ。『あまちゃん』ではヒロインをいじめる役どころを演じたが、本人もなかなか気が強い。ツイッターではアンチからのコメントに対し《嫌なら私のツイート見るなよ》《めんどくさいな》などと言い返したこともある。
今年3月、共演経験の多かった志村けんさんが新型コロナウイルスに感染した際には、
《ええっと、、、とりあえず。1カ月以上会ってませんので大丈夫です》
と、ツイート。心配するファンを安心させるための言葉だったが、自分本位すぎると非難されてしまった。その後、志村さんが亡くなったことで、本人は深く後悔したようだ。
また「GMT47」のリーダーを演じた松岡茉優(25)も『あまちゃん』での役柄さながらの熱さでともすれば敵を作ってしまうタイプ。今年6月に『文春オンライン』が発表した「嫌いな女優」アンケートでも7位にランクインしていた。
トーク番組で、先輩女優からイヤミを言われた話をして「私はその人のこと尊敬してなかったから、聞かなかった」と語ったことが不興を買ったり、お笑い好きを公言していることについて「お笑いわかってます感が強い」「それならもう少しトークの腕でも磨けばいいのに」といった声がSNSでもあがっていたものだ。
最近は主演ドラマ『おカネの切れ目が恋のはじまり』(TBS系)が、共演した三浦春馬さんの遺作として話題になったが、彼女のイメージアップにはつながっただろうか。
成長続ける『あまちゃん』女優
かと思えば、不運なかたちで足踏みした人もいる。GMTのメンバー「小野寺薫子」を演じた優希美青(21)だ。役柄同様、本人も東北出身ということでひときわ注目され、2年後にはNHK朝ドラ『マッサン』で主人公夫婦の娘役に起用された。
が、放送中に激痩せが騒がれるようになり、体調不良で活動を休止。予定されていた歌手デビューも立ち消えになった。数か月で復帰したものの、飛躍への大チャンスを逃した印象は否めない。それでも、10月23日にスタートした時代劇『赤ひげ3』(NHKBSプレミアム)ではヒロインを務めており、成長ぶりを見せている。
そしてもうひとり、忘れてはいけない大物がいる。ヒロインの母の少女時代を演じた有村架純(27)だ。『あまちゃん』ではヒロインの母も昔アイドルを目指した設定なので、彼女は昭和のアイドルを演じることとなった。
有村は当時、都内で行われた『あまちゃん』の取材で、
「私の顔つきは昭和のにおいを漂わせているみたいで、1980年代にぴったりだって言っていただくことが多くて」
と語っていたが、実際、これはハマり役だった。おかげで、この4年後にはやはり昭和を舞台としたNHK朝ドラ『ひよっこ』のヒロインに起用される。これもヒットしたことで、彼女は『NHK紅白歌合戦』の司会を2度務めるほどの国民的人気者となるわけだ。
現在は『姉ちゃんの恋人』(フジテレビ系)に主演中。今のところ『あまちゃん』でアイドルを演じた若手女優たちの出世頭といって間違いない。
とはいえ、あくまで「今のところ」だ。はたして10年先、50年先に彼女たちはそれぞれどんなポジションにいるのか。ここで触れなかった顔ぶれも含め、興味深く見守りたい。